「作曲に必要なコード進行とは何?」
「音楽初心者でも理解することはできるの?」
このように、作曲をする際に大切なコード進行について知りたいという方は多いでしょう。
実は、コード進行を理解することで、曲の作成をスムーズにするだけでなく、表現の幅が広がり作れる曲のレパートリーを大幅に増やすことができます。
今回はコード進行を理解するために覚えておきたい4つの知識を紹介します。
この記事を読んでコード進行について理解し、コード進行について、そして音楽の奥深さを知りましょう。
目次
1.作曲に大切なコード進行とは?
コード進行とは、曲の雰囲気や展開を演出しており、曲を作る際の土台となる部分です。
そもそもコードとは複数の音をある法則に則って重ねることでできた音の集合体であり、数あるコードを上手く並べて順番に鳴らしていくことで「コード進行」という響きが完成します。
一つ例を挙げてみると「C→F→G→C」というのがコード進行で、カギ括弧内ではコードが矢印順に移動していくことを表しており、このコード進行を使うと明るく優しい雰囲気のある展開を作ることが可能です。
- コードを完成させるには基本的に3つの音を重ねることが必要
- 基本的なコードの多くは、音を一音飛ばしで重ねていく「3度積み」という法則に則ってできている。
- 例外も存在するが、まずはどのコードも3度積みによって完成していると覚えておくと良い。
コード進行のパターンというのは意外にも少なく、元気の出るようなロックな楽曲と、失恋を歌ったバラード楽曲が実は同じコード進行によって構成されていたということも少なくありません。
コード進行自体は同じでも、メロディやキー(調)を変化させることで、まったく違う曲を作り出せるのが音楽の不思議で面白い部分です。
上記で紹介したコード進行の例についての理解を深めるために、これから紹介する音楽知識について学んでいきましょう!
コード進行について理解できたら、以下の記事で紹介している無料作曲アプリを使って作曲してみてください。
2.コード進行を理解するために覚えておきたい4つの知識
コード進行を理解するために覚えておきたい4つの知識を紹介します。
以下の4つの知識を学ぶことで、よりコード進行について理解を深めることができるでしょう。
- キー(調)とスケール
- コード
- ダイアトニックコード
- コードの特性
順に紹介します。
(1)キー(調)とスケール
コード進行を理解するために覚えておきたい1つ目の知識は、キー(調)とスケールについてです。
キーとは、簡単に言えば曲中でどの音を使っているか表す言葉です。
複数のキーの音を使ってメロディを作ると、まとまりがなくめちゃくちゃなメロディとなってしまうため、一つの楽曲として成り立たせるためには、基本的に1楽曲に1キーというルールを守って作曲することが大切になります。
例えば、キーが「C」の曲では、基本的に「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ」の7音によってメロディが構成されています。
「B」は「シ・ド♯・レ♯・ミ・ファ♯・ソ♯・ラ♯」、「F」は「ファ・ソ・ラ・シ♭・ド・レ・ミ」といったように、キーが変わると使用される音も変わるのです。(キーの数はこれ以外にもたくさん存在する。)
これらのように、キーによって変わる音をスケールと呼び、キーが「C」では上記のように「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ」、キーが「B」の場合は「シ・ド♯・レ♯・ミ・ファ♯・ソ♯・ラ♯」がスケールとなります。
作曲を行う際はキーを決め、そのキーのスケールからはみ出さないようにメロディを作ると、調和のとれたバランス良いメロディを作成することが可能です。
皆さんが良く言う「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ」は、実はイタリア語なのです。
英語で「ドレミ」は「C・D・E・F・G・A・B」と呼び、コードやキーを表す際には基本的に英語表記が使われます。
ちなみに日本語は「ハ・ニ・ホ・ヘ・ト・イ・ロ」と表記します。
(2)コード
コード進行を理解するために覚えておきたい2つ目の知識は、コードです。
音楽初心者の方で、コードがわからないという方はまずこちらを覚えるようにしましょう。
コードとは基本的に3つ以上の音が重なって出来た音のことを言います。
上記でも紹介したように、コードは1音飛ばしの「3度積み」というルールに則って構成されることが多いです。
また、基本的な7つの音階は以下の英語表記に言い換えることができます。
音階 | ド | レ | ミ | ファ | ソ | ラ | シ |
英語表記 | C | D | E | F | G | A | B |
コードやスケールを表す際はイタリア語の「ドレミ」ではなく英語の「CDE」が使われるので、音楽理論を少しでも理解するためにも上の表の関係は覚えるようにしましょう。
ちなみに、上の表の音階を使ったコードの例を挙げると、「ド・ミ・ソ」で「Cメジャー」というコード、「レ・ファ・ラ」で「Dメジャー」というコードができます。
覚える必要のあるコードはたくさんありますが、音楽初心者の方は以下で紹介する「ダイアトニックコード」について学び始めることがおすすめです。
(3)ダイアトニックコード
コード進行を理解するために覚えておきたい3つ目の知識は、ダイアトニックコードです。
ダイアトニックコードとは、先ほど紹介したキーの使用音である「スケール」を1音飛ばしで重ねることで完成するコードのこと言います。(例外は複数存在しますが音楽初心者の方はとりあえずスケールを1音飛ばしで重ねるとダイアトニックコードができると覚えておくと良いです)
