作詞作曲の順番はどちらを優先すべき?【初心者は曲先がおすすめ】

「作詞と作曲はどの順番で進めればいいの?」
「各順番や方法のメリットとデメリットも知りたい!」

このように、音楽制作を始めたばかりの方で作詞と作曲のどちらを先に行うべきか迷っている方は多いでしょう。

実は作詞作曲を行うのに決まった順序はないため、自分に合った方法が見つかればその方法で行うのが一番と言えます。

今回は、それぞれの順序の特徴と、制作順序を変えることで起きるメリットとデメリットを紹介します。

この記事を参考に最適な音楽制作の方法を見つけ、共感を与える曲を作成できるようにしましょう。

こちらの記事では作詞を効率的にする作詞ノートの作り方について紹介しているので一緒にご覧ください。

【超便利:作詞ノートの作り方】5つのポイントで共感を生む作詞家に!

2020.07.27

1.曲作りを行う3つの方法

ここでは曲作りを行うための3つの方法を紹介します。

作詞作曲の順番を変えることでどういったメリットなどがあるのか紹介するので、ぜひ参考にしてください。

  1. 詞先
  2. 曲先
  3. ハイブリッド

順に紹介します。

(1)詞先(しせん)

曲作りを行う1つ目の方法は、詞先です。

詞先とは、作曲工程の前に作詞を行う手法のことを言います。

現在は主にシンガーシングライターなどに多く見られる手法です。

#1:詞先のメリット

詞先のメリットは、思いを伝えやすいことです。

詞を先に作成していくことで出来上がっているメロディに合わせて歌詞を作るという制約がなくなるため、思ったことをそのまま歌詞にできるメリットがあります。

また、歌詞の内容に沿ったメロディを作ることもでき、よりターゲットに向けた曲を作りやすいのもポイントです。

他にも、メロディに合わせる必要がないことからインパクトの強いワードを入れやすくなり、リスナーが覚えやすいキャッチーな歌詞を作ることも可能となります。

歌詞を重視しており、より強い想いを音楽に乗せて届けたいという方は詞先で曲作りを始めると良いかもしれません。

#2:詞先のデメリット

詞先のデメリットは、歌詞の構成が難しくなることです。

曲にAメロ、Bメロ、サビ・・・といった構成があるように、歌詞も同じようにAメロ、Bメロといった構成分けをして作成する必要があります。

本来1番や2番という違いはあっても、同じ曲のサビであればメロディも必然的にほとんど同じになりますよね。

しかし、詞先で1番と2番のサビの文字数が大幅に違う歌詞を作ってしまった場合は、同じメロディでサビを歌うことができません。

プロの音楽家であれば文字数の違いにも上手く対応した曲作りを行えますが、音楽初心者の場合は詞の長さの違いに対応しつつまとまりのある曲作りを行うのはほぼ不可能です。

まとまりのある曲作りを行うには、作詞段階である程度構成ごとの文字数を合わせることが必要になります。

例えばこの曲のAメロは1番2番関係なく〇文字分くらいの文章を〇行程度書くようにしようと決めて作詞することで、構成に大きなズレが生じず、音楽作成もスムーズに行えるようになるのです。

詞先ではメッセージ性をより強調できるというメリットがありますが、だからといって想いを詰め込みすぎるのではなく、作曲をした際に曲として成立させられるように工夫して作詞していくことも大切なポイントとなります。

以下の記事では作詞のルールについて紹介しているのでぜひご覧ください。

作詞にルールは存在する?共感を生む歌詞を作るための5つのルール!

2020.07.26

(2)曲先(きょくせん)

曲作りを行う2つ目の方法は、曲先です。

詞先とは反対で、最初にメロディやリズム、コード進行といった音楽要素から手がける手法となっています。

現在の音楽業界では曲先で楽曲制作が始まることが多いです。

#1:曲先のメリット

曲先のメリットは、メロディやコード進行、アレンジなどを自由に行えることです。

詞先だと、歌詞に当てはめていくようにメロディや展開などを考える必要がありますが、曲先だとこういった制約がないため、自分の好きなようにメロディ作成などを行うことができます。

歌詞にメロディを合わせていく詞先と、メロディに歌詞を合わせていく曲先では、曲先の方が音楽初心者にとって音楽制作がしやすい順序と言えるでしょう。

私たちは普段から日本語を使っているため、自由に言葉を操ることができますよね。

しかし、音楽の方はどうでしょうか。

自由に音を組み合わせて、心地よいメロディを作ることは自由にはできない人が多いでしょう。

そのため、歌詞という制約がありながらメロディを構成していくよりも、メロディに対して自由に日本語を当てはめていく作業の方が自在に行いやすいのです。

歌詞は書けても、それに合ったメロディを作れないと曲として成立させることはできませんよね。

ですので、音楽初心者の方が音楽制作を始める場合は、曲先で制作を行っていくことで、後の制作作業もスムーズに進められることが多くなります。

#2:曲先のデメリット

曲先のデメリットは、メロディを先に作ることで歌詞によるメッセージ性が薄まってしまう可能性があることです。

曲先では出来上がったメロディに歌詞を当てはめながら作詞を行っていくため、場合によっては自分の想いを伝えきる歌詞を書くのが難しくなります。

メロディからはみ出さないことも考えながら伝えたいことを歌詞にしていく作業を進めるには高い語彙力も必要です。

また、考えたメロディを活かすには、メロディの強弱に合わせてイントネーションの合う言葉を見つけて歌詞に起こすことも曲中のグルーヴ(ノリのようなもの)を出すためには大切なポイントとなります。

