「楽曲を作る際、作詞と作曲のどちらから始めればいいの?」
「作詞と作曲はそれぞれどのような手順で作ればいい?」
このように悩んでいませんか?
実は、作詞・作曲のどちらを先に作る方法も存在し、それぞれの方法にメリット・デメリットがあるため、自分に合った進め方を選ぶことが大切です。
今回の記事では、作詞・作曲のどちらを先に作るかをメリット・デメリットを交えて解説するとともに、作詞・作曲それぞれの作り方についても紹介します。
この記事を読んで作詞・作曲のスキルを高め、自分の納得のいく楽曲を作り上げてください。
目次
1.作詞・作曲のどちらから作るべきか
ここからは、作詞・作曲のどちらから作るべきかを、それぞれにどのようなメリット・デメリットがあるかに注目して以下の2つの場合に分けて説明します。
- 詞を作ってから曲を作る場合
- 曲を作ってから詞を作る場合
端的に言えば、詞と曲のいずれか先に作る方が自由度が高く、後に作る方が制約のある状態になります。
実際に先に詞を作る人もいれば先に曲を作る人もいますし、さらに言えば詞と曲を同時進行で作る(抑揚をつけた詞を一度に作るようなイメージ)という人もいます。
それぞれの特徴を理解し、作詞・作曲のどちらが得意か、作詞・作曲のどちらに重きをおきたいかなどを踏まえた上で、自分に適した順番で曲作りを進めましょう。
以下にそれぞれの詳細を説明します。
(1)詞を作ってから曲を作る場合(詞先)
詞を作ってから曲を作る場合、メッセージ性の強い曲を作りやすいという特徴があります。
まずはポエムを作るように歌詞を作り、その後メロディーを作って歌詞をあてはめていきます。
ただし、一旦歌詞を作り上げた後でもうまくメロディーにはまらない場合には、メロディーを変えるか歌詞を変えるかいずれかの調整が必要です。
この場合のメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット | 制約なく歌詞を書けるため、メッセージ性の強い歌詞が作れる |
ポエムを作るようなイメージで比較的簡単に歌詞を作れる | |
デメリット | メロディーを後付けするため曲が複雑化する場合がある |
韻を踏む歌詞を作ってもうまくメロディーに乗らない場合がある | |
メロディーに合わせる時点で修正が多く発生する可能性がある |
このように、詞を作ってから曲を作る場合には、比較的簡単にメッセージ性の強い歌詞を作ることができますが、作曲の難易度は高くなる傾向にあります。
(2)曲を作ってから詞を作る場合(曲先)
曲を作ってから詞を作る場合、きれいに曲にはまりやすく、聞き心地のよい曲になりやすいという特徴があります。
この場合、先に作った曲を思い浮かべながらメロディーに合う言葉を当てはめるように歌詞を作っていきます。
この場合のメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット | メロディやリズムに制限がなく作曲初心者の方でも曲を作りやすい |
強いメロディーラインを打ち出しやすい | |
韻を踏みやすく、聞き心地のよい曲になりやすい | |
デメリット | メロディーありきで詞をつくるため文字数に制限がある |
型にはまったありきたりな曲になりやすい | |
言い回しを工夫する必要がありメッセージ性が薄まる可能性もある |
このように、曲を作ってから詞を作る場合にはきれいに曲にはまった歌詞を作ることが可能で、作曲初心者の方には特におすすめです。
2.作詞の方法4ステップ
次に作詞の方法を以下の4つのステップに分けて説明します。
- テーマを決める
- 世界観を決める
- 構成・展開を決める
- 字数や響きを意識して歌詞を作る
順番に説明します。
ステップ1.テーマを決める
詞を作る際のステップの1つ目として、テーマを決めます。
歌詞のテーマは非常に幅広く、恋愛・友情・夢・好きなもの・普段考えていること・悩み・物語・平和の願いなど、さまざまな内容をテーマとすることができます。
どんなテーマでも良いので、とにかく自分が伝えたいことを言うということが一番大切です。
気に入ったテーマが浮かんで来たら、まずは歌詞を書いてみましょう。