Cメジャーのスケールは「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ」ですが、これを1音飛ばしで3つ音を重ねていくと、「ド・ミ・ソ」「レ・ファ・ラ」・・・「ラ・ド・ミ」「シ・レ・ファ」といった音の集合体が完成しますよね。
コードの多くは3度積みという法則に則ってできており、これらの集合体もその法則に則っているため、コードの一種として呼べるのです。
キーとスケール、ダイアトニックコードは単音か音の集合体かという違いはあっても、実際は同じグループ内に属した仲間同士なので、適当に組み合わせてもなんとなく綺麗な響きを作ることができます。
キーとスケール、ダイアトニックコードは同じキーコードで統一し、作曲をするようにしましょう。
つまり、Cメジャーキーで作曲しようと決めた場合は、メロディはCメジャースケールの音を使って作成し、コード進行にもCメジャースケールから作られたダイアトニックコードを使うようにすると簡単にバランスの取れた曲を作れるということです。
以下の表では、横に見ていくことでそれぞれのキーのダイアトニックコードを確認することができます。
それぞれのキーごとに、スケール順(キーがCであれば、ドレミファソラシ)でダイアトニックコードが表記されているので、ぜひ参考にしてください。
キーコード | 音階(ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ)の順 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
C(ド) | C | Dm | Em | F | G | Am | Bm(♭5) |
D(レ) | D | Em | F♯m | G | A | Bm | C♯m(♭5) |
E(ミ) | E | F♯m | G♯m | A | B | C♯m | D♯m(♭5) |
F(ファ) | F | Gm | Am | B♭ | C | Dm | Em(♭5) |
G(ソ) | G | Am | Bm | C | D | Em | F♯m(♭5) |
A(ラ) | A | Bm | C♯m | D | E | F♯m | G♯m(♭5) |
B(シ) | B | C♯m | D♯m | E | F♯ | G♯m | A♯m(♭5) |
キーコードが「C」であればCキーのダイアトニックコードは「C・Dm・Em・・・Bm(♭5)」まで、キーコードが「D」であれば「D・Em・F♯m・・・C♯m(♭5)」までといった順番で、それぞれのキーのダイアトニックコードを確認できます。
(4)コードの特性
コード進行を理解するために覚えておきたい4つ目の知識は、コードの特性です。
ここまでコード進行を理解するための知識について説明しましたが、コードの特性を知ると、自分でもコード進行を作れるようになります。
コードの多くは基本的に以下のいずれかに当てはまります。
- トニックコード
安定している響きで、コード進行の始まりや終わりに使われることが多い。起承転結の「起」や「結」に当てはまる。
- サブドミナントコード
トニックと比べると少し不安定な響きに聞こえる。起承転結の「承」で、ドミナントに進みたがる性質を持っている。
- ドミナントコード
トニック、サブドミナントと比べて不安定な響き。起承転結の「転」で、トニックコードに戻りたがる性質を持っている。
これらのコード達は「トニック→サブドミナント→ドミナント→トニック」の順番で進んでいくのが基本で、コードの特性を知り、この順番通りに鳴らすと起承転結がある気持ち良いコード進行を作ることが可能です。
これは実際に弾いてみないとわかりづらいですが、こういった法則に則ってコードを鳴らすとなぜか物語性が生まれ、曲の展開を感じ取ることができるのです。
このように、音が生み出す不思議な現象を活用することで、音楽でいろいろな世界を表現できるのですね。
3.Cキーで作曲する場合のコード進行の作り方
Cキーで作曲する場合のコード進行の作り方の例を紹介します。
Cキーのダイアトニックコードは上記の表に記載している通り「C・Dm・Em・F・G・Am・Bm♭5」の7つです。
これらのダイアトニックコードで構成したコード進行と、Cキーのスケールで作ったメロディを合わせれば安定感があって調和のとれた曲を作ることができます。
この7つのコード達はどれも上記で紹介したそれぞれの特性を持っているのですが、その中でも「C・F・G」はCキーのダイアトニックコードの中心的な存在で、この3つを使うだけで簡単なコード進行の作成が可能です。
「C」がトニック、「F」がサブドミナント、「G」がドミナントにそれぞれ属しているので、特性に沿った順番でコード鳴らすと「C→F→G→C」というコード進行が完成します。
どんなダイアトニックコードもコードの特性を持っているため、この法則を知っていれば誰でも安定したコード進行を作ることができるのです。
以下の記事では音楽理論を学べる本について紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
まとめ
今回は、作曲において大切なコード進行を理解するための知識について紹介しました。
コード進行を理解するとなると、どうしても専門的な用語が出てくるため、最初は理解に苦しむ人がほとんどだと思います。
しかし、実際に作曲を進めていくとスケールとコードの関係性が直感的に理解できるようになり、今回説明した事柄の意味も理解できるようになってきます。
まずは簡単なメロディだけでも良いので、作曲に挑戦してみることが大切です。
少しずつ作曲のスキルをアップさせて、音楽をより楽しめるようにしましょう。