「ダイアトニックコードってどんなコードを言うの?」
「ダイアトニックコードの特徴には何があるの?」
コード進行を作成しようとしている人の中には、ダイアトニックコードが一体何なのか理解できていない人も多いのではないでしょうか。
ダイアトニックコードはたくさんありますが、実は、見つけ方さえ把握していれば全てを覚える必要はないのです!
本記事では、ダイアトニックコードの特徴や種類、見つけ方を紹介します。
この記事を読めば、ダイアトニックコードに関する知識を深めることができますよ!
なお、以下の記事でダイアトニックの意味について紹介しているので、あわせてご覧ください。
目次
1.ダイアトニックコードとは
ダイアトニックコードとは、キーを基点として「ドレミファソラシ」と聴こえるコードの集まりのことです。
「ドレミファソラシ」と聴こえる音の並びをメジャースケールといいますが、このメジャースケールで構成されているコードをダイアトニックコードと呼びます。
たとえば、キーがCのときのメジャースケール(ドレミファソラシと聴こえる並び)は以下の通りになります。
C・D・E・F・G・A・B
この中から1つ飛ばしで3音以上で構成されるのがダイアトニックコードなので、Cのダイアトニックコードの構成音は「C・E・G」、Eのダイアトニックコードの構成音は「E・G・B」です。
メジャースケールの並びはキーの音を基点にして7番目まであるので、ダイアトニックコードは1つのキーに対して7つあります。
ダイアトニックコードはキーの音をⅠとして以下のように表記されるので、覚えておくことをおすすめします。
Ⅰ・Ⅱm・Ⅲm・Ⅳ・Ⅴ・Ⅵm・Ⅶm(♭5)
ダイアトニックコードがどのような音で構成されているのか、その仕組みを覚えておきましょう!
なお、ダイアトニックコードの一覧を以下の記事でまとめているので、あわせてご覧ください。
2.ダイアトニックコードの3つの特徴
ダイアトニックコードの特徴を紹介します。
ダイアトニックコードの主な特徴は以下の3つです。
順に紹介するので、7つのダイアトニックコードがどの機能を持っているのか覚えておきましょう!
なお、以下の記事で具体的にどのような機能があるのか紹介しているので、あわせてご覧ください。
(1)トニック
ダイアトニックコードのメインと言えるのがトニック(T)です。
トニックには以下の3つが分類されます。
- Ⅰ:コード進行の主役となるコードで、コードの最初と最後に使われることが多い
- Ⅲm:Ⅰの代用にもなるコードで、コード進行の中盤で活躍する
- Ⅵm:悲しい雰囲気のコードで、Ⅰにつなぐと明るい雰囲気に展開することができる
キーがCのときのトニックコードは、「C・Em・Am」となります。
これら3つのコードは安定感があり、コード進行の始まりや終わりに使われることが多いです。
特にⅠのコードはコード進行のメインとなるので、定番のコード進行や参考にしたいコード進行のどこでⅠが使われているのかをチェックしておきましょう!
定番のコード進行については以下の記事で紹介しているので、あわせてご覧ください。
(2)ドミナント
ドミナントはトニックと相性が良い特徴があります。
ドミナントに分類されるダイアトニックコードは以下の2つです。
- Ⅴ:Ⅰのコードと相性が良く、サビにつなぐコードとして活用されることが多い
- Ⅶm(♭5):必ずしも終わりにつなげるコードではなく、上級者向けのコード
不安定な特徴がありドミナント単体ではコード進行が収束しないので、最終的にトニックにつながる場合が多いです。
特にⅤ→Ⅰの流れは頻繁に見るので、コード進行を作るときはドミナントからトニックへの流れを意識してみましょう!
なお、以下の記事でドミナントを詳しく解説しているのでご覧ください。
(3)サブドミナント
サブドミナントは他のダイアトニックコードを活かすために重要な役割を持っています。
サブドミナントに分類されるダイアトニックコードは以下の2つです。
- Ⅱm:Ⅴのコードと相性が良く、Ⅳの代用としても使える
- Ⅳ:他のダイアトニックコードと相性が良く、Ⅰとの組み合わせだけでも楽曲が成立する
トニックやドミナントに比べると脇役ですが、コード進行のバリエーションを増やすために必須のコードです。
他のダイアトニックコードと相性が良く、トニックやドミナントの主張を引き立てる効果があります。
トニックとドミナントの間に置けば緩やかな変化にすることができるので、コード進行にアクセントをつけたいときに活用してみましょう!
なお、サブドミナントについては以下の記事で詳しく解説しているのでぜひご覧ください。
3.ダイアトニックコードの2つのパターン
ダイアトニックコードの種類を紹介します。
初心者が覚えておくべきダイアトニックコードのパターンは、主に以下の2つです。
使うキーによってダイアトニックコードは変わるので、それぞれ覚えておきましょう!
