ドリアンスケールの特徴とは?初心者でも簡単な導き方とまとめ表

「ドリアンスケールってどんな構成になっているの?」
「ドリアンスケールにはどのような特徴があるの?」

メジャースケールを勉強した人の中には、ドリアンスケールのことを知り、どのようなものなのか気になっている人も多いのではないでしょうか。

実は、ドリアンスケールはメジャースケールが派生したもので、使用頻度が高いため、音楽初心者でも覚えておくべきスケールなのです!

本記事では、ドリアンスケールの特徴や導き方を紹介します。

この記事を読んで、ドリアンスケールについて理解し、表現の幅を広げましょう!

なお、ドリアンスケールを理解する上で、ダイアトニックスケールの理解は必須なので、詳しく知らない人は、以下の記事を先にご覧ください。

ダイアトニックスケールとは?初心者が覚えておくべき2つのパターン

2020.12.27

1.ドリアンスケールとは

ドリアンスケールとは

ドリアンスケールはマイナースケールの1種で、メジャースケールの並びを1つずらしたスケールのことです。

メジャースケールは、以下のような規則性に則って7音が並んでいます。

メジャースケールの規則性

全音→全音→半音→全音→全音→全音→半音

半音:基点となる音の隣の音
全音:基点となる音から1音飛ばした音

ドリアンスケールは、メジャースケールの第1音を第7音の後ろに1つずらしたものです。

ドリアンスケールの規則性

全音→半音→全音→全音→全音→半音→全音

ドリアンスケールはよく見かけるスケールなので、初心者も覚えておくことをおすすめします。

ちなみに、メジャースケールの規則性を5つずらしたものがマイナースケールの並びです。

マイナースケールの規則性

全音→半音→全音→全音→半音→全音→全音

ドリアンスケールはマイナースケールと同じようにメジャースケールから派生していることを頭の片隅に入れておきましょう!

2.ドリアンスケールの特徴

ドリアンスケールの特徴

ドリアンスケールの特徴は、どこか暗めな印象があるにもかかわらず、浮遊感があっておしゃれな雰囲気になる点です。

メジャースケールに比べると不穏な雰囲気になりますが、マイナースケールに比べるとやや明るく、ダークな曲調と相まって都会的な印象を出すことができます。

ドリアンスケールが使われている楽曲はたくさんあり、たとえば、少女時代の『Genie』もその1曲です。

他にも、ボカロの大人気の楽曲である『拝啓ドッペルゲンガー』でも使われています。

自分がよく聞いている楽曲の中に含まれている可能性があるので、ドリアンスケールが使われている楽曲にどのような曲があるのかチェックしてみましょう!

3.ドリアンスケールの導き方

ドリアンスケールの導き方

ドリアンスケールの導き方を紹介します。

初心者でも簡単に導く方法は以下の通りです。

ドリアンスケールの導き方

  1. ダイアトニックマイナースケールを割り出す
  2. 第6音を半音上げる

ドリアンスケールはメジャースケールからの派生ですが、マイナースケールから導いた方が早いです。

たとえば、今回はDのドリアンスケールを導くとしましょう。

Dのマイナースケールは以下の通りです。

マイナー
スケール
Dm D E F G A B♭ C

このスケールの第6音を半音上げた以下のスケールが、Dのドリアンスケールになります。

ドリアン
スケール
Dm D E F G A B C

マイナースケールとドリアンスケールの関係性(マイナースケールの第6音を上げるとドリアンスケールになる)を覚えておけば、初心者でも息を吸うように簡単にドリアンスケールを割り出すことができます。

何度かドリアンスケールを割り出す練習をして、ドリアンスケールに対する苦手意識を持たないようにしましょう!

なお、以下の記事でダイアトニックコードをまとめているので、マイナースケールやダイアトニックコードを割り出すときの参考にしてみてください。

ダイアトニックコードの一覧表!初心者におすすめの3つの使い方!

2020.12.27

4.ドリアンスケールまとめ表

ドリアンスケールまとめ表

ドリアンスケールを各スケールごとに表にまとめました。

各スケールのドリアンスケールは以下の通りです。

ドリアン
スケール
C C D E♭ F G A B♭
C♯ C♯ E♭ E G♭ A♭ B♭ B
D D E F G A B C
E♭ E♭ F G♭ A♭ B♭ C D♭
E E F♯ G A B C♯ D
F F G A♭ B♭ C D E♭
F♯ F♯ G♯ A B C♯ D♯ E
G G A B♭ C D E F
A♭ A♭ B♭ B D♭ E♭ F G♭
A A B C D E F♯ G
B♭ B♭ C D♭ E♭ F G A♭
B B C♯ D E F♯ G♯ A

ちなみに、以下のメジャースケールの表と見比べると、第3音と第7音が半音下がっているだけで、残りは共通になっていることがわかります。

メジャー
スケール
C C D E F G A B
C♯ C♯ E♭ F G♭ A♭ B♭ C
D D E F♯ G A B C♯
E♭ E♭ F G A♭ B♭ C D
E E F♯ G♯ A B C♯ D♯
F F G A B♭ C D E
F♯ F♯ G♯ A♯ B C♯ D♯ F
G G A B C D E F♯
A♭ A♭ B♭ C D♭ E♭ F G
A A B C♯ D E F♯ G♯
B♭ B♭ C D E♭ F G A
B B C♯ D♯ E F♯ G♯ A♯

メジャースケールとドリアンスケールの規則性(メジャースケールの第3音と第7音が半音下がる)さえ覚えておけば、わざわざドリアンスケールを完璧に覚える必要はありません。

マイナースケールから導いた方が手間は少ないですが、マイナースケールをなかなか覚えられない人は、メジャースケールから導くのもおすすめです。

速やかにドリアンスケールを知りたいときはまとめ表を参考にして、時間に余裕があるときは、メジャースケールやマイナースケールから導くと、自然と覚えるようになりますよ!

まとめ

ドリアンスケールはメジャースケールが派生したもので、ポピュラー楽曲によく使われています。

メジャースケールやマイナースケールの規則性さえ覚えておけば、誰でも簡単に割り出すことが可能です。

今回紹介したドリアンスケールの導き方やまとめ表を参考にして、ドリアンスケールをマスターしましょう!

なお、以下の記事でロクリアンスケールについて紹介しているので、気になる人はあわせてチェックしてください。

ロクリアンスケールの特徴とは?初心者におすすめの導き方とまとめ表

2021.07.10

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