バラードに適したコードとは?おすすめコード進行2つとポイント2点

「バラードの曲を作りたいが、おすすめのコード進行はどれ?」
「バラードらしい曲にするために気を付けるべきポイントは何?」

このように悩んでいませんか?

バラードの曲は美しいメロディや感傷的な歌詞を使って聞き手の心を揺さぶるという特徴があり、コードに四和音を使うことでバラードに合った感動的な雰囲気を作りやすくなります。

今回の記事ではそもそもバラードとは何なのかを確認した上で、バラードに適したコードやおすすめのコード進行2つを解説するとともに、コード以外でバラードらしい曲にするための2つのポイントを紹介します。

この記事を読んでおすすめのコード進行やポイントを取り入れ、聞き手を感動させるバラードの曲作りにチャレンジしてください!

1.そもそもバラードとは

音の感覚を覚える

バラードとは美しいメロディや感傷的な歌詞によって聞き手の心を揺さぶるような感動的な曲のことを指します。

ロックやジャズというような音楽ジャンルの概念とは異なり、バラードには明確な定義や傾向があるわけではなく、聞き手がそれぞれ感覚的にバラードと感じるかどうかが判断基準になります。

とはいえ、作曲者によってバラードの曲調が全くバラバラになってしまうわけではなく、以下のようにバラード曲に多い特徴は存在します。

バラード曲の特徴
  1. テンポが緩やか
  2. 歌詞が情緒的
  3. リズムのアクセントが強すぎない
  4. やわらかい雰囲気のサウンド

ただし、上で挙げた4つの特徴を全て網羅したからといって、バラードとして認識されない曲も世の中には多く存在します。

このため、バラードに該当するか否かを作曲者が示していない場合には、その曲をバラードであると明確に判断することは困難です。

逆に言うと、聞き手にバラードと感じ取ってもらいたい場合には、上記の特徴を曲に意識的に取り入れていくのが効果的です。

これらの特徴を念頭に置いたうえで、次に紹介するバラードに適したコードを盛り込みながら、バラードと感じてもらえる曲を作り上げていきましょう。

2.バラードに適したコード「四和音」

マイナーキーのダイアトニックコード一覧

バラードに適したコードには、四和音(セブンス・コード)が挙げられます。

四和音は、三和音に一音足した構成で、加える音によって和音の表情が変わります。

例えば「C」や「Dm」などの三和音コードに7度の音を加えることで「CM7」や「Dm7」にする方法です。

一般的に、コードの構成音が増えると響きが豪華で多彩になり、柔らかさが生まれる傾向にあります。

三和音がシンプルで直接的な表現なのに対し、四和音だと響きがややぼやけて柔らかい印象になるため、バラードの雰囲気にマッチするのです。

このように、バラードには柔らかい音を奏でられる四和音を使うのが適しています。

3.バラードにおすすめの2つのコード進行

Cメジャーキーのダイアトニックコードの機能

次に、バラードにおすすめのコード進行を以下の2種類紹介します。

  1. 順次下降進行
  2. 半音階進行(クリシェ進行)

順番に説明します。

(1)順次下降進行

メジャースケールの一覧

バラードにおすすめのコード進行の1つ目に、順次下降進行が挙げられます。

順次下降進行コード進行の例

Cadd9→G/B→Am7→G7→FM7→Em7→Dm7→Em7

この場合、ベース音(コードの中の一番低い音)がCメジャースケールをたどって順番に下降していきます。(ド→シ→ラ→ソ→ファ→ミ→レ→ミ)

また、2つ目のコード(G/B)以外はすでに紹介した四和音でできているため、柔らかい雰囲気を演出してくれます。

順次下降進行を利用した代表曲としては、一青窈の「ハナミズキ」が挙げられます。

このように、バラードにおすすめのコード進行として順次下降進行があり、柔らかく高級感のあるバラードらしい響きを奏でることが可能です。

(2)半音階進行(クリシェ進行)

