「久石譲の隠れた名曲を聞きたい!」
「久石譲の曲にはどのような特徴があるのか知りたい!」
久石譲の曲は気軽に口ずさむことができたり、感情移入したりできるところが魅力です。
実は、久石譲が制作した曲には他の音楽家とは違う特徴がいくつかあり、それが独自の魅力に繋がっています。
今回は、久石譲の隠れた名曲を紹介するとともに、久石譲の曲にはどのような特徴があるのかを解説します。
この記事を読んで久石譲の曲の変遷や特徴を理解して、久石譲の曲の魅力を再確認してみてください!
以下の記事では、久石譲の天才的才能について解説しているのでぜひご覧ください。
目次
1.久石譲の隠れた名曲4選
引用元:久石譲公式サイト
久石譲には天才ぶりが窺える名曲が多数あります。
ジブリ映画や北野武映画のサントラを手掛けたことで知られており、久石譲と言えば映画音楽の名曲の数々が思い浮かぶことでしょう。
しかし、それ以外のジャンルや初期の作品などにもマイナーな名曲を残しています。
今回は、巨匠、久石譲の隠れた名曲として以下の5曲を紹介しますので、優れた音楽にたくさん出会ってください!
(1)『Silent Love』
「Silent Love 」は映画『あの夏、いちばん静かな海。』のメインテーマ曲です。
この映画は1991年に公開され、ビートたけしが本名の北野武名義で監督した3作目の作品です。
この映画で初めて音楽に久石譲が起用され、打ち合わせの際に北野監督から「通常、音楽が入る場面から全部、音楽を抜きましょう」と提案されました。
久石譲はどういう音楽を付けるべきか困惑し、考えた結果、革新的な技法を盛り込むことで知られているエリック・サティ風のメインテーマを作りました。
しかし北野監督から粗暴なイメージが強くラブストーリーにならないという指摘があり、サブテーマとして作られた「Silent Love」を北野監督が気に入ったため、こちらがメインテーマに採用されというエピソードがあります。
(2)『銀河鉄道の夜』
1996年にリリースされた『銀河鉄道の夜』は、宮沢賢治の生誕100年を記念してその代表作である『銀河鉄道の夜』をモチーフに制作されたものです。
ピアノとシンセサイザーによる極上のヒーリング・ミュージックになっていて、宮沢賢治の世界を久石譲の叙情的なメロディで綴っています。
またこの曲は最新のリマスタリングを施して、宮沢賢治の没後80年を記念して2013年に再リリースされました。
久石譲の感性を生かした、どこか懐かしい日本的情緒に溢れる癒しの音楽は、まさに今の世の中に必要とされていると言えるでしょう。
この楽曲はAmazonやタワーレコードオンラインで購入することが可能です。
(3)『タスマニア物語』
『タスマニア物語』は映画「タスマニア物語」のテーマ曲で、1990年7月21日に発売されました。
この映画はタスマニアを舞台にしたファミリー映画で、その雄大な大自然と久石譲による壮大なオーケストラによるメインテーマが絶妙に融合しています。
この作品を手がけるにあたって苦労した点を久石譲は次のように語っています。
「通常なら地域を体現する楽器や民謡がありますが、オーストラリアにもタスマニアにもそれらは存在しません。広大な大陸を連想させるためにスケールの大きなシンフォニー・サウンドに徹した。」
この試みが、刻一刻と表情を変える大地の様子、そして動物や主人公たちのいきいきとした姿をうまく表現しています。
こちらの楽曲はAmazonで購入することが可能です。
(4)『Ikaros』
『Ikaros』は、昭和46年の発売開始以来の人気スナック「東ハトキャラメルコーン」のCMに使われていた曲です。
ピアノのはつらつとしたフレーズにストリングスのハーモニーが美しい、久石譲ならではの軽快な曲に仕上がっています。
跳ねるようなピアノの旋律が思わず青空の下で踊り出したくなる躍動感に繋がって、キャラメルコーンのポップでキュートなイメージにぴったりとマッチしています。
2.久石譲の曲における2面性
多くの方々は久石譲をジブリ映画に代表されるポップスよりな音楽家だと思っているでしょう。
しかし、彼の専門的な音楽分野はミニマルミュージックと呼ばれる前衛的な音楽です。
今回はその2つの側面について紹介します。
(1)ミニマルミュージック
久石譲の曲における1つ目の特徴は、ミニマルミュージックです。
ミニマルミュージックは簡単に説明すると「同じ音型を反復する現代音楽」のことで、1960年代にアメリカで生まれました。
いわゆる前衛音楽で、素材の執拗な反復によって聴き手は時間の感覚が麻痺して、物理的な認識をずらされていきます。
同じ音型を何度も繰り返しつつも少しずつ変化を与えていくことで、その違い、見えてくる景色の変化を楽しむことができ、それを体感することがミニマルミュージックの魅力です。
久石譲は国立音大在学中にこの最小限の音型を繰り返すミニマルミュージックに出会い感化されました。
以後、20代の大半はミニマルミュージックの作曲家として活動し、1981年のデビュー・アルバム「MKWAJU」、さらに近年のジブリ映画音楽をはじめとする数多くの現代音楽もミニマル・ミュージックの手法を踏襲しています。
(2)オーケストラによるポップミュージック
久石譲の曲における2つ目の特徴は、オーケストラによるポップミュージックです。
久石譲は日本屈指のミニマルミュージックの体現者で知られていますが、1984年に宮崎駿監督の映画「風の谷のナウシカ」の音楽を手掛けて以降、叙情的な旋律をオーケストラで壮麗に仕立てる作風で人気を集めるようになりました。
ジブリの劇中曲にもオーケストラが取り入れられており、映画のストーリーと相まって久石の生への祈りや決意が伝わってくるような重厚なサウンドは人々に感動をもたらします。
また、オーケストラを用いたコンサートも積極的に行っています。
「ジャンルにとらわれず魅力ある作品を多くの人々に聴いてもらおう」という想いから、コンサートでは自身の楽曲だけでなく多くの有名楽曲を演奏しています。
例えば「007」、「ミッション・インポッシブル」など有名な映画音楽を自らアレンジしたものやラヴェルの「ボレロ」のようなクラシック曲など、ジャンルにとらわれないスタイルに挑戦しています。
2004年には新日本フィルハーモニー交響楽団と新たに結成した、新日本フィル・ワールド・ドリーム・オーケストラの音楽監督に就任しました。
さらに、2017年にはアメリカやヨーロッパ、オーストラリアなどでワールドツアーを開催し、オーケストラと合唱団と共演して宮崎駿作品の楽曲を披露しました。
コンサートでは主にピアノを担当していますが、最近では指揮活動にも精力的です。
自身の代表曲をオーケストラとの共演で聴かせてくれるコンサートのチケットはすぐに完売し、久石譲の人気の高さを証明しています。
3.まとめ
今回は、久石譲の隠れた名曲を紹介するとともに、久石譲の曲にはどのような特徴があるのかを紹介しました。
久石譲と言えば「ジブリ音楽」など映画音楽のイメージが強いですが、それ以外にも素晴らしい曲をいくつも世に送り出しています。
この記事を読んで久石譲の曲の特徴や現代の音楽トレンドを理解し、久石譲の天才的な才能を再確認してみてください!
以下の記事では、プロになるための5つの方法と有名作曲家の経歴も紹介しているのでぜひご覧ください。