スラスラ書ければそのまま続ければよく、数行で続かなくなればまた別のテーマを探してもよいのです。
このように、作詞の第1ステップはテーマを決めることで、自分が強く伝えたいと思うことなら何でも構いませんので自由に選びましょう。
ステップ2.世界観を決める
詞を作る際のステップの2つ目として、世界観を決めます。
世界観を決めるためにはなるべく具体的に設定を決めることが大切です。
例えばテーマが友情だとすると、
- 誰が主人公か
- 友情を結ぶ相手はどんな人か
- これから友情が結ばれていくのか、長年の友人か、友人との間に問題が生じたときか
- 季節や天気、場所はどこか
などといった具合に細かい設定を決めていきます。
5W1H(Who誰が・Whenいつ・Whereどこで・What何を・Whyなぜ・Howどのように)を意識して設定を決めるのもおすすめです。
実際のシーンをなるべく具体的に想像し、キャラクターになりきって歌詞を書くことで、より多彩な表現を思いつくことができたり説得力のある歌詞を書くことができます。
このように、作詞の第2ステップは世界観を決めることで、なるべく具体的で詳細な設定を決めることにより歌詞全体に統一感が生まれ、説得力のある歌詞に仕上げることができます。
ステップ3.構成・展開を決める
詞を作る際のステップの3つ目として、構成・展開を決めます。
最近の曲の多くは、1番(Aメロ→Bメロ→サビ)、2番(Aメロ→Bメロ→サビ)、Bメロ(もしくはCメロ)→大サビというような構成で作られています。
そして、Aメロは比較的穏やかで、Bメロで少し雰囲気が変わり、サビで一番盛り上がるのが一般的です。
歌詞を作る際にも、この曲の構成を意識しながら歌詞を展開していけば、全体として調和の取れた楽曲に仕上がります。
具体的には、サビで一番伝えたい歌詞を書き、Aメロで概要を、Bメロで世界観を伝えるといった具合です。
このように、作詞の第3ステップは構成・展開を決めることで、曲の構成を意識しながら詞を展開していくことでバランスの取れた曲になります。
ステップ4.字数や響きを意識して歌詞を作る
詞を作る際のステップの4つ目として、字数や響きを意識して歌詞を作ります。
歌詞が作文と大きく違うのは、曲に合わせて歌詞をはめ込んでいかなくてはならない点です。
作詞とは、自分が伝えたいメッセージをどれだけうまく文字数調整して歌詞に落とし込めるかを工夫する作業とも言えます。
表現したい言葉が文字数にうまくはまらない場合には、連想法を使って同義語・同意語で字数の合うものに置き換えていきます。
例えば、夢という言葉を、同じようなニュアンスの単語である願い・希望・望み・欲望・野望・理想・志・ドリームなどの言葉で置き換えるといった具合です。
字数を合わせつつ、よりイメージに近く響きの良い言葉がないかを探していきます。
その他にも、単調な歌詞になるのを避けるためには、以下のようなさまざまな手法を用いて工夫しましょう。
手法 | 内容 | 期待される効果 |
繰り返し | メロディーの切れる箇所で同じ言葉を繰り返し使う | 繰り返された言葉にインパクトがあり、聞き手の印象に残りやすい。 |
韻踏み | 同じもしくは似ている音を繰り返し一定の位置で用いる | 響きがきれいで聞き手が口ずさみやすい。 |
倒置法 | 目的語や述語を冒頭に持ってくる | 冒頭に持ってきた言葉が強調されて強いメッセージとして伝わる。ただし、倒置法を使い過ぎると意味が通じにくくなったりくどく感じられたりするので要注意。 |
比喩 | 直喩(「~のような」という言葉をいれた分かりやすい例え)と隠喩(「~のような」という言葉を省いた例え)を用いる | 聞き手のイメージを膨らませたり、共感させやすくする。 |
このように、作詞の第4ステップは実際に歌詞を作っていきますが、字数や響きを意識することで曲との調和がとれ、さらに繰り返しや韻踏みなどの手法を使うことにより単調になるのを避け、印象に残りやすい歌詞を作り上げることができます。
なお、今回紹介した作詞のテクニックを手助けするツールを以下の記事で紹介していますので参考にしてください。
3.作曲の方法3ステップ
