即興演奏とは?即興演奏の由来や概要、できるようになる方法・メンタルの持ち方を解説

「即興演奏って何?楽譜なしで演奏すれば即興演奏に該当するのかな?」
「即興演奏したいけど、緊張して演奏できなくなってしまう。どうやったら即興演奏が上手くなるかな?」

即興演奏とは、楽譜に頼らずに楽器を演奏したり、作曲したりすることです。

その場の思いつきで演奏すれば即興として成立します。

しかし、思いつきでなんとなく人前で演奏なんて怖くてできませんよね?

この記事では、即興演奏の概要と過去の有名な即興演奏事例、即興演奏できるようになる方法と、即興が得意な方の精神的な共通点を3つ紹介します。

最後まで読めば即興演奏の概要がわかり、上手く即興演奏できるようになるでしょう!

1.即興演奏とは?

即興演奏とは何か、まずは概要について解説します。

  1. 楽譜に頼らずその場で作曲や編曲・演奏を行う
  2. 音楽の最も原始的な形
  3. 過去の即興演奏の例

即興演奏の意味や由来、過去に行われた有名な即興演奏について解説します。

(1)楽譜に頼らずその場で作曲や編曲・演奏を行う

即興演奏とは、楽譜に頼らずにその場で作曲・編曲・演奏を行うことです。

簡単に言えば、その場で思いついたフレーズなどを組み合わせて音楽にしていくこと。

アーティストが即興で歌を作ったり、歌ったりするのも即興演奏の1つです。

即興演奏は、その場の雰囲気で音作りをしていくもので、楽譜などの縛りがなく自由に楽曲を作れます。

(2)音楽の最も原始的な形

即興演奏は、音楽の最も原始的な形と言って良いでしょう。

古来の音楽は、決め事などなくその場にある楽器などを用いて作られたものであり、今でいう即興演奏の元祖となっています。

現在では音楽理論やフレーズなど、すでに生まれている理論に影響を受けてしまいます。

しかし、即興演奏の多くは特に縛りを設けずに音楽を作る、古来の音作りに近いでしょう。

(3)過去の即興演奏の例

過去に行われた有名な即興演奏の例を3つ紹介します。

  1. アンドレ・プレヴィン
  2. ヨーゼフ・ヨアヒム
  3. ショスターコヴィチ

1つずつ有名な即興演奏の概要を解説します。

#1:アンドレ・プレヴィン

アンドレ・プレヴィンは、一流のジャズ・ピアニスト・指揮者です。

モーツァルトのピアノ協奏曲を、即興で演奏しており、その曲をCDに残しています。

基本的に即興曲は自由に演奏するため、2度同じ演奏を聴くことはできません。

しかし、アンドレ・プレヴィンは自身の演奏をCDに残したため、後世でも広くそのアレンジを聞くことができます。

#2:ヨーゼフ・ヨアヒム


ヨーゼフ・ヨアヒムは、ベートーベンのバイオリン・コンツェルト第一楽章の中の「カデンツァ」で即興演奏を披露。

通常はこのカデンツァは、ソリストの腕前を披露するために、曲のテーマを盛り込んだ即興演奏をするのが決まりです。

しかし、ヨーゼフ・ヨアヒム以降は、ソリストがヨアヒムの即興曲を演奏するのが通例となっています。

それほどヨーゼフ・ヨアヒムのカデンツァ即興演奏が素晴らしく、記憶に残るものだったという証拠でしょう。

#3:ショスターコヴィチ

ショスターコヴィチも、即興演奏で有名な演奏家です。

ロシア生まれで、1923年から就いた映画館の仕事では、映画に合わせて1時間半即興でピアノを弾く仕事をしていました。

登場人物やシーンに合わせて、その時思いついたメロディを演奏していたという即興の達人です。

2.即興演奏できるようになる方法

即興演奏ができるようになるために、以下の2つを意識して練習しましょう。

  1. プロの音楽・演奏を聴きフレーズを身体で覚える
  2. その場の雰囲気で音を出してみる

