「作詞のやり方がわからない」
「作詞の途中で詰まってしまう」
このように、作詞について知りたいという方は多いでしょう。
実は初心者でもいくつかのポイントを守り、順序に沿って作詞を行うことで共感を生む歌詞を作ることができます。
今回は、作詞を始めるための手順と基本、4つの作詞のコツを紹介します。
この記事を読んで、作詞初心者を脱却し、歌詞で多くの人に想いを届けられるようになりましょう。
目次
1.作詞とは
作詞とは、歌の歌詞(歌に伴う言葉)を作ることです。
作曲は限られた音階の中でメロディを作っていきますが、作詞で使える言葉は多様です。
「この言葉がいいかな」「いや別の言葉のほうが似合うかも」などと試しつつ、楽しみながら作っていきましょう。
作詞に詳しい音楽知識は必要ないため比較的簡単に始めることができますが、言葉の選び方一つでリスナーに与える印象が大きく変わることもある、繊細で奥の深い作業となっています。
音楽制作の工程には、作詞・作曲・編曲などありますが、作詞と作曲の順番は人それぞれのため、自分が好きな順序で行っても問題ありません。
2.作詞の手順
ここでは、初心者でも作詞しやすくなる手順を紹介します。
ポイントを押さえることで、スラスラと書けるようになりますよ。
- テーマを決める
- ターゲットを決める
- キーワードを連想する
- 5W1Hを決める
順に説明します。
また作詞に使えるツールについては以下の記事を参照ください。
(1)テーマを決める
まずは曲のテーマを決めましょう。
「聴く人に何を伝えたいのか」「自分は何を表現したいのか」を先に決めることで、途中から詞の方向性がが変わることを防げます。
例として、大きなテーマを「恋愛」にします。
そこからさらに片思い、青春、失恋、結婚などの細かいテーマを設定すると、言葉選びで迷うことが減るでしょう。
テーマが決まったら、次は歌詞のジャンルを決めます。
ジャンルとしては、ストレートなラブソング、仲間との友情、家族への感謝、応援ソングなどが挙げられます。
あえて曲調と違うイメージの歌詞をつける方法もありますが、はじめは素直に、楽曲の曲調にあったジャンルを決めましょう。
(2)ターゲットを決める
リスナーがより共感できるように、ターゲットを決めることも大切です。
「普段思っているけど人には言えないこと」などを代弁してくれるアーティストに、人々は心を掴まれます。
しかし「みんなに共感してもらえる作詞をしよう」と思うと、どうしても当たり障りない内容になってしまいます。
「自分と同じ年代の人に届けたい」「同性の人に共感してほしい」とターゲットをしっかり絞り、心情を想像しながら作詞してみましょう。
(3)キーワードを連想する
キーワードを連想して言葉を書き出し、世界観を固めていきましょう。
テーマ、ジャンル、ターゲットが決まると、自分が書きたい曲のイメージが掴めてくるでしょう。
はじめは、とりあえず浮かんでくるキーワードをどんどん書いていきます。
そこから使いたい言葉をピックアップしていくといいでしょう。
またキーワードを連想するうちにストーリーが出来上がったら、それを基に作詞するのもおすすめです。
(4)5W1Hを決める
作詞には、5W1Hを決めることも重要です。
- When(いつ)
- Where(どこで)
- Who(だれが)
- What(何を)
- Why(なぜ)
- How(どのように)
ラブソングの場合、主人公が恋に落ちた場面からどんな恋愛をして、最終的に結ばれたのか失恋したのかなどを決めておくと詞が書きやすくなります。
聴いている人が想像しやすい作詞を意識してみましょう。
3.作詞の基本
作詞の手順を抑えたら次は作詞の基本的なルールについて説明します。
以下の2つを守りながら作曲することで、歌いやすく想いが伝わる作詞ができるようになります。
- 曲の構成を考える
- 字脚を意識する
順に説明します。
より共感を生む歌詞については以下の記事をご参照ください。
(1)曲の構成を考える
曲の構成を考えることで調和した作詞を行うことができます。
楽曲には「Aメロ、Bメロ、サビ」という構成の1番の中だけを見ても、多くの曲に共通の構造があります。