(1)メジャーキー
メジャーキーの場合は、メジャースケールを採用したダイアトニックコードになります。
メジャースケールは「ドレミファソラシ」と聴こえる音の並びですが、この並びには1つの規則性があるのです。
全音→全音→半音→全音→全音→全音→半音
半音:基点となる音の隣の音
全音:基点となる音から1音飛ばした音
鍵盤には12個の音が存在し、「ド・ド♯・レ・レ♯・ミ・ファ・ファ♯・ソ・ソ♯・ラ・ラ♯・シ」と並んでいます。
基点がレ(キーがDのとき)で「ドレミファソラシ」と聴こえるようにするには、規則性に従って以下のように弾く必要があるのです。
レ・ミ・ファ♯・ソ・ラ・シ・ド♯
メジャーキーのダイアトニックコードを使う場合は、メジャースケールの規則性を頭に入れておくと、自分でダイアトニックコードを探し出すことができますよ!
なお、以下の記事でメジャースケールの一覧を紹介しているので、あわせてご覧ください。
(2)マイナーキー
マイナースケールを採用しているのが、マイナーキーのダイアトニックコードです。
メジャースケールは「ドレミファソラシ」の並びでしたが、マイナースケールは「ラシドレミファソ」の並びになります。
メジャースケール | Ⅰ(ド) | Ⅱ(レ) | Ⅲ(ミ) | Ⅳ(ファ) | Ⅴ(ソ) | Ⅵ(ラ) | Ⅶ(シ) |
マイナースケール | Ⅵ(ラ) | Ⅶ(シ) | Ⅰ(ド) | Ⅱ(レ) | Ⅲ(ミ) | Ⅳ(ファ) | Ⅴ(ソ) |
そのため、マイナースケールの規則性は以下の通りです。
全音→半音→全音→全音→半音→全音→全音
マイナーキーのダイアトニックコードを使うときに気をつけなければならない点は、コードの構成音がメジャーキーの場合と異なる点です。
たとえば、Cを基点にすると「C→D→D♯→F→G→G♯→A♯」となり、CマイナーキーのダイアトニックコードのCの構成音は「C・D♯(E♭)・G」となるため、CメジャーキーのダイアトニックコードのCの構成音の「C・E・G」と異なります。
したがって、マイナーキーのダイアトニックコードとメジャーキーのダイアトニックコードは異なることを頭に入れておきましょう!
なお、以下の記事でマイナースケールの一覧を紹介しているので、あわせてご覧ください。
4.初心者におすすめのダイアトニックコードの見つけ方4ステップ
ダイアトニックコードの見つけ方を紹介します。
今回紹介する方法は以下の通りです。
順に紹介するので、使うキーを決めたらこの流れに沿ってダイアトニックコードを探してみましょう!
なお、ダイアトニックコードの覚え方は以下の記事で紹介しているので、あわせてご覧ください!
(1)調べたいキーを決める
ダイアトニックコードを見つけるためには、まずはキーを決めます。
ダイアトニックコードはキーごとに異なるので、キーを決めなければダイアトニックコードを見つけることはできません。
特にメジャーキーとマイナーキーではダイアトニックコードの構成音も変化するので、どのキーのダイアトニックコードを特定したいのか決めましょう。
(2)五度圏表からキーを見つける
次に、五度圏表の中からキーを探します。
五度圏表とはメジャーキーとマイナーキーの合計24の音が環状に並べられた以下の図表のことで、相性の良いコードや類似したコードなどを見つけることが可能です。
水色のラインの外側がメジャーコード、内側がマイナーコードが並んでいます。
それぞれ12音しか並んでいないので、メジャーキーかマイナーキーに着目すれば簡単にキーとなるコードを見つけることができるでしょう。
(3)キーを中心にして7つのコードを扇形に囲む
五度圏表からキーを見つけたら、キーを中心にして扇形に囲みます。
キーコードを中心に扇形に囲まれたコードが7つあるので、それらのコードがダイアトニックコードです。
たとえば、キーがAmのときは、以下の図のように7つ音を特定できます。
もし、キーコードがメジャーコードの場合は、キーコードが上図のCように扇形のトップに来るようにします。
コードが4つの音で構成される四和音の場合も同様です。
五度圏表はコード進行を作るときに役立つので、作曲を視野に入れている人はメジャーコードの位置関係くらいは覚えておきましょう!
(4)度数順に並べる
五度圏表から7つのダイアトニックコードを選出したら、度数(ディグリー)順に並べます。
度数とはキーから何番目の音かを示す数で、度数がⅣであればキーコードから4番目の音という意味です。
ダイアトニックコードは7音あるので、Ⅰ~Ⅶの順に並べましょう。
キーがAmであれば、ダイアトニックコードの並びは以下のようになります。
Am・Bm7(♭5)・C・Dm・Em・F・G
この順でコードを演奏すると、マイナーキーなので「ラシドレミファソ」と聴こえます。
度数順に並べる作業はメジャーキーやマイナーキーに関係ないので、キーをⅠとして7つの音を並べましょう。
まとめ
ダイアトニックコードはコード進行を作るのに必須なので、作曲をする上で避けては通れません。
ダイアトニックコードを勉強するときは、メジャースケールやマイナースケールからどのように構成されているのか、7音あるダイアトニックコードのそれぞれにどのような特徴があるのか把握することが重要です。
ダイアトニックコードの仕組みさえ把握していれば、キーさえ特定すれば自分で見つけることができます。
しかし、いきなりコードの構成理論や特徴を把握するのは難しいので、パッとダイアトニックコードを見つけたい場合は、今回紹介した五度圏表を活用した方法を参考にしてみてください!
なお、コード進行の作り方について以下の記事で紹介しているので、あわせてご覧ください!