「耳コピで作った曲は著作権侵害にあたるの?」
「耳コピ楽曲を投稿するときは何に気をつければいいの?」
耳コピをして作った楽曲を動画投稿サイトなどで公開しようとしている人の中には、著作権が気になっている人も多いのではないでしょうか。
動画投稿サイトに自分でアレンジした楽曲などを公開している人が増えていますが、実は投稿する上で守らなければならないルールがあるのです!
本記事では、耳コピした楽曲は著作権侵害にあたるのか、耳コピした楽曲を動画投稿するときに何に気をつけなければならないのかについて紹介します。
知らなかったでは済まされないので、この記事を読んで著作権侵害にならないように気をつけましょう!
なお、耳コピの詳細について以下の記事でまとめているので、あわせてご覧ください。
目次
1.耳コピした楽曲は著作権侵害になるのか
耳コピで作った楽曲は著作権侵害に該当しません。
耳コピの原曲の作曲者や作詞者には著作権が発生しているので、原曲をそのまま自分で作ったかのように投稿することは著作権侵害にあたります。
一方、一から完全に作り直した耳コピ楽曲は、オリジナルの楽曲扱いになるので著作権侵害にはなりません。
そのため、耳コピ楽曲を動画共有サービスやSNSに投稿しても原則問題はありませんが、以下のような楽曲は著作権に触れます。
- 原曲音源の一部を使っている
- 背景BGMに原曲音源を入れている
- 耳コピ楽曲に原曲音源のボーカル部分を加えている
- 原曲音源を加工して使っている
上記の例に該当する場合は、自分で弾いたり聴いたりする分にはかまいませんが、インターネット上に投稿するのは控えましょう!
2.動画投稿時に著作権で気を付けるべき3つのこと
動画投稿時に著作権で気をつけるべきことを紹介します。
特に投稿初心者が気をつけるべき点は以下の3つです。
順に紹介するので、この3点に気をつけて耳コピ楽曲を投稿しましょう!
(1)全ての動画投稿サイトで投稿できるわけではない
耳コピ楽曲はオリジナル楽曲扱いですが、全ての動画投稿サイトで投稿できるわけではありません。
日本音楽著作権協会のJASRACと包括的利用許諾契約を締結している動画共有サービスでなければ、耳コピ楽曲を配信することができないのです。
包括的利用許諾契約とは、JASRACが管理している音楽著作物を利用する代わりに二次使用料(実演家や商業用レコードの制作者に対して支払う対価)を支払う契約をいいます。
JASRACと包括的利用許諾契約を締結している主なサービスは以下の通りです。
- YouTube
- ニコニコ動画
- ツイキャス
- LINE LIVE
- Rakuten LIVE
- Dailymotion
「利用許諾契約を締結しているUGCサービスの一覧」にJASRACと包括的利用許諾契約を締結しているサービスが記載されています。
耳コピ楽曲を投稿するときは、必ず投稿先がJASRACと包括的利用許諾契約を締結しているかチェックしましょう!
(2)音源は全てオリジナル演奏でなければならない
耳コピ楽曲の音源は全て自分で演奏したものでなければなりません。
耳コピ楽曲の一部でも原曲を切り取って編集したり加工したりすると、著作権侵害になります。
たとえば、耳コピしたギター音源と原曲のベースやピアノの音源を合成した楽曲はオリジナル楽曲ではありません。
完全オリジナル楽曲であれば著作権を気にする必要はありませんが、耳コピ楽曲の場合は必ず全ての音源を自分の手で作りましょう。
なお、オリジナル楽曲の制作の手段について以下の記事で紹介しているので、あわせてご覧ください。
(3)著作権管理団体が管理している楽曲でなければならない
耳コピする楽曲が著作権管理団体が管理している楽曲であることを確認してください。
- JASRAC
- 株式会社 イーライセンス
- 株式会社 ジャパン・ライツ・クリアランス(JRC)
動画共有サービスが締結している包括的利用許諾契約は、著作権管理団体が管理している楽曲が対象なので、著作権管理団体が管理していない楽曲を投稿すると契約違反になります。
契約違反にあたる行為をしてしまうとライセンスを取り消される可能性が高いので、必ず耳コピで楽曲を制作するときは、著作権管理団体が管理している楽曲の中から選びましょう!
3.知っておくべき著作権の3つの知識
音楽制作に携わる人が少なくとも知っておくべき著作権の知識について紹介します。
著作権において重要な知識は以下の3つです。
順に紹介するので、インターネット上に自分で作った楽曲を投稿するときは注意しましょう!
(1)ユーザーに楽譜をダウンロードさせてはならない
耳コピ楽曲と同時に楽譜を公開する場合は、閲覧者がダウンロードできないようにしてください。
耳コピ楽曲はオリジナルでも、楽譜そのものはオリジナルではありません。
楽譜を無料で配る行為は著作権者の権利の侵害にあたるので、閲覧限定に留めておきましょう。
ただし、インターネット上で楽譜を公開するにはJASRACに申請して、使用料を払う必要があります。
したがって、譜面をスライドショーで流すなど、動画にして投稿しましょう!
(2)著作権侵害の罰則は重い
著作権侵害の罰則は重いです。
罰則には刑事罰と民事罰があります。
刑事罰になった場合は10年以内の懲役、もしくは1,000万円以内の罰金が科せられ、民事罰になった場合は、損害の規模に応じた損害賠償請求をされるのです。
実際に、著作権管理団体が管理していない曲を勝手にコピー演奏して動画サイトに投稿したところ、著作権侵害を申し立てられ、動画が消されるケースが多発しています。
耳コピした楽曲で利益を出すために著作権侵害にあたる行為を行ってしまうと、高額の罰金や損害賠償請求をされる可能性があることを頭に入れておきましょう。
楽曲には著作権者のあらゆる思いが詰まっているので、安易な考えで著作権を侵害しないようにしてください!
(3)著作権が消滅した楽曲は自由に使ってよい
著作権が消滅した楽曲が、著作権を気にすることなく自由に使えます。
著作権の有効期間は、著作者の没後70年間です。
気をつけなければならないのは、著作者が亡くなった日からではなく、亡くなった翌年の1月1日から日数がカウントされます。
勘違いして命日を基準にカウントしてしまうと著作権侵害になる可能性があるので、著作権の消滅期間には注意しましょう。
まとめ
耳コピで作った楽曲は著作権侵害にあたりません。
しかし、原曲の一部を用いたり加工したりすると、著作権侵害の対象になるので注意が必要です。
もし、自分で耳コピをした楽曲をインターネット上に投稿したい場合は、今回紹介した3つの注意点を守る必要があります。
著作権の知識を増やしておくと自分の身を守ることにもつながるので、最低でも3つの基本知識は頭に入れておきましょう!
なお、著作権を気にせず楽曲を投稿したい場合は、完全オリジナル楽曲を作ることをおすすめします。
以下の記事にオリジナル楽曲の作り方を紹介しているので、あわせてご覧ください。