「サビに使いやすいコード進行にはどんなものがある?」
「コード進行を実際に活用している代表曲にはどのようなものがあるの?」
このように悩んでいませんか?
サビには作りたい曲の雰囲気に応じた安定感やインパクトが求められますが、あらかじめ代表的なコード進行の特徴や雰囲気を知っておくことでうまく曲に活用することができます。
今回の記事では、コード進行の意味を説明するとともに、サビで使いたい定番のコード進行をそれぞれの代表曲とともに5つ紹介します。
この記事を読んでサビに使いやすいコード進行を理解し活用することで、自分の作りたい曲の雰囲気をうまく表現することができますよ!
1.コード進行とは
コード進行とは、コード(和音)をどのようにつなげていくかを表した言葉です。
コード進行は、メロディーの背景のような存在で、さまざまな響きの変化によって曲全体の雰囲気を表現することが可能です。
コード進行は曲ごとにすべてバラバラのものが存在するわけではなく、基本的なルールによって組み立てられており、よく使われるパターンが存在します。
世の中に出回る曲の多くはいずれかのパターンのコード進行に該当するため、逆にコード進行のパターンを覚えておき、自身の曲作りにも活用すれば、耳なじみのよい曲を作りやすくなります。
次の章では、曲の中でもサビの部分に注目して、よく使われるコード進行やその特徴を紹介していきます。
このように、コード進行とはコードのつながりのことで、よく使われるパターンを知り活用することで、自身の曲作りを進めやすくなります。
2.サビで使いたい定番コード進行5選
次に、サビで使いたい定番コード進行を以下の5つ紹介します。
- 王道進行
- 椎名林檎進行
- 4156進行(ポップパンク進行)
- カノン進行
- 小室進行
サビには、聞きなじみのよい安定感とその曲ならではのインパクトという相反する2つの要素が求められます。
今回は、それぞれの定番コード進行をベースに自分なりのアレンジを加えることでヒットを飛ばしている代表曲も合わせて紹介していきます。
順番に説明します。
(1)王道進行
サビで使いたい定番コード進行の1つ目に、王道進行が挙げられます。
王道進行は、王道という言葉が表す通り、J-POP・アニソン・ボカロなどさまざまなジャンルで活用される定番のコード進行です。
キャッチーなメロディに向いている上に日本語との相性がいいのも特徴です。
Mr.childrenのHANABIには、サビ部分に王道進行が使われています。
IV→V→Ⅲm→VIm
(消し捕まえることのできない 花火のような光だとしたって)
サビの初めは王道進行の基本形で、その後ツーファイブワンに入ると思いきや再度王道進行をリフレインさせており、複雑かつ味わいのある進行を実現しています。
このように、王道進行はMr.children の「HANABI」などさまざまな楽曲のサビに使われるキャッチーで日本語と相性のいいコード進行です。
王道進行についてさらに詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてください。
(2)椎名林檎進行
サビで使いたい定番コード進行の2つ目に、椎名林檎進行が挙げられます。
かつてジャズの「Just The Two of Us」という曲に使われ有名になった進行で、椎名林檎氏がこのコードを多くの曲に利用したことから椎名林檎進行という言葉で親しまれています。
シティポップブームを象徴するオシャレな響きが特徴で、最近ではあいみょんの「愛を伝えたいだとか」にこのコード進行が利用され、椎名林檎っぽいと話題になりました。
椎名林檎の「丸の内サディスティック」には、サビ部分に椎名林檎進行が使われています。
Ab7→G7→Cm7→E♭7
IV△7→Ⅲ7→VIm7→I7
(マーシャルに匂いで飛んじゃって大変さ)
2つ目のコードをセブンスにすることで、ジャズらしいオシャレな響きが演出されています。
このように、椎名林檎進行は、椎名林檎の「丸の内サディスティック」などさまざまな曲のサビに使われるジャズっぽいオシャレ感の漂うコード進行です。
(3)4156進行(ポップパンク進行)
サビで使いたい定番コード進行の3つ目に、4156進行(ポップパンク進行)が挙げられます。
4156進行は、サブドミナントから始まる浮遊感のあるコードで、洋楽・邦楽ともに最近非常に多くの楽曲で使用されています。
オシャレでさわやかな雰囲気を演出でき、このコード進行だけで丸一曲を完成してしまう例もあります。
米津玄師の「Lemon」には、サビ部分に4156進行が使われています。
E→B→F#→G#m
(あの日の悲しみさえ あの日の苦しみさえ)
4156進行をベースに2小節ごとにアクセントをつけることでメリハリをつけています。
このように、4156進行は米津玄師の「Lemon」などさまざまな楽曲のサビに利用されるオシャレでさわやかな雰囲気をもつコード進行です。
(4)カノン進行
サビで使いたい定番コード進行の4つ目に、カノン進行が挙げられます。
カノン進行は、ヨハン・パッヘルベル作曲のカノンという曲の中にある和声の理論を指しています。
カノン進行は過去のヒット曲で非常に多く使われ、日本では一時期「黄金コード」と呼ばれていたほどです。
あいみょんの「マリーゴールド」には、サビ部分にカノン進行が使われています。
D→A/C#→Bm→A
(柔らかな帽子の君が揺れたマリーゴールドに似てる)
若者のカリスマ的な存在であるあいみょんが歌いながらも、カノン進行のおかげでどこか懐かしさを感じる曲に仕上がっており、幅広い層に支持される曲となりました。
このように、カノン進行はあいみょんの「マリーゴールド」などさまざまな楽曲のサビに使われる親しみやすくきれいな流れのコード進行です。
カノン進行についてさらに詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてください。
(5)小室進行
サビで使いたい定番コード進行の5つ目に、小室進行が挙げられます。
小室進行は、90年代を代表する作曲家である小室哲哉氏がよく利用したコード進行で、2000年代に入ってもJ-POP・アニソン・ボカロなど幅広い分野で利用されています。
切なさを盛り上げたり、疾走感を演出できるのが特徴です。
King Gnuの「白日」には、サビ部分に小室進行が使われています。
Am→F→G→C
(真っ新に生まれ変わって 人生一から始めようが)
白日は、一般的なAメロ・Bメロ・サビの形態をとらずに3パターンのメロディすべてがサビとも言える独特な形態をとりながら、コード進行にはJ-POPの定番と言える小室進行を使っているのが印象的です。
このように、小室進行はKing Gnuの「白日」などさまざまな楽曲のサビで使われる、切なさや疾走感を演出できるコード進行です。
小室進行についてさらに詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてください。
まとめ
今回の記事では、コード進行の意味を説明するとともに、サビで使いたい定番のコード進行をそれぞれの代表曲とともに5つ紹介しました。
サビには作りたい曲の雰囲気に応じた安定感やインパクトが求められますが、あらかじめ代表的なコード進行の特徴や雰囲気を知っておくことでうまく曲に活用することができます。
この記事を読んでサビに使いやすいコード進行を理解し活用することで、自分の作りたい曲の雰囲気をうまく表現しましょう!
構成音がきれいにつながっているため、誰もが親しみやすくきれいな流れを感じられるのが特徴です。