インディーズのメリットとは?成功した3つのインディーズバンドを紹介

「インディーズってどう意味?」
「インディーズで活動すると、どんなメリット・デメリットがあるの?」

音楽業界で仕事をしたい人は、デビューの方法について知っておきたいのではないでしょうか。

メジャーデビューを目標にしている人は多いかもしれませんが、実はインディーズで活躍するアーティストもたくさんいるのです!

本記事では、インディーズのメリットとデメリットについて解説し、最後にインディーズシーンで活躍するアーティストについて紹介します。

この記事を読めば、インディーズの定義やメリットを理解することができ、幅広い視点を持って音楽活動ができるようになりますよ!

以下の記事では、インディーズとメジャーの違いとその見分け方について解説しているのでぜひご覧ください。

1.インディーズの定義について

インディーズは独立を意味する「Independent」から派生した言葉で、「メジャー(大手)」に属さない、独立性の高い状態のことです。

音楽業界においてインディーズと言えば、大手制作会社(メジャー)に所属しない会社やレーベル、及びそのアーティストを指します。

例えば、沖縄を拠点とするバンド「HY」や「MONGOL800」、ヴィジュアル系エアーバンドで知られる「ゴールデンボンバー」もインディーズと言えます。

メジャー=プロ、インディーズ=アマチュアではなく、インディーズでもライブのチケットを販売したり、CDを販売したりしてファンがそれを購入している時点で”プロのアーティスト”と言えます。

そして、日本にはインディーズで大成功を収めているアーティストも数多く存在します。

(1)レーベルとは

レーベルとは、所属アーティストの音源を発売し、その売り上げを得ることを目的とした組織です。

レコード会社や所属事務所と同じ意味だと誤解されることがありますが、それらとレーベルは別のものです。

レーベルはレコード会社の下位組織に当たり、レコード会社は企業で、レーベルはその中の一つの部門になります。

例えば、EXILEの所属事務所はエイベックス・エンタテインメント株式会社で、レーベルは傘下のrhythm zone(リズムゾーン)です。

また、ジャニーズ事務所のKis-My-Ft2は、avex trax(エイベックス トラックス)が所属レーベルです。

レーベルには、バンド系に強い、ダンス系に強いなどレーベル毎の特徴があり、各レーベルに所属しているアーティストを確認すると、どのジャンルに力を入れているかがわかります。

事務所は、仕事をとってきたりスケジュールの管理をしたりと、アーティストの仕事のマネジメントを行う組織です。

アーティストは、レーベルと所属事務所の2つの会社に属することになり、双方と話し合いながら仕事を進めていきます。

(2)インディーズとメジャーの違い

インディーズとメジャーの違いは、レーベルの違いと言えます。

大手レコード会社やその系列の会社をメジャー・レーベル、また、それ以外の場合をインディーズ・レーベルと呼び、区別しています。

日本においてメジャー・レーベルは、日本レコード協会に入会していることが目印になります。

日本レコード協会に入会している、主なレコード会社は以下の通りです。

大手レコード会社
      • エイベックス・エンタテインメント株式会社
      • ユニバーサル ミュージック合同会社
      • 株式会社ソニー・ミュージックレーベルズ
      • 株式会社ワーナーミュージック・ジャパン
      • 株式会社JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント

上記のレコード会社の関連・傘下部門にあるのがメジャー・レーベルです。

メジャー・レーベルがインディーズ・レーベルから業務を委託をされ、販促、営業、流通機能を担う場合があり、その場合には、レーベルがインディーズであっても「メジャー流通」と呼ぶことがあります。

また、インターネットとともに台頭したネットレーベルも、活動資金と知名度の観点から、インディーズ・レーベルに属すると考えて良いでしょう。

ネットの普及により、近年ではインディーズでもメジャーでもSNSを介して作品を流通させる例も増えてきています。

2.インディーズでデビューするメリットとデメリット

多くのアーティストはメジャーデビューを目指して日々音楽活動を行っているのではないでしょうか?

