「簡単に大人っぽい雰囲気を出すにはどんなコード進行を使ったらよいの?」
「ダイアトニックコードを使った応用コードを知りたい!」
作曲の際、基本的なダイアトニックコードを使ってコード進行を作ると、ありきたりな曲調になってしまうことはありませんか?
ドミナントセブンスを使えば、いつもと雰囲気の違う作曲をすることができます。
この記事では、ドミナントセブンスの基本的な構造やその効果について詳しく解説します。
目次
1.ドミナントセブンスとは
ドミナントセブンスは、曲の表情を豊かにするために必要不可欠な要素です。
ここでは、ドミナントセブンスの基本的な仕組みについて詳しく紹介します。
ドミナントについてよく分からない方は以下の記事をお読みください。
(1)セブンスコードとは
セブンスコードは三和音のコードに7度(セブンス)を足したコードのことです。
ここでは、その効果や種類について解説します。
#1:セブンスコードとは
セブンスコードとは三和音(1度、3度、5度からなる和音)に7度の音が付加されたコードのことです。
1度、3度、5度、7度の四つの音から構成されているため、四和音と呼ばれることもあります。
たとえば、セブンスコードG7の構成は三和音「ソ、レ、シ」に7度のファを付加した「ソレシファ」となります。
三和音のみのコードは単調な印象を与えますが、セブンスコードを使うことで様々な雰囲気の曲調に変化させることができます。
#2:セブンスコードの種類
セブンスコードには短7度と長7度の2種類があります。
短7度は1度から7度の間に9音の隔たりがあるものを、長7度は10音の隔たりがあるものを指します。
長7度はM7(メジャーセブン)、短7度は7(セブン)として表記されます。
①CM7(ドミソシ)はCに長7度(M7)を付加したコード
②Dm7(レファラレ)はDmに短七度(7)を付加したコード
①はCスケールの1度(ド)から7度(シ)が「ド♯、レ、レ♯、ミ、ファ、ファ♯、ソ、ソ♯、ラ、ラ♯」と10音分離れています。
②も同様に考えると、こちらは「レ♯、ミ、ファ、ファ♯、ソ、ソ♯、ラ、ラ♯、シ」と9音分離れてます。
もちろんCに短7度の音を付け足したC7というコードもあります。
しかし、ドから9音離れた「ラ#」の音はCメジャースケールの音ではないのでノンダイアトニックコードとして扱われます。
よって、ダイアトニックコードとしてセブンスコードを使用する場合は、長7度か短7度どちらを付加するべきなのか決まっています。
IM7 CM7(ドミソシ) IIm7 Dm7(レファラレ) IIIm7 Em7(ミソシレ) IVM7 FM7(ファラドミ) V7 G7(ソシレファ) Vlm7 Am7(ラドミソ) Vllm7-5 Bm7-5(シレファラ)
これらはダイアトニックコードとしてのセブンスコードなので、三和音を使う時と同じような場所で使用できます。
ダイアトニックコードについてよく分からない方は以下の記事をお読みください。
(2)ドミナントセブンスとは
次に、セブンスコードを使用したドミナントセブンスについて解説します。
#1:ダイアトニックコードとドミナント
各キーを中心に最も自然に響く7つの音を元に構成されたスケール(調)をダイアトニックスケールといいます。
また、ダイアトニックスケール上の音だけでできているコードのことを、ダイアトニックコードといいます。
ダイアトニックコードだけのコード進行なら、違和感のない楽曲を作ることができます。
ダイアトニックコードは各キーにつき7種類存在し、トニック、サブドミナント、ドミナントに分かれています。
ドミナントはメジャースケールの5番目の音を指しており、不安定な音程が含まれています。
そのため、ドミナントは安定しているトニックに向かいたくなる性質を持っています。
このドミナント→トニックのコード進行をドミナントモーションといいます。
ドミナントモーションについては以下の記事をお読み下さい。
#2:ドミナントセブンスとは
ドミナントセブンスとはアルファベット1文字で表せるコードCやGなどに数字の7をたして表記したコードのことです。
アルファベット1文字で表せるコードは通常1度、長3度、完全5度の3つの音から成り立っていて、これはメジャーコードであることを意味しています。
ドミナントセブンスは、このメジャーコードに短7度を付加した和音のことをいいます。
先ほども述べたようにダイアトニックコードでは、ドミナント→トニックというドミナントモーションがよく使われます。
このドミナントV→トニックIの進行をV7→Cとする場合、V7をドミナントセブンスといいます。
(3)ドミナントセブンスの効果
先ほども述べたように、ダイアトニックコードにおいてドミナントV→トニックIという進行は非常に結びつきが強く、心地よい響きとなります。
さらにG(ソシレ)をG7(ソシレファ)とすることで、ドミナントコードの不安定さが増しトニックへの結びつきがさらに強くなります。
これは、長3度と短7度が増4度という関係性にあり、数ある音程の中でも特に不安定とされているからです。
増4度とは、二つの音程が全音3つ分であることでトライトーンともいいます。
そのため、ドミナントV→トニックIよりもV7→Iの方が強い結びつきがあります。
トニックI印象を強く残したいときは、このようにドミナントセブンスV7が使われることが多く雰囲気を変えることもできます。
特に、おしゃれな印象を与えることを得意としていて、主にR&Bやジャズなどに使われています。
(4)裏コードとは
裏コードとはドミナントセブンスの代理コードで、♭II7(キーがCの時 D♭7)のことを指します。
この♭II7はドミナントセブンスと同じように、不安定な構成なのでドミナントセブンスの代わりに使うことができます。
C→F→G7(ソシレファ)→C ※G7(V)を裏コード♭ll7(D♭7)に置き換える C→F→D♭7(レ♭ファラ♭シ)→C(ドミソド)
このようにドミナントセブンスを裏コードに置き換えることで、D♭7からCへの半音下降の流れを作ることができます。
いつものドミナントモーションとは違う動きになり、曲の雰囲気ががらっと変わります。
また、サブドミナント→ドミナント→トニックというコード進行の際にも裏コードは使われます。
Dm→G7→C ※G7を裏コード♭ll7(D♭7)に置き換える Dm(レファラ)→D♭7(レ♭ファラ♭シ)→C(ドミソ)
この時、ベース音がレ→レ♭→ドというように、半音下降で続きます。
サブドミナント→ドミナント→トニックのコード進行を保ちながら半音下降をすることで、より自然な流れを作ることができます。
このように、V7から♭ll7への置換はドミナントセブンスのありきたりな響きを避けるだけでなく、大人っぽい印象にすることができるテクニックです。
R&Bやジャズなどによく使用されれています。
まとめ
ドミナントセブンスは、作曲の際によく使われているコード進行です。
ドミナントセブンスを使うことで、いっきにおしゃれな雰囲気を作り出すことができます。
構成や効果についてよく理解し、ぜひ作曲に活かしてみてください。