初心者でも簡単にできる移調のやり方とは?注意すべき2つのポイント

「楽譜の見方が分からない人でも移調をする方法ってあるの?」
「音楽初心者でも簡単に移調できるコツってないの?」

音楽を勉強し始めた人の中には、移調のやり方が分からずに困っている人も多いのではないでしょうか。

実は、キーの理論さえ押さえれば、譜面が読めなくても誰でも簡単に移調できるのです!

本記事では、初心者におすすめの移調のやり方や注意点を紹介します。

この記事を読めば、音楽を勉強し始めたばかりの人でも簡単に移調できるようになりますよ!

1.移調とは

移調とは

移調とは、キーを別のキーに移行することをいいます。

キーは変更するのですが、リズムやメロディー、コード進行はそのままの状態なので、移調したとしても聴こえ方に違いは生じません。

たとえば、カラオケで女性が男性の歌を歌うときにキーが低いからと高く上げたり、男性が女性の歌を歌うためにキーを下げたりしますよね。

キーを変えたからといって、メロディーが変わったりリズムが早くなったりするわけではありません。

それがまさに移調で、移調となると難しく考えてしまう部分があるかもしれませんが、意外と身近なところで移調を経験しているのです。

メロディーやコード進行が変わっているわけではなく、変更したキーに合わせて全ての音が同じようにずれているだけなので、頭を柔らかくしてシンプル考えましょう。

2.転調との違い

転調との違い

移調と似た言葉に転調がありますが、意味は全く異なります。

転調とは、曲の中で主調(メインとなるキー)から別の調に代わることです。

たとえば、盛り上がりを最大のピークに持っていくために、曲のラストのサビに入った途端に音程を半音上げるといった転調がよく使われています。

転調は曲の途中で突然キーが変わることをいうのに対して、移調は初めからキーを変更することなので、混在させないように注意しましょう。

3.移調のやり方3ステップ

移調のやり方3ステップ

移調のやり方を紹介します。

移調の手順は以下の通りです。

  1. オリジナルのキーを特定する
  2. 移調したいキーを決める
  3. 全ての音を移調したいキーに合わせる

順に紹介するので、移調をするときの参考にしてみてください。

(1)オリジナルのキーを特定する

オリジナルのキーを特定する

まずは、移調する前の曲のキーを調べる必要があります。

もともとのキーが分からなければ、移調したあとの音を特定することはできません。

楽譜の一番左に記載されているト音記号の横の♯や♭の数を見れば、キーが分かるようになっています。

♯の数メジャーキーマイナーキー
0CメジャーAマイナー
1GメジャーEマイナー
2DメジャーBマイナー
3AメジャーF♯マイナー
4EメジャーC♯マイナー
5BメジャーG♯マイナー
♭の数メジャーキーマイナーキー
0CメジャーAマイナー
1FメジャーDマイナー
2B♭メジャーGマイナー
3E♭メジャーCマイナー
4A♭メジャーFマイナー
5D♭メジャーB♭マイナー
6G♭メジャーE♭マイナー

上記の表を参考に、移調したい曲のキーを特定しましょう。

(2)移調したいキーを決める

移調したいキーを決める

キーの特定ができたら、どのキーに移調したいか決めます。

このとき、どのくらい上げ下げするのかも決めることがポイントです。

Cメジャーから全音上げてDメジャーに移調するといったように、全ての音をどのくらい移動させるのか決めましょう。

(3)全ての音を移調したいキーに合わせる

全ての音を移調したいキーに合わせる

移調後のキーを決めてどのくらい音を移動させるのか決まったら、メロディーの全ての音をキーに合わせてずらしていきます。

ある程度音楽に精通している人であれば、算数を解くようにすぐに移動したあとの音が分かるのかもしれませんが、音楽を勉強し始めた人にとっては難しいですよね。

そこで、実際に12音を並べてキーがどのように移動したのか確認してみましょう。

鍵盤上の12音をドから並べると以下のようになります。

鍵盤上の12音

C・C♯・D・D♯・E・F・F♯・G・G♯・A・A♯・B

先の例を使うとCメジャーからDメジャーに移調した場合、鍵盤上では右に2音ずれたことがわかります。

したがって、他のメロディーの音も全て右に2音ずつ移動させればよいということになるのです。

なお、鍵盤上ではBの次はC→C♯→D・・・と続くので、A♯を右に2音移動させればCに、Bを同じように移動させればC♯となります。

音をどう動かせばよいのか分かれば、あとはメロディーの音を全て上記の12音の配列を参考に移動させるだけです。

たとえば、「C→G→A→F」というメロディーがあった場合、右に2音移動したら「D→A→B→G」というメロディーになることが分かります。

全て頭で考えようとするとどう動かしてよいのか分からなくなるので、音の感覚が身につくまでは地道に書いて正確に移調しましょう。

4.移調を行うときの2つの注意点

移調のときの2つの注意点

移調を行うときの注意点を紹介します。

特に気を付けるべきポイントは以下の2つです。

  1. 音を移動するときは正確に行う
  2. 頭で考えずに書きながら行う

順に紹介するので、これらのポイントを押さえて移調に挑戦しましょう!

(1)音を移動するときは正確に行う

音を移動するときは正確に行う

移調はメロディーを変えてはいけないので、音を移動するときは正確に行うことが重要です。

一つでも音が変わってしまうと、聞こえ方に違和感が生まれ全く別の曲となってしまいます。

なお、コード進行を上げ下げするときも同様です。

慎重に作業を進め、ミスのないように気をつけましょう。

(2)頭で考えずに書きながら行う

頭で考えずに書きながら行う

音楽初心者は特に頭で考えるのではなく、書きながら行うことをおすすめします。

♯や♭が関わってくると途端に訳が分からなくなるので、正確に音を動かすことが難しくなるでしょう。

実際に12音を並べることで音をどう動かせばよいのか分かりやすくなるため、♯や♭が出てきても特に抵抗感なく、移調することが可能です。

面倒に感じるかもしれませんが、頭で考えて混乱するよりはスムーズに作業が進むので、勉強と思って移調に取り組みましょう!

まとめ

移調はメロディーやコード進行はそのままでキーだけを変えることをいいます。

♯や♭が関わる可能性が高く難しいように感じるかもしれませんが、実際に音を並べて1つずつ音の動きを追っていけば、簡単に移調することが可能です。

今回紹介した移調のやり方や注意点を参考にして、好きな曲で移調に取り組んでみましょう!

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