【印税の話】作詞・作曲における2種類の印税と仕組みを徹底解説!

「作詞・作曲の印税ってどのくらいもらえるのか知りたい!」
「印税の計算方法ってどうなっているの?」

作詞・作曲における印税について知りたいと思っていても、計算方法がわからずどうすれば良いのか悩んでいるのではないでしょうか。

実は、作詞・作曲における印税は、仕組みを理解すれば、およその目安が立てられるようになります。

今回は作詞・作曲における印税の種類と仕組みについて解説します。

この記事を読んで、作詞・作曲の印税について理解することができれば、音楽で生計を立てていくことも夢ではないかもしれませんよ!

以下の記事では、プロの作曲家になるための方法について解説しているのでぜひご覧ください。

プロ作曲家になるには?5つの方法と有名作曲家の経歴も紹介

2020.06.24

1.印税生活を目指すには

印税とは、著作物を利用する人が、著作権を持つ人に支払う「著作権料」のことです。

音楽業界において印税は、楽曲を販売するレコード会社から作詞家・作曲家に対して、販売部数などに応じて支払われます。

著作権法に基づいて考えると、編曲家も著作者として作詞家・作曲家と同様の権利を有してはいますが、実際には楽曲が初めて音源化された際の編曲「公表時編曲」のみ印税が支払われ、カバーやリアレンジ、リミックスされた楽曲の編曲に対しては印税は支払われないのが通例です。

作詞家・作曲家の中には、過去のヒット曲の印税だけで、悠々と暮らしていけるほどの印税収入を持っている人もいます。

例えば、Wink「淋しい熱帯魚」でミリオンセラー、「新世紀エヴァンゲリオン」主題歌で大ブレークした作詞家の及川眠子は、「パチンコの印税は億、いきました。この四半世紀くらい年収は3,000万円を切ったことはない」と話しています。

また、1993年に発売されたTHE虎舞竜のCD「ロード」は220万枚を売り上げ、作詞・作曲した高橋ジョージは「1年後に約22億円もの印税収入があった」と公言しています。

今なお、高橋のもとには年間1200万円程度の印税が入るとも言われ、大ヒットすれば、1つの楽曲が“億単位”の印税を生みだす可能性も秘めています。

ここからは、印税の種類と仕組みについて解説します。

(1)作詞・作曲の印税は2種類ある

作詞・作曲の印税は、以下の2つの種類があります。

  1. 著作権印税
  2. 原盤印税

順に解説します。

#1:著作権印税

著作権とは、作詞家・作曲家が「自分が作った詞や曲について、他者による無断使用を拒否できる権利」のことです。

その権利を守るために著作権印税があり、テレビやラジオなどでその楽曲を使用するときには、著作権印税として作詞家・作曲家に対して支払われます。

著作権印税の徴収・分配には煩雑な作業と時間が必要になりますが、その手続き一切を代行して著作権を管理しているのがJASRAC(日本音楽著作権協会)という団体です。

日本では、著作権印税は、CDの場合は定価の6%、ライブの場合は定価の5%が一般的とされています。

例えば、税抜き定価2000円、収録曲数15曲、製造枚数500枚のCD場合、2000円×6%/20曲=6円となり、6円×500枚×20曲+消費税(10%)から、使用料は67,100円(参考URL:JASRAC)となります。

収録曲数は15曲であるのに20曲分で計算しているのは、5分以上の著作物は5分を増すごとに1曲として著作物数を計算するためで、今回の例で言えば収録曲のうち5分以上9分59秒までの曲が5曲あると仮定しています。

JASRACは、レコード会社、テレビ・ラジオ局、コンサート主催者、カラオケ事業者など楽曲の利用者から著作権使用料を徴収し、著作権印税から手数料を引いて音楽会社に譲渡、音楽会社がそこから手数料を引いたものを作詞家・作曲家は著作権印税として受け取ります。

一方、歌い手や演奏家には著作権は認められていないため、著作権印税は発生しません。

このことに関しては、以下の「アーティスト印税」のところで詳しく解説します。

#2:原盤印税

原盤印税とは、CDの原盤を作った制作者(レコード会社、音楽出版社、芸能プロダクションなど)に支払われる印税のことです。

日本では、CDの場合の原盤印税は、定価の12~16%が一般的とされています。

CD1枚の値段を3000円と仮定した場合、原盤印税は369~480円ということになります。

原盤印税はあらかじめ契約で分配率を設定しておき、それに基づいて原盤制作者分と作詞家・作曲家、アーティストに収益が分配され支払われます。

最近ではアーティスト、レコード会社、音楽出版社などが共同制作者となって、「原盤権」を保有するケースも増えています。

原盤印税はCDの売り上げに応じて発生する対価ですが、現在の音楽業界ではダウンロード配信などの影響で、以前のように膨大なCDの売り上げは見込めないのが現状です。

そのため、作詞家・作曲家の収入としては原盤印税よりも著作権印税のほうが大きなウエイトを占めています。

(2)歌い手にはアーティスト印税が入る

楽曲は制作された時点で、自動的に著作権が生じ、著作権印税が発生します。

ただし、この著作権印税の対象は、作詞家・作曲家と、それを管理している団体(音楽出版社など)に限定されています。

つまり、JASRACが管理しているのは作詞家と作曲家の権利のみで、作詞や作曲を自身で手がけていない限りは、ギャラ(出演料)のみの支払いに留まり、歌い手の権利は事実上含まれていません。