その理由は「有名になる」「売れる」というイメージがついているからでしょう。

TVで活躍しているアーティストや大きなステージでコンサートを行っているアーティストの姿を見れば、「メジャーを目指したい」と思うのも当然です。

しかしながら、それは表面的な考えでしかなく、メジャーデビューの実現=成功とはならないのが実情です。

メジャー・レーベルには多くのアーティストが在籍しているため、その中で「期待値が高い」順にCD制作やプロモーション活動が優先され、成果が残せないとあっさり契約を切られるアーティストもいます。

ここからはインディーズでデビューするメリット、さらにデメリットについて解説します。

(1)インディーズでデビューする2つのメリット

インディーズでデビューするメリットは、以下の通りです。

  1. 企業規模が小さいため融通がきく
  2. 収益配分が高い

順に、解説します。

#1:企業規模が小さいため融通がきく

インディーズでデビューする1つ目のメリットは、企業規模が小さいため融通がきくことです。

メジャーでは「売れる音楽」を発信することが求められますが、インディーズではその傾向が少なく、チャレンジしやすいからです。

スタッフと共にアイデアを出し合い、解決していき、新しいことにチャレンジしたいという人にはインディーズが向いています。

近くに信頼のおける音楽関係者が出来る、つまり第三者の客観的な意見を聞くことができると、今以上によりステップアップできるはずです。

反対に、レーベルに任せっきり、言われたことをやるというスタンスの人は、インディーズではなくメジャーを目指すと良いでしょう。

#2:収益配分が高い

インディーズでデビューする2つ目のメリットは、収益配分が高いことです。

少ないスタッフで仕事を行うので、諸経費がかからず、アーティスト側が受け取る割合が上がるからです。

メジャーに属する場合と同じ枚数のCDを売り上げたと仮定すると、インディーズ所属の方が高い収入を得ることができるというわけです。

また、運営とアーティストの距離が近いため、自分たちの音楽性に興味、可能性を感じてもらえると、アーティスト側に有利な条件で交渉ができる可能性があります。

(2)インディーズでデビューする3つのデメリット

インディーズでデビューするデメリットは、以下の通りです。

  1. 経費がメジャーに比べて少ないため、宣伝力が弱い
  2. 仕事を自分の力で取りに行く必要がある
  3. 給料が少ない傾向にある

順に、解説します。

#1:広告宣伝費がメジャーに比べて少ないため、宣伝力が弱い

インディーズでデビューする1つ目のデメリットは、宣伝力が弱いことです。

宣伝とはCDを売るために雑誌の取材やTV出演など費用をかけてアピールすることですが、インディーズの場合には広告宣伝費がメジャーに比べて少ないため、大掛かりな宣伝をすることができません。

一方、メジャーに所属すると、資金面で優遇されるため、多くの宣伝予算や制作費を捻出してもらうことができます。

とは言え、今はCDから配信の時代に変わり、情報発信はSNSという時代です。

そのような環境では、メジャーとインディーズの宣伝手法、さらにその効果に関してはあまり差がなくなってきたとも言えるでしょう。

#2:仕事を自分の力で取りに行く必要がある

インディーズでデビューする2つ目のデメリットは、仕事を自分の力で取りに行く必要があることです。

運営スタッフの人数が少ない、宣伝費用を掛けることができないとなれば、全国のショップにCDを置いてもらえるようお願いしたり、雑誌取材やメディア出演できるよう交渉したりということをアーティスト自身でしなければなりません。

