「裏コードにはどんな特徴があるの?」
「裏コードはどういう風に使えばいいの?」
裏コードというワードは聞いたことがある人でも、どのように楽曲に反映すれば良いのか分からずに困っている人も多いのではないでしょうか。
実は、裏コードには使うコツがあり、コツさえつかむことで誰でも使いこなせるようになるのです!
本記事では、裏コードの概要や特徴、使い方について紹介します。
この記事を読めば、裏コードを使いこなしてワンランク上の音楽スキルを手に入れることができますよ!
なお、以下の記事でコードの基礎について紹介しているので、あわせてご覧ください!
1.裏コードとは
裏コードとは、ドミナントセブンスコードの代理コードとして使われるコードのことで、昔はジャズやボサノバなどの音楽でよく利用されていましたが、近年ではアイドル楽曲などのjpopにも使われるようになりました。
裏コードの表記は♭II7で、たとえば、キーがCのときは、D♭7が該当します。
ダイアトニックコードのドミナントであるⅤ7の代理コードは、一般的にⅦm7(♭5)が使われますが、裏コード(♭II7)は、ダイアトニックスケール外のコードで代用したいときに使うことが多いです。
慣れない内は、ダイアトニックスケール内の音を使うことをおすすめしますが、表記が複雑な音に慣れてきて、アレンジの幅を広げたいときに使ってみましょう!
なお、以下の記事でドミナントコードについて紹介しているので、あわせてご覧ください!
2.裏コードの特徴
裏コードは、ダイアトニックコードのⅤ7に似た不安定で落ち着きのない音が特徴です。
終止感の薄いコードなので、裏コードのあとにトニックコードを続けることで、音の流れをきれいに終わらせることができます。
浮遊感が特徴の音なのでジャズと相性が良いのですが、近年の楽曲はオリジナリティが求められるため、アイドル楽曲でも使われるほどJ-popでもよく見られるコードになりました。
たとえば、裏コードが使われている中で有名な楽曲には、星野源さんの「恋」などがあります。
ノリの良いリズムとの相性が良く、一度聴いたら頭から離れないような中毒性が特徴なので、裏コードを使うとどのような雰囲気になるのか聴いて確かめてみてください!
3.裏コードの2つの使い方
初心者におすすめの裏コードの使い方を紹介します。
特におすすめの使い方は以下の2つです。
順に紹介するので、裏コードを使うときの参考にしてみてください!
なお、以下の記事でコード進行の作り方について紹介しているので、自分でコード進行を作りたい人はあわせてご覧ください!
(1)プライマリードミナントコードの代理で使う
プライマリードミナントコードの代わりに裏コードを使うのが初心者におすすめの使い方です。
プライマリードミナントコードとは、ダイアトニックコードのドミナントセブンスのことで、Ⅴ7が該当します。
コード進行にⅤ7のコードが使われていたら、まずはそのコードを以下のように裏コードに変えてみましょう。
Ⅴ7→♭II7
たとえば、「Dm7→G7→CM7(キー:C)」というコード進行があったとします。
このコード進行はキーがCなので、G7はⅤ7となりプライマリードミナントコードにあたるため、このコードを裏コードに変えることが可能です。
裏コード(♭II7)はキーがCであることからD♭7となり、「Dm7→D♭7→CM7」のコード進行にアレンジすることができます。
ダイアトニックコードでⅤ7を見つけたら、♭II7に変更してみましょう!
なお、以下の記事でセブンスコードについて紹介しているので、セブンスコードが分からない場合は先にご覧ください!
(2)セカンダリードミナントコードの代理で使う
セカンダリードミナントコードの代わりに裏コードを使うのも有効です。
セカンダリードミナントコードとは、セカンダリードミナントの性質(ドミナントがトニックに向かう性質)を応用して生まれたコード進行のことで、コード進行の一部が「ドミナント→トニック」の流れになっています。
「ドミナント→トニック」のドミナント部分を裏コードに変えることで、大幅な音の性質を変えずにアレンジすることが可能です。
セカンダリードミナントコードのドミナント部分を裏コードに変える
たとえば、「C→D→G7→C(キー:C)」というコード進行があったとして、以下のダイアトニックスケール表を見ると、DはGがトニック(Ⅰ)のときのドミナント(Ⅴ)であることが分かります。
※スマホで閲覧の場合、下の表は横にスクロールできます。
スケール | Ⅰ | Ⅱm | Ⅲm | Ⅳ | Ⅴ | Ⅵm | Ⅶm(♭5) |
---|---|---|---|---|---|---|---|
Cスケール | C | Dm | Em | F | G | Am | Bm(♭5) |
Gスケール | G | Am | Bm | C | D | Em | Fm(♭5) |
このコード進行において、D→G7がドミナント→トニックの流れになっている(セカンダリードミナントの性質になっている)ことから、Dの部分を裏コードに変えることが可能です。
Gスケール(DがⅤのスケール)のⅡがDの裏コードの音となるため、裏コードの規則(♭Ⅱ7)に当てはめるとA♭m7がDの裏コードとなります。
G7はプライマリードミナントコードにもなっているので、「C→D→G7→C(キー:C)」に裏コードを使えば、「C→A♭m7→D♭7→C」となるのです。
なお、以下の記事でセカンダリードミナントコードについて詳しく説明しているので、セカンダリードミナントコードを知らない人は先にご覧ください!
まとめ
裏コードは♭が表記に入るので、音楽初心者には一見難しそうに感じるかもしれませんが、ダイアトニックスケールを書き出して、順にステップを進めることで簡単に導くことができます。
不安定で終始感の薄い特徴があるため、ドミナントコードの代わりとして使われることが多いです。
自分なりにアレンジを加えたいときに効果を発揮するので、今回紹介した2つの使い方を参考にして、オリジナルのコード進行を作ってみましょう!
なお、以下の記事で代理コードをまとめているので、コード進行をアレンジしたいときの参考にしてみてください!