「マイナースケールにはどのようなものがあるの?」
「マイナースケールとメジャースケールにはどんな関係がある?」
これから作曲にチャレンジしようとされている方の中には、マイナースケールがどのようなものか正確に把握できていない人も多いのではないでしょうか?
マイナースケールには12個の種類があり、うまく使いこなすことで曲作りの際に悲しい印象を効果的に与えることができます。
今回の記事では、マイナースケールの一覧を紹介するとともに、マイナースケールから派生したハーモニック・メロディックスケールや、マイナースケールとメジャースケールの関係についても解説します。
この記事を読んでマイナースケールについての基本情報を押さえ、ぜひ曲作りの幅を広げてください!
1.マイナースケール一覧
まずは、マイナースケールにどのようなものがあるかを以下の表にまとめました。
以下の表は横にスクロールできます。
No | コード名 | スケール |
1 | Cマイナースケール | C(ド)D(レ)E♭(ミ♭)F(ファ)G(ソ)A♭(ラ♭)B♭(シ♭) |
2 | C#マイナースケール | C#(ド#)D#(レ#)E(ミ)F#(ファ#)G#(ソ#)A(ラ)B(シ) |
3 | Dマイナースケール | D(レ)E(ミ)F(ファ)G(ソ)A(ラ)B♭(シ♭)C(ド) |
4 | E♭マイナースケール | E♭(ミ♭)F(ファ)G♭(ソ♭)A♭(ラ♭)B♭(シ♭)C♭(ド♭)D♭(レ♭) |
5 | Eマイナースケール | E(ミ)F#(ファ#)G(ソ)A(ラ)B(シ)C(ド)D(レ) |
6 | Fマイナースケール | F(ファ)G(ソ)A♭(ラ♭)B♭(シ♭)C(ド)D♭(レ♭)E♭(ミ♭) |
7 | F#マイナースケール | F#(ファ#)G#(ソ#)A(ラ)B(シ)C#(ド#)D(レ)E(ミ) |
8 | Gマイナースケール | G(ソ)A(ラ)B♭(シ♭)C(ド)D(レ)E♭(ミ♭)F(ファ) |
9 | G#マイナースケール | G#(ソ#)A#(ラ#)B(シ)C#(ド#)D#(レ#)E(ミ)F#(ファ#) |
10 | Aマイナースケール | A(ラ)B(シ)C(ド)D(レ)E(ミ)F(ファ)G(ソ) |
11 | B♭マイナースケール | B♭(シ♭)C(ド)D♭(レ♭)E♭(ミ♭)F(ファ)G♭(ソ♭)A♭(ラ♭) |
12 | Bマイナースケール | B(シ)C#(ド#)D(レ)E(ミ)F#(ファ#)G(ソ)A(ラ) |
いずれの場合もマイナースケールは以下の規則性で作られています。
(基本の音から)全音→半音→全音→全音→半音→全音→全音
この規則性の音階を利用することで、マイナースケール特有の悲しい雰囲気を演出することが可能になります。
ちなみに、マイナースケールの暗い響きと対照的に、明るい響きを奏でるのがメジャースケールです。
メジャースケールの規則性は以下の通りです。
(基本の音から)全音→全音→半音→全音→全音→全音→半音
つまり、同一主音のメジャースケールとマイナースケールを比べた場合には、マイナースケールの方が第ⅲ(3)音・第ⅵ(6)音・第ⅶ(7)音が半音低いことになります。
このように、マイナースケールは全音→全音→半音→全音→全音→全音→半音という一定の規則性を持った12種類の音階のことを指します。
なお、メジャースケールについては以下の記事で詳しく解説しているのでぜひご覧ください。
2.【ナチュラル・ハーモニック・メロディック】スケールの違い
1.マイナースケール一覧で紹介した音階は最初に生まれた基本的なマイナースケールですが、そこから派生した音階として、ハーモニックマイナースケールとメロディックマイナースケールという2種類のマイナースケールがあります。
それぞれの特徴は以下の通りです。
音階名 | 目的 | (ナチュラル)マイナースケールとの違い |
ハーモニックマイナースケール (和声的短音階) | ナチュラルマイナースケールよりも主音へ進む力を強くし、 コード進行において主和音へ解決した印象を強くする | 第ⅶ(7)音を半音上げる |