また、TV出演の場合にはスタイリングやヘアメイクが必要ですが、これらも自前で用意することが求められることもあります。

#3:給料が少ない傾向にある

インディーズでデビューする3つ目のデメリットは、給料が少ない傾向にあることです。

その理由は、インディーズは売れる音楽よりも独自の音楽性の追求を優先することがあるからです。

また、宣伝費などが少ないため、いい音楽を作っていても知られないことも多いです。

そうすると、CDが売れない、また、ライブで集客ができないことにつながり、高い収入を得ることはできません。

収益配分が高いメリットがある反面、売り上げが少ないと、インディーズでは必然的に給料が少なくなることを覚えておきましょう。

3.インディーズで活躍しているアーティスト3選

インディーズでも確かな実力と人気を兼ね備えたアーティストも少なからずいます。

  1. Hi-STANDARD
  2. MONGOL800
  3. WANIMA

日本の音楽界において、以前までは「メジャー」デビューを果たすことが多くのバンドの目標でした。

しかし、彼らの登場を機に、活動の制限が少ない自由な仕事環境が評価され始め、最近ではあえてインディーズのまま活動するバンドも増えています。

(1)Hi-STANDARD

引用元:Hi-STANDARD公式サイト

Hi-STANDARD(ハイスタンダード)は日本のパンク・ロックバンドで、通称「ハイスタ」と呼ばれています。

メンバーは、難波章浩(Vo,Ba)、横山健(Gt,Cho)、恒岡章(Dr)です。

1991年の結成時はボーカリスト松本敦彦を加えた4人編成でしたが脱退して、以後スリーピースで活動しています。

所属するインディーズレーベルは、PIZZA OF DEATH RECORDS(ピザ・オブ・デス・レコーズ)です。

このレーベルは、メンバーの横山健が代表取締役社長を務めています。

Hi-STANDARDは、人気が出て知名度が高くなっても”アンチ・メジャー”としてインディーズバンドを貫き、インディーズブームの先駆者とも言われています。

2000年に一時期活動停止していましたが、2011年9月18日活動再開、2016年には約16年半ぶりにシングルを発売しました。

自主企画のロックフェス「AIR JAM 2018」を中心に、精力的に活動の場を広げており、これからの活動も期待されています。

(2)MONGOL800

引用元:MONGOL800公式サイト

MONGOL800(モンゴルはっぴゃく)は沖縄を拠点とした日本のロックバンドで、略称は「モンパチ」です。

所属するインディーズレーベルは、ハイ・ウェーブで、インディーズ系レコード会社と音楽事務所も兼ねています。

儀間崇が2019年に体調不良のため活動休止を発表し、現在は上江洌清作(Ba,Vo)、髙里悟(Dr,Vo)の2人で活動しています。

2001年9月に発売された2ndアルバム『MESSAGE』が約280万枚売り上げ、インディーズ史上最高の売り上げ枚数を記録しました。

MONGOL800の代表曲は「DON’T WORRY BE HAPPY」「小さな恋のうた」「あなたに」など多数あり、「琉球愛歌」や「矛盾の上に咲く花」といった琉球愛がテーマの曲も多いことも特徴です。

沖縄の風土や琉球愛をテーマにした音楽が評価され、平和を願うメッセージが多くの人々の共感を呼んで世代を超えた熱い支持を得ています。

「ロック界最強のマイペース」と称されるほどバンドシーンの中でも独自の音楽活動を展開してきましたが、近年は世代やジャンルを超えたアーティストとのコラボ、さらには海外、主にアジア諸国での音楽活動も活発に行っています。

(3)WANIMA

引用元:WANIMA公式Twitter

WANIMA(ワニマ)は、2010年に結成された日本のロックバンドです。

メンバーはKENTA(Vo,Ba)、KO-SHIN(Gt,Cho)、FUJI(Dr,Cho)の3人で、全員が熊本県出身です。

現在はメジャーとして活動していますが、インディーズからメジャーに活動の場を移した成功例として紹介します。

WANIMAの現在の所属事務所はPIZZA OF DEATH、レーベルはワーナーミュージック・ジャパン内の社内レーベルであるunBORDEです。

2014年にPIZZA OF DEATHと契約し、1st mini Album『Can Not Behaved』をリリース、2015年に発表したアルバム『Are You Coming?』が第8回CDショップ大賞準大賞を受賞し、2016年8月に発表したシングル「JUICE UP!!」もスマッシュヒットしました。

その後メジャー・レーベルのunBORDEへ移籍し、2018年1月に発売されたメジャー1stアルバム『Everybody!!』が、初週