そこで、歌い手や演奏家などのアーティストには、アーティスト印税(歌唱印税)として、1%程度の印税配分が設定されることがあります。

アーティスト印税は、レコード会社との契約でCDが売れた枚数に応じて歌い手がもらえる印税のことで、著作隣接権に含まれます。

ただし、歌い手や演奏家などのアーティストの場合、「先に一定の報酬を得たい」という考えから、印税分配を選ばずに権利の買取り契約を選んで、ギャラ(出演料)として報酬を得ることも多いです。

2. 印税の計算方法を解説

「音楽ビジネスは権利ビジネス」とも称されるように、「楽曲という権利」を作り出す作詞家・作曲家にとって、印税は長年にわたって大きな利益を運んできてくれる大事な収入源です。

ですが、音楽不況と言われ、CDよりも配信サービスの利用者が急増している現状では、1つの楽曲で“億単位”の印税を生み出すことは容易ではありません。

音楽業界で生計を立てる人は、収入源となる印税をどのような方法で得ているのでしょうか。

ここでは、それぞれの印税の仕組みと計算方法を解説します。

  1. 定額制音楽配信サービス(サブスク)の印税について
  2. CDの印税について
  3. カラオケの印税について

(1)定額制音楽配信サービス(サブスク)の印税について

音楽配信サービスにおけるサブスクリプション(サブスク)は、月額で定額料金を支払えば、その期間内は音楽が聴き放題になる仕組みです。

2008年10月にサービスを開始したスウェーデンのSpotifyから始まり、現在、日本では、AWA、LINE MUSIC、Spotify、Google Play Music、Apple Musicなどがサブスクサービスに参入しています。

サブスクにおける印税の仕組みですが、サブスク事業者は、JASRACからサブスクサービスに対する許諾を得て、楽曲の著作権使用料を支払います。

そして、サブスク事業者から利用実績が記載されたデータを受け取ったJASRACは、それに基づいて著作権使用料を作詞家・作曲家に分配します。

サブスクの印税単価を算出するには、使用料を総リクエスト回数で割ると、1曲1リクエスト当たりの単価がでます。

Apple musicで1回聴くと1円程度、Spotifyで1回聴くと0.3円程度が相場と言われています。

そのなかから作詞家・作曲家には、印税として2~3%が還元されます。

Apple musicの場合を例にとると、1再生あたり0.2円程度の売上となり、作詞家・作曲家は100万回再生されてようやく20万円を受け取ることができます。

とはいえ、アメリカを筆頭にサブスクサービスは音楽業界を不況から回復させていることから、日本もその波に乗れば、サブスクでの印税が大きな収益源にまで成長する日も近いかもしれません。

(2)CDの印税について

CDの発売が決まると、曲はJASRACに登録されます。

CD1枚に対して6%の印税が発生し、印税はCDを制作するレコード会社がJASRACに支払う仕組みです。

レコード会社からJASRACに支払われた印税は、直接、作詞家・作曲家に支払われることもあれば、音楽出版社経由で支払われることもあります。

音楽出版社を経由して支払われる場合、JASRACから支払われた印税を音楽出版社は作詞家や作曲家へ分配して、残った取り分を売上としています。

上記をまとめると、レコード会社→JASRAC→音楽出版社→作詞家・作曲家への分配が一連の流れです。

そのため、作詞家や作曲家からすれば音楽出版社を通さないほうが取り分は大きくなりますが、その場合には著作権の管理や売り込み宣伝を自分で行う必要があります。

また、CDの印税の場合、作詞家・作曲家のほか、作詞して歌を歌った人、演奏だけした人などいろいろなケースがあり、それぞれ印税額に差がでます。

売上枚数が増えれば増えるほどその差は大きくなり、グループの場合はメンバー間の収入格差が広がるため、解散騒動にまで発展することもあります。

(3)カラオケの印税について

カラオケで使用される曲にも、印税が発生します。

カラオケ印税は著作権印税の1つで、著作権法で守られた楽曲の使用許可を得るためのものです。

カラオケ業者がJASRACに著作権使用料を渡すことで、JASRACから音楽出版社、作詞家、作曲家に印税が分配される仕組みです。

その後、契約に応じて、音楽会社から歌い手や演奏家に再分配されることもあります。

カラオケ印税は1曲歌われるごとに印税として2円〜7円が発生します。

1曲6円と仮定するならば、作詞家・作曲家・歌い手がそれぞれ別の人の場合、作詞家に3円、作曲家に3円、歌い手0円という分配になります。

歌い手や演奏家になぜ分配されないのかについては、著作権印税のところで述べたように、楽曲の著作権は作詞者と作曲者に限定されており、歌い手や演奏家には与えられていないからです。

もちろんアーティスト自身が作詞・作曲を手掛けた楽曲には、歌詞と曲に対して著作権が発生するので、著作権印税の対象になります。

まとめ

今回は作詞・作曲における印税について解説しました。

この記事を読んで、より印税収入への興味と理解が深まったのではないでしょうか?

印税生活を夢見るなら、まずはクオリティの高い作品を作り、いかにして売上を出すかを考えるとよいでしょう。

以下の記事では、有名な日本人作曲家を紹介しているのでぜひご覧ください。

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2020.05.27

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