メロディックマイナースケール (旋律的短音階) | ハーモニックマイナースケールに生じたメロディとしての 違和感を解消し、より自然な音階を実現する | 第ⅵ(6)音・第ⅶ(7)音を半音上げる |
ちなみに、ハーモニックマイナースケールやメロディックマイナースケールと比較する際の呼び名として、ナチュラルマイナースケール(自然的短音階)という言葉を使う場合がありますが、1.マイナースケール一覧で紹介してきたマイナースケールと同義です。
例として、Aマイナーの3種類のスケールを具体的に示したものが以下の表になります。
ナチュラルハーモニックスケール | A(ラ)B(シ)C(ド)D(レ)E(ミ)F(ファ)G(ソ) |
ハーモニックマイナースケール | A(ラ)B(シ)C(ド)D(レ)E(ミ)F(ファ)G#(ソ#) |
メロディックマイナースケール | A(ラ)B(シ)C(ド)D(レ)E(ミ)F#(ファ#)G#(ソ#) |
このように、(ナチュラル)マイナースケールから派生した音階としてハーモニックマイナースケール・メロディックマイナースケールがあり、それぞれ和音やメロディーとしての響きを向上させたものになっています。
ハーモニックスケールやメロディックマイナースケールについてさらに詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてください。
3.マイナースケールとメジャースケールの関係
マイナースケールは、メジャースケールを6番目の音から並び変えたものと同一音階になるという規則性があります。
例として、CメジャーとAマイナーのスケールを比べてみます。
Cメジャースケール | C(ド)D(レ)E(ミ)F(ファ)G(ソ)A(ラ)B(シ) |
Aマイナースケール | A(ラ)B(シ)C(ド)D(レ)E(ミ)F(ファ)G(ソ) |
この2つの音階を比べてみると、どちらのスケールも構成音が全く同じであることが分かります。
Cメジャースケールの中の第ⅵ音であるA(ラ)から並べると、そのままAマイナースケールが出来上がるのです。
言い換えると、Cメジャースケールとその短3度下であるAマイナースケールは同じ調号になります。
この関係性はCメジャーとAマイナーの間だけで成り立つものではなく、以下の通り12種類いずれのマイナースケールにおいても対になるメジャースケールが存在します。
このように、メジャースケールとマイナースケールが対になる関係を並行調と呼びます。
1 | Cメジャー | Aマイナー |
2 | D♭メジャー | B♭マイナー |
3 | Dメジャー | Bマイナー |
4 | E♭メジャー | Cマイナー |
5 | Eメジャー | C#マイナー |
6 | Fメジャー | Dマイナー |
7 | G♭メジャー | E♭マイナー |
8 | Gメジャー | Eマイナー |
9 | A♭メジャー | Fマイナー |
10 | Aメジャー | F#マイナー |
11 | B♭メジャー | Gマイナー |
12 | Bメジャー | G#マイナー |
そのため、すでにメジャースケールに関する知識をお持ちであれば、第ⅵ音から並べ直すことでそのままマイナースケールとしてスムーズに覚えることが可能です。
このように、マイナースケールはメジャースケールの第ⅵ音から並び替えたものと同一になるため、この関係性を覚えておくことでマイナースケールを簡単に覚えることができます。
まとめ
今回の記事では、マイナースケールの一覧を紹介するとともに、マイナースケールから派生したハーモニック・メロディックスケールや、マイナースケールとメジャースケールの関係についても解説しました。
マイナースケールには12個の種類があり、うまく使いこなすことで曲作りの際に悲しい印象を効果的に与えることができます。
この記事を読んでマイナースケールについての基本情報を押さえ、曲作りの幅を広げてください!