メジャースケールを理解する3つのメリット

バラードにおすすめのコード進行の2つ目に、半音階進行(クリシェ進行)が挙げられます。

すでに紹介した順次下降進行がメジャースケール内の音で下降するのに対し、半音階進行はスケールだけでなく半音単位で下降(もしくは上昇)します。

半音階進行コード進行の例

C→Em7/B→Gm/B♭→F/A→Fm/A♭→C/G→D/F#→D7→G7→F/A→G/B

この場合、ベース音がCから半音ずつ下降していきます。(ド→シ→シ♭→ラ→ラ♭→ソ→ファ#→ソ→ラ→シ)

Cメジャースケールでは使われない半音も使いながら順番に下降していくことで、順次下降進行よりさらにバラードらしい響きを演出することが可能です。

半音階進行(クリシェ進行)を利用した代表曲としては、aikoの「カブトムシ」が挙げられます。

このように、バラードにおすすめのコード進行に半音階進行(クリシェ進行)があり、半音ずつ下降することで華麗で感動的な雰囲気を作り上げることができます。

なお、クリシェ進行については以下の記事でも紹介しているので、ぜひ併せてご覧ください!

意外と単純!?クリシェを使ったコード進行を有名な8曲で徹底解説!

2020.11.24

4.コード以外でバラードらしい曲を作る2つのポイント

コード以外でバラードらしい曲を作るためのポイントとして以下の2点を説明します。

  1. テンポを緩める
  2. メロディを敷き詰めすぎない

順番に説明します。

ポイント1.テンポを緩める

コード以外でバラードらしい曲を作るためのポイントの1つ目に、テンポを緩める点が挙げられます。

テンポを緩めるのは、簡単に取り入れやすく、かつ効果的な方法です。

通常、100BPMがミドルテンポの基準となるため、それより遅い80BPM程度がバラードにはおすすめです。

ただし、テンポが遅くてもアクセントを細かくつけるとその分軽快な曲に聞こえるため、テンポを緩めると同時にアクセントを減らしてゆったりした印象を与えることも大切になります。

このように、80BPM程度のゆっくりとしたテンポかつアクセントを減らすことで、バラードらしい柔らかい印象を与えることができます。

ポイント2.メロディを敷き詰めすぎない

ダイアトニックコードとの違い

コード以外でバラードらしい曲を作るためのポイントの2つ目に、メロディを敷き詰めすぎない点が挙げられます。

メロディを敷き詰めすぎず余白部分を多く残すと、その分メロディが落ち着いて聞こえるという効果があります。

曲を作るときはついメロディにばかり注目してしまいがちですが、聞き手はメロディだけでなくその間の余白も含めた全体的なバランスで曲の印象を感じ取っているものです。

余白部分を意識的に多く盛り込むことで、落ち着きがあり柔らかい雰囲気を演出することができるでしょう。

ただし、曲全体に余白を増やしアクセントも減らしすぎると、全体を通して起伏の少ない単調な曲に感じられてしまうことがあります。

そのため、Aメロ・Bメロはゆったりしつつもサビでは余白を減らして盛り上げるなど、メリハリをつけることも大切です。

場面転換を意識して、全体を通じて落ち着いた柔らかい曲調にしつつも一部に印象的なメロディを追加することで、全体的に聞きごたえのある曲に仕上がります。

このように、メロディを敷き詰めすぎず、メリハリを残しつつも余白を多めに残すことを意識すると、バラードらしい曲を表現することができます。

まとめ

今回の記事ではそもそもバラードとは何なのかを確認した上で、バラードに適したコードやおすすめのコード進行2つを解説するとともに、コード以外でバラードらしい曲作りの2つのポイントを紹介しました。

バラードの曲は美しいメロディや感傷的な歌詞を使って聞き手の心を揺さぶるという特徴があり、コードに四和音を使うことでバラードに合った感動的な雰囲気を作りやすくなります。

この記事を読んでおすすめのコード進行やポイントを取り入れ、聞き手を感動させるバラードの曲作りにチャレンジしてください!

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