アカペラで歌う場合の著作権侵害とは?動画投稿・舞台は大丈夫?

「アカペラで歌うのは、著作権侵害になる?」
「法律的にどのような行為がアウトになるのか知りたい!」

アカペラで歌う際に上記のような疑問を持つ方は多いのではないでしょうか?

最近では「歌ってみた」「踊ってみた」など動画配信サイトへの投稿も活発に行われていますが、同時に著作権の問題もたびたび議論されています。

本記事では、アカペラで歌う際の著作権について実際にどのようなシーンで利用申請が必要なのか、違反をしてしまったらどうなるのかについて解説します。

著作権の定義と範囲について正しく理解して、アカペラを楽しんでください!

1.楽曲には著作権がある

著作権とは著作物を作った人(著作者)に与えられ、自身の著作物を第三者が利用することを制限できる権利のことです。

音楽業界においては、作詞家や作曲者が著作者にあたります。

著作権は登録や申請の手続きを経て発生するのではなく、楽曲を創作すると同時に自動的に発生します。

音楽(楽曲、歌詞)制作を行えば、子ども、大人、プロ、アマチュア関係なく著作権は発生し、その権利は著作者の死後70年が経過するまで保護されます。

他人が作った著作物を利用したい場合には、著作権を持つ人に許諾をもらう必要があります。

なお、著作権は譲ったり売買したりすることができるので、著作者と著作権者が異なる場合もあります。

(1)著作権はJASRACが一括管理している

著作権を管理している団体が一般社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)です。

JASRACは作詞者・作曲者・音楽出版者などの著作者から、複製権・演奏権などの著作権の譲渡(信託)を受け、法律上の著作権者となることで著作権を管理しています。

日本ではJASRACが著作権を一括管理しており、アーティストの楽曲を用いる際はJASRACに使用料を支払う必要があります。

著作者が「この楽曲は自由に使用して良い(著作権フリー)」と明言していない限り、楽曲を無断使用をすることはできません。

このことはメジャーのアーティストだけでなく、たとえインディーズバンドやアマチュア作曲家がつくった曲でも同様です。

JASRACは著作権侵害の監視、著作権侵害者に対する法的責任の追及も業務の一環であり、アカペラを楽しむためには一人一人が著作権に対する意識を高めてルールを守ることが重要です。

(2)著作権を侵害してしまった場合の罰則

著作権侵害とは著作物を著作権者の許可なく無断で利用する行為を指し、著作権の侵害は犯罪行為です。

もし他人の著作権を侵害してしまった場合には、以下のような著作権者からの請求や刑罰が定められています。

著作権侵害における罰則

  • 著作権、出版権、著作隣接権の侵害は、10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金
  • 著作者人格権、実演家人格権の侵害等は、5年以下の懲役又は500万円以下の罰金

著作権には細かなルールが定められていますが、合法・違法の境目が紙一重です。

近年では、著作物のデジタル化やインターネットの社会普及に伴い、著作権侵害やフェアユース(無断利用が著作権侵害にあたらないケース)を巡る事案が複雑化しているという現状もあります。

そのため著作権を侵害された、もしくは侵害した可能性があると考えられる場合には、速やかにJASRACへ報告、弁護士などの法律の専門家に相談することをおすすめします。

(3)著作権フリー楽曲とは?

著作権フリー楽曲とは、利用規約範囲内で作者や管理組織に使用料を支払うことなく使用できる楽曲のことです。

著作権フリーとは、著作物に著作権が存在しない状態、あるいは放棄された状態を指します。

国内で制作された著作権フリー楽曲の場合、基本的には一切の著作権申請の必要はありません 。

ただし、使用範囲など契約条項の確認をしっかりと行うようにしましょう。

というのもインターネット上の音楽素材サイトでは”著作権フリー”を謳っている場合でも、その意味を「加工の禁止」「商用利用の禁止」としているケースがあります。

さらに、「無料であること」とも混同しやすいことから、たとえ商用展開されたものであっても注意する必要があります。

また、著作権フリーというと、クオリティーが低いというイメージを持つかもしれませんが、現代はインターネットの発達により、誰もが自分の作品を手軽に発表できる時代です。

プロミュージシャンが仕事とは関係のないところで楽曲を発表することもあり、その場合にはクオリティーの高い楽曲が提供されています。

2.著作権の利用許諾が必要な2つのパターン

アカペラで歌う場合、著作権を侵害しない利用の範囲とは具体的にどこまでを意味するのかを確認しましょう。

  1. アカペラをネットで配信する場合
  2. 観客の前でアカペラを行う場合

今まで何気なく楽しんでいたものが著作権法に違反していたということも十分考えられます。

著作権のルールについてしっかりと理解して、「気づかない間に法律に触れるようなことをしてしまった…」とならないようにしてください。

(1)アカペラをネットで配信する場合

アカペラをネットで配信する場合、他人が権利を保持している楽曲、つまりJASRACに登録されているアーティストの楽曲を利用するには、著作権の利用許諾が必要です。

アカペラで歌う場合には楽曲の著作権侵害はありませんが、歌詞を歌うことで作詞の部分が著作権に抵触する可能性があるからです。

ただし、JASRACと利用許諾契約を締結しているYouTubeやツイキャス、ふわっち、LINE LIVE、TikTok、Instagramなどでは、一般ユーザーが個別にJASRACへ利用許諾手続きを行なわなくともJASRAC管理楽曲を利用した動画や歌詞をアップロードすることが可能です。

どのネット媒体に投稿するのか、その媒体がJASRACと利用許諾契約を締結しているかを事前に確認しておきましょう。

本人が著作権を保持しているオリジナル楽曲、著作権者に使用確認済みの楽曲、著作権フリーの楽曲については、許諾なくアカペラをネットで配信しても問題ありません。

(2)観客の前でアカペラを行う場合

舞台でアカペラで歌を歌う場合、楽曲そのものを再生しなくとも、アカペラで歌ったり歌詞を台詞で喋るには利用許諾が必要です。

ただし、学園祭でのバンド演奏や学校の合唱コンクールなど、以下の3つの条件をすべて満たす場合に限り、許諾をとらなくても歌うことができます。

3つの条件

  • 未公表の著作物を扱わないこと
  • 営利を目的としないこと
  • 観客から入場料や観覧料などの料金を徴収しないこと

「営利を目的としないこと」では、主催・共催団体に営利企業が含まれていると適用外となります。

「観客から入場料や観覧料などの料金を徴収しないこと」では、パンフレットの購入が入場の条件になっている場合は料金を受けたとみなされます。

また、無料で行うけれど宣伝のために上演する場合は営利目的であると判断され、著作権者の許諾が必要になりますので注意が必要です。

まとめ

今回は、アカペラで歌う際の著作権について、利用申請が必要な場合、違反をしてしまったらどうなるのかについて解説しました。

まずは、著作権に対する正しい知識をつけることが大切です。

著作権の利用の範囲を把握し、一人一人が常にルールの遵守を意識しながらアカペラを楽しんでくださいね!

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