まず出だしの比較的おだやかなメロディから始まり、次に少し雰囲気の違うメロディが続いて、いよいよ盛り上がってカッコよく歌い上げるサビのメロディが来ます。
もちろんすべての歌がこの形にあてはまるわけではありませんが、ポップス、ロック、演歌に合唱曲、多くのジャンルに見られる構造です。
童謡や唱歌でさえも、その短い曲のなかに起承転結がしっかりとあります。
詞も、これを意識しながら作ると曲とうまく調和することが多いのです。
例えば、出だしは風景描写や状況設定などの導入部にして、歌のメインテーマとなる核心的な言葉はサビのところに持ってくる構造があります。
(2)字脚を意識する
字脚(歌詞の文字数)を意識することで、歌いやすい歌詞にすることができます。
多くの歌には構成があります。
1番、2番の歌詞の文字数は同じことが多く、この文字数のことを「字脚」といいます。
字脚を意識しないと、うまく歌えなくなってしまいます。
字脚を意識するのは大切なことですが、意識しすぎると想像の幅が狭まってしまいます。
字脚を厳守するあまりにせっかくの良い言葉を排除したりしないようにしてください。
4.作詞の4つのコツ
作詞をする上で活用したい作詞のコツを4つ紹介します。
以下の4つを意識して作詞するだけで、表現力豊かで音楽的な歌詞を書けるようになります。
- 連想法を使う
- 倒置法を使う
- サビに一番伝えたいことを置く
- 歌いやすさを意識する
順に説明します。
作詞のアイデアを置いておく技術については以下の記事をご参照ください。
(1)連想法を使う
言葉の引き出しが少ないと実感している方は、「連想法」を使ってバリエーションを広げていきましょう。
例えば、紙に「夢」というキーワード書いて、そこから連想する言葉をひたすら書き出してみてください。
「願望、想い、大志」など、「夢」というキーワードと似て非なる言葉が思いつくと思います。
実際に作詞していると、「この言葉では音数が合わない。もう1文字欲しい」という場面に遭遇することがあります。
そういった時には、限りなく意味が近くて文字数の違う言葉に置き換えると解決するものです。
どうしても思いつかない方は、インターネット上で利用できる類語辞典を使ってみてください。
入力したキーワードの類語を調べることができるので、作詞で大活躍できるでしょう。
(2)倒置法を使う
言葉の順番を入れ替えることで、その意味合いを強調する倒置法は、作詞で大活躍します。
例えば、「いつかきっと、きみに会いに行くよ」というフレーズを倒置法にすると、「きみに会いに行くよ。いつかきっと」となります。
一気に歌詞感が増しました。
このように倒置法を使うことでインパクトを与える作詞になるでしょう。
もし音数の関係で盛り込みたいフレーズが入らない場合は、言葉の順番を入れ替えるとうまくはまることがあるので覚えておきましょう。
(3)サビに一番伝えたいことを置く
曲のメインになるサビには、一番伝えたいことを置くようにしましょう。
曲中にはAメロ、Bメロ、Cメロ、サビがありますが、サビは最も盛り上がるパートです。
サビを盛り上げるために、前のパートはあくまで前置きと考えます。
インパクトがある言葉をサビに入れると、より効果的になりますよ。
また言葉の意味だけではなく、サビはリズムやテンポの盛り上がりも重要です。
コード進行も意識しながら作り上げていきましょう。
(4)歌いやすさを意識する
作詞は歌に乗せるものなので、歌いやすさを意識することが大切です。
メロディーが同じでも、歌詞によって合わせやすさが大きく変わります。
この意識は、オリジナル曲を音楽作品として完成させるために重要なポイントになります。
また語感を合わせ、聴き取りやすさにも配慮すると、伝えたい言葉がリスナーの心にスッと入りやすくなるでしょう。
まとめ
とにかく途中で投げ出さず何としても一曲仕上げてみることが大事です。
書き上げてみるといろいろなことが分かり、次につながるヒント、さらなるコツがつかめます。
書き上げることはほんとに難しくありません。
完成形のクオリティなど心配せず一度最後まで書いてみましょう。