「イントロは分かるけど、アウトロって何?」
「アウトロってどうやって作れば良いのかな?なんだか自分のアウトロに納得がいかない」
アウトロはイントロの対義語で、要は曲の終わりのパートを意味する言葉です。
イントロと違い曲のフィナーレ部分を飾るパートで、リスナーが感じる曲の印象を固める役割を持ちます。
しかし、アウトロを作るのは意外と難しく、いつも同じようなメロディラインになってしまうことも。
この記事ではアウトロの意味や役割と、アウトロを考える上での作曲方針、さらにアウトロの具体的な例をアーティスト音源付きで紹介しています。
アウトロについてより深く理解して様々なテクニックを知り、楽曲の幅を広げましょう!
目次
1.アウトロとは?
アウトロとはどんなものか、概要を説明します。
- 楽曲の終わりの部分のこと
- イントロに対応する言葉
- アウトロがもたらす効果とは
アウトロの概要と効果について説明するので、作曲家志望の方は特に覚えておきましょう。
1つずつ説明します。
(1)楽曲の終わりの部分のこと
アウトロ(Outro)とは楽曲の終わりの部分のことです。
他の音楽用語ではコーダ、エンディングなどと呼ばれますが、アウトロと同じ意味。
楽曲の終わりのパートを意味する言葉で、曲の終盤を意味する言葉です。
(2)イントロに対応する言葉
アウトロは英語ではOutroと書き、Introに対応する言葉です。
イントロはイントロダクションの略称で、曲の序盤を表す言葉。
アウトロはINの対義語である「OUT」を用いた用語として使われるようになりました。
一般的な楽曲はイントロ>Aメロ>Bメロ>サビ>間奏>Aメロ>Bメロ>サビ>間奏>サビ>アウトロの順番で構成されます。
イントロとアウトロは曲の最初と最後という意味になります。
(3)アウトロがもたらす効果とは
アウトロは、楽曲の最後に「良い曲だったなあ」と感じてもらうためのものです。
サビが終わり、曲が終わるまでの時間を演出するパートであり、アウトロで手を抜くと「なんだかつまらない曲だったかも」と思われてしまいます。
せっかくイントロから直前パートまでがよくても、アウトロで台無しになることも。
最後まで気を抜かず、リスナーを楽しませるためにアウトロも重視されるべきパートです。
2.アウトロを作るときの方針とは
作曲するときにアウトロはどのように作れば良いのか、作曲家が意識している方針について解説します。
- 曲の盛り上がりを維持したままアウトロへ繋ぐ
- 盛り上がりから一転静かな雰囲気で終わらせる
- 新しい展開で軽快なアウトロで終わらせる
アウトロと一口に言っても色々な手法があり、曲の終わらせ方は様々です。
1つずつ説明します。
(1)曲の盛り上がりを維持したままアウトロへ繋ぐ
アウトロを作るときの1つ目の方針は、曲の盛り上がりを維持したままアウトロへ繋ぐ方法です。
サビで盛り上がった後にその雰囲気を崩さずに、あえてアウトロを短くしたり無くして終わらせる方法が一般的。
具体的にはイントロを繰り返して、盛り上げながら曲に一体感を与える手法が使われることも多いです。
曲の盛り上がりを保ったまま終わるので、リスナーの感動を邪魔せずにサビで感じた曲の印象をそのまま持ってもらえます。
(2)盛り上がりから一転静かな雰囲気で終わらせる
アウトロを作るときの2つ目の方針は、盛り上がりから一転静かな雰囲気で終わらせることです。
盛り上がったサビの雰囲気をあえて消して、静かに終わらせることで曲が終了したことをリスナーに感じさせます。
意識的にコードを少なくしたり、動きを少なくする手法を使うと良いでしょう。
あえて終わり感を出すことで、リスナーに満足感を与える手法です。
(3)新しい展開で軽快なアウトロで終わらせる
アウトロを作るときの3つ目の方針は、新しい展開で軽快なアウトロで終わらせることです。
これまでのメロディと一変した演奏のみのギターソロを挿入するなどして、全く雰囲気を変えてしまいます。
リスナーは最後まで楽曲を楽しむことができ、新鮮な気持ちで曲を最後まで聴いてくれるでしょう。
新しい展開が面白く、リスナーに「このアーティストの楽曲は斬新だ」と思ってもらえる効果がある手法です。
3.音楽業界で使われるアウトロの手法
音楽業界で使われるアウトロの手法を4つ詳しく解説します。
- 直前にあるサビなどの雰囲気を維持して終わる
- イントロを繰り返して終わる
- 全く違う雰囲気のアウトロを提示する
- アウトロを無くす
具体的にどのような曲なのか、例を用いて解説します。
(1)直前にあるサビなどの雰囲気を維持して終わる
音楽業界で使われる1つ目のアウトロの手法は、直前にあるサビなどの雰囲気を維持して終わる手法です。
イントロやサビで用いたメロディラインをそのままアウトロに用いて、曲の統一感を高めています。
こちらの楽曲では、イントロやメロディで使われたリフがアウトロで用いられており、比較的アウトロ部分が長い構成です。
リスナーは既に聞いているメロディが繰り返されるので、すんなり受け入れることができ、曲の雰囲気を維持したまま曲を聴き終われるようになっています。
(2)イントロを繰り返して終わる
音楽業界で使われる2つ目のアウトロの手法は、イントロを繰り返して終わる手法です。
同じイントロを多用すると曲が平坦になりがちですが、イントロとアウトロだけを同じにすると統一感が生まれます。
U2の「With or Without You」では、イントロとアウトロに同じメロディが使われており、印象的な楽曲です。
印象的なコードを使うことで、曲に統一感が生まれており、楽曲自体のインパクトを高める効果を生み出しています。
最後の最後に面白い場面転換を持ってくることで、リスナーが「こうやって楽曲が終わるだろう」という予想を裏切りたい方におすすめの手法です。
(3)全く違う雰囲気のアウトロを提示する
音楽業界で使われる3つ目のアウトロの手法は、全く違う雰囲気のアウトロを提示することです。
今まで出てきていない雰囲気のメロディやコードを突如登場させて、最後までリスナーを飽きさせません。
リスナーからすれば意外性が生まれ、興味をそそる楽曲構成となっています。
The Beatlesの「Strawberry Fields Forever」はこの手法が用いられており、アウトロは全く違う印象のメロディが使われています。
(4)アウトロを無くす
音楽業界で使われる4つ目のアウトロの手法は、アウトロを無くす手法です。
曲の終わりであるアウトロ部分に、Bメロなどで使われていたメロディラインを用いて唐突に曲を終わらせます。
あえてアウトロをなくして、曲が盛り上がったまま終わる手法です。
わかりやすい例として、The Beatlesの「All My Loving」が挙げられます。
2分ごろからのアウトロを聞けば分かるのですがBメロを繰り返して、そのまま曲が終わっていますよね。
このように、楽曲の雰囲気を一貫して崩さずにあえてアウトロを作らずに終わる方法もあります。
まとめ
アウトロについて理解した上で、楽曲の終わり方にも工夫してみましょう。
同じメロディを多様しても楽曲に平坦なイメージを与えますし、逆に斬新すぎても違和感を与えてしまうことがあります。
楽曲全体のバランスを見ながら、リスナーが楽曲に良い印象を持ってもらえるようなアウトロを考えてみてくださいね!