即興演奏はただの思いつきでも成立しますが、やはり自分の技術に自信があってこその演奏。

基本技術を身につけ、自信がある状態で即興演奏しましょう。

(1)プロの音楽・演奏を聴きフレーズを身体で覚える

即興演奏できるようになるには、プロの音楽や演奏を幾度も聴き、身体でフレーズを覚えるようにしましょう。

音楽が体に染み付いていなければ、即興の場でフレーズを引き出すことができません。

即興というとその場でオリジナルを生み出すと考えている方も多いでしょう。

しかし、実際は過去に聴いたフレーズ、またはアレンジを組み合わせて演奏しています。

そのため、フレーズの引き出しが少ないと即興演奏ができないのです。

日頃からプロの演奏を聴いて、フレーズをしっかり覚えて演奏できるようにしておきましょう。

(2)その場の雰囲気で音を出してみる

即興演奏は、音楽の知識がなくてもその場の雰囲気で音を出すことで成立します。

良し悪しは置いておいて、その場の思いつきで音を出すだけでも即興演奏です。

良い音楽を奏でるにはセンスが必要ですが、緊張しづらくとりあえず即興演奏してみたい方は、まず試しに1度人前で即興演奏にトライしてみても良いかもしれません。

3.即興演奏が得意な人のメンタル的特徴

即興演奏が得意な人は、以下3つのメンタル的特徴を持っています。

  1. 好奇心旺盛である
  2. 失敗を恐れない
  3. 周囲に合わせられる

今度即興に挑戦したい、または一度試したが、全くできず後悔している方は精神を鍛えることで、即興演奏に成功できるかもしれません。

即興演奏に強くなる精神的コツを、1つずつ紹介します。

(1)好奇心旺盛である

即興演奏が得意な人は、基本的に好奇心旺盛なタイプが多いです。

「このフレーズを組み合わせたらどうなるだろう?」「今このフレーズを弾いたら、皆どんな反応をするかな?」

このような、知的好奇心から音を直観的に出している人も多いです。

音楽理論だけにとらわれず、「こんな音出したらどうなるかな?」程度の、軽い気持ちで演奏する度胸も大切です。

また日頃から音楽に関心を持ち、いろいろな音楽を聴いているため、フレーズの引き出しも多いといえます。

(2)失敗を恐れない

即興演奏が得意な方は、失敗を恐れないタイプの方が多いです。

人前で思いついたフレーズを演奏するには勇気が要り、普通のメンタルでは緊張してうまく演奏できないはず。

しかし、即興演奏を得意とする方は、失敗が怖いという気持ちがありません。

恐怖を感じないため演奏の際に躊躇いがなく、堂々として聞こえます。

仮に失敗しても「まあいっか」で済ませられる人が多いです。

即興演奏に強くなりたいなら、失敗を怖がらず、また失敗しても気にしないようにしましょう。

(3)周囲に合わせられる

即興演奏が得意な方は、周囲に合わせることが上手い人です。

バンドなどで即興演奏する時は特に、周囲との調和が必要でしょう。

リードギターのフレーズに合わせて自分のビートを決めたり、テンポを合わせたりしなければなりません。

またソロの場合は、観客の反応や雰囲気を読んで、求められている楽曲を演奏する能力が必要です。

普段から「空気が読めるタイプ」「協調性が高い」と言われている方は、即興曲を演奏する際に柔軟に相手に合わせて楽曲を演奏できるため、即興演奏がうまいといえます。

まとめ

即興演奏は難しいですが、肩肘張らずに失敗してもよいという気持ちで臨むようにしましょう。

即興が得意な方は天才に見えますが、実は日頃からピアノをもう練習していたり、プロの音楽を聴き込んでいる人が多いです。

フレーズの引き出しが多いほど、即興演奏の際にメロディやフレーズが思いつきやすくなります。

本記事で紹介した即興演奏のコツ、またメンタル的な特徴を参考にして演奏してみましょう!

関連記事