メロディという制約があると思い通りに作詞するのが難しくなることがあるので、メッセージ性の強い曲を作成したいと思っている方は曲作りの順序を考えるようにしましょう。

(3)ハイブリッド

曲作りを行う3つ目の方法は、ハイブリッドです。

ハイブリッドとは、作詞と作曲を並行して行う曲作りの方法です。

曲作りを行う際、最初からハイブリッドで進めても良いですし、途中から詞先と曲先と分けて作業を行っても良いでしょう。

#1:ハイブリッドのメリット

同時に進行できることから、片方に行き詰まったらもう片方の作業に取りかかるという作業形態をとることができます。

音楽初心者だと作詞も作曲も上手く進められず、そのままモチベーションが低下してしまうことも少なくありません。

しかし、どちらも同時に進めていくことで精神的な余裕を保ちながら作業を進行できます。

さらに、ハイブリッドで作詞作曲を同時に進めていくことで、メロディと詞を上手くマッチさせながら曲作りを行えるため、詞先や曲先のようなデメリットも最小限に防ぐことが可能です。

#2:ハイブリッドのデメリット

ハイブリッドのデメリットは、作業を同時に進めていくことで作詞作曲の軸がブレていくことです。

特に初心者の場合、作詞作曲のノウハウがないまま交互に作業を進行していくと、作業が入れ替わることで当初決めていたテーマから少しずつズレていくことがあります。

作詞作曲の基礎知識が固まっていれば作業を交互に行っても混乱することなく曲作りを行えますが、音楽初心者の場合は作業が入れ替わることで以前の作業と辻褄の合わない作業をしてしまいかねません。

これは経験を積むことで解決できますが、同時進行で効率良く曲作りを行うのは音楽初心者には難易度が高いとも言えます。

メロディと詞をバランスよく構成できるのがハイブリッドの強みですが、最初はどちらか一方に集中して作業を行う方が技術を磨くのにも役立つでしょう。

3.作詞作曲を学べるおすすめ本4冊

ここでは作詞作曲を学べるおすすめ本を4冊紹介します。

以下の4冊を参考に、作詞作曲について学んでいきましょう。

  1. 思いどおりに作詞ができる本
  2. ゼロからの作詞入門~プロ直伝の考え方とテクニック~
  3. イメージした通りに作曲する方法50
  4. もっと!思いどおりに作曲ができる本

順に紹介します。

(1)思いどおりに作詞ができる本

作詞を学べる1冊目の本は、「思いどおりに作詞ができる本」です。

作詞を行っていくための心構えを中心に、作詞全般について学ぶことができる本です。

シンプルながらも実践的で、多くのジャンルの作詞方法についても記載されています。

作曲バージョンもあるので、一緒に購入して読んでみるのも良いでしょう。

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  • 値段:1,650円(税込)
  • 品種:単行本
  • 著者:上田起士(著)
  • 発売日:2010年1月30日
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(2)ゼロからの作詞入門~プロ直伝の考え方とテクニック~

作詞を学べる2冊目の本は、「ゼロからの作詞入門~プロ直伝の考え方とテクニック~」です。

作詞の心構えや詳しい作詞テクニックを、イラストや漫画を交えた親しみやすい文章で学ぶことができます。

かみ砕かれた表現で説明されているので、音楽知識や作詞知識がなくてもスムーズに読み進めることが可能です。

作詞初心者が押さえておきたい知識を一冊で学ぶことできるため、最初の一冊としてもおすすめできます。

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  • 品種:単行本
  • 著者:井筒日美(著)
  • 発売日:2015年10月23日
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(3)イメージした通りに作曲する方法50

作曲を学べる1冊目の本は、「イメージした通りに作曲する方法50」です。

イメージは浮かんでくるものの、実際にそれを曲にするのはできないという方は多いでしょう。

この本ではそういった方向けに、イメージを曲にするための方法を50通り提示しています。

イメージごとの作曲方法が記載されているので、あなたが作曲を進める中で困っている箇所の解決方法を見つけられるかもしれません。

また、そのイメージをより具体的に表現するための作曲テクニックも記載されている実践的な内容ともなっています。

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  • 品種:単行本
  • 著者:梅垣ルナ(著)
  • 発売日:2011年11月25日
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(4)もっと!思いどおりに作曲ができる本

作曲を学べる2冊目の本は、「もっと!思いどおりに作曲ができる本」です。

こちらの本では、音楽理論などについて一問一答形式で解説されています。

基本知識からアレンジ方法まで、音楽初心者だけではなく中級者も参考にできる内容の濃い一冊です。

一問一答形式ということで、解説が羅列されていることはなく、学びたい箇所をピンポイントで振り返りやすいのも特徴となっています。

シンプルな内容ではありますが、一冊持っておくだけで、基礎を固めるのに役立てられるでしょう。

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  • 品種:単行本
  • 著者:川村ケン(著)
  • 発売日:2018年6月25日
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まとめ

今回は詞先、曲先、ハイブリッドのメリットとデメリットを紹介しました。

詞先になれば作詞の自由度が、曲先になれば作曲の自由度が増します。

このように曲作りにはいくつかの種類がありますが、最終的には自分のやりやすい形、もしくはやりたい形で曲作りを行うのがおすすめです。

自分の考えや世界観を音楽を通して表現するのですから、自分の思うように曲作りを進めていくのがベストな形と言えます。

その中で、効率の良い作曲方法などを見つけ、良い曲を多く生み出せるようにしてください。

以下の記事では作詞のコツについて紹介しているのでぜひご覧ください。

初心者が作詞をするときのコツとは?基本の流れと注意すべき4つのミス

2020.07.29

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