最後に、作曲の方法を以下の3つのステップに分けて紹介します。
- ハーモニーを決める
- コードに合ったメロディーとリズムを決める
- メロディーを伸ばしていく
なお、作曲の方法は人それぞれで、今回紹介した手順以外にもさまざまな方法があります。
今回の手順は作曲の経験が少ない方でも取り組みやすく、初心者にもおすすめの方法です。
作曲の概要や、今や作曲に欠かせない作曲ソフト・アプリのおすすめについてさらに詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてください。
以下に、それぞれのステップについて順番に説明します。
ステップ1.ハーモニーを決める
作曲の手順の1つ目として、ハーモニーを決めます。
ハーモニーとは、複数の音の繋がりや変化のことです。
ハーモニーの中でも、西洋音楽や日本のポップスにはコード進行と呼ばれる一定の仕組みが活用されることが多く、コード進行を利用することで自然に耳なじみの良い曲が作れる傾向にあります。
一見最初にメロディーから作りたくなりがちですが、先に一定の仕組みが整っているハーモニー(コード進行)から決める方が初心者には取り組みやすいのです。
どのコード進行を使うか迷ったら、まずは自分の好きな楽曲のコード進行をベースに使い、自分なりにアレンジを加えてみるのもよいでしょう。
このように、作曲の第1ステップは、コード進行を使ってハーモニーを作りましょう。
ステップ2.コードに合ったメロディーとリズムを決める
作曲の手順の2つ目として、コードに合ったメロディーとリズムを決めます。
ステップ1で決めたハーモニーの響きをベースに、調和のとれるメロディーを考えていきましょう。
作りたい曲が歌なのであれば、メロディーも歌いながら作るのがおすすめです。
また、楽器で奏でるメロディーの場合も、できれば実際に使う楽器を用いてメロディーを考えるのが良いでしょう。
なぜなら、実際に奏でられる音域に合わせてメロディーを作ることができるからです。
メロディーを作れた後も、リズムによって曲のイメージが大きく変わるため、リズムも慎重に吟味しましょう。
このように、作曲の第2ステップは、コードと調和のとれたメロディーとリズムを作ります。
ステップ3.メロディーを伸ばしていく
作曲の手順の3つ目として、ステップ1.2で作ったメロディーを伸ばして1つの曲を完成させます。
最近の曲の構成として一般的な、Aメロ→Bメロ→サビといった流れを作る場合、3種類のメロディーが必要となるわけですが、それぞれのメロディーはバラバラに作ればよいというものではありません。
最初に一番伝えたいサビのメロディーを作り上げたら、Aメロはサビより少し低い音程でサビと同じコード進行を使うと統一感が生まれます。
次にBメロは少し曲の調子を変えるためにコード進行を変化させるのがおすすめです。
このように、全体のバランスを見ながらメロディーを伸ばしていくことで1つの曲を完成させます。
作曲を初めて行う方におすすめの練習は、好きな楽曲をそのままコピーしてみるという方法です。
オリジナルの曲を作りたいのに、既存の曲をコピーしてもあまり意味がないのではないかと思う方もいるでしょう。
しかし、曲をコピーするためには、その曲をただ鑑賞するのではなく、どのような音がどのようなリズムで鳴っているのかを注意深く聴く必要があります。
一曲をまるごとコピーすれば、その曲のコード進行や全体の構造について深く理解することができるでしょう。
また、作曲ソフトやアプリ上で同様のメロディーやハーモニーを鳴らす練習は、打ち込み練習としても非常に有効です。
このように、作曲初心者の練習方法として非常に有効な方法に、好きな楽曲をまるごとコピーしてみるという手法があります。
まとめ
今回の記事では、作詞・作曲のどちらを先に作るかをメリット・デメリットを交えて解説するとともに、作詞・作曲それぞれの作り方についても紹介しました。
作詞・作曲のどちらを先に作る方法も存在し、それぞれの方法にメリット・デメリットがあるため、自分に合った進め方を選ぶことが大切です。
この記事を読んで作詞・作曲のスキルを高め、自分の納得のいく楽曲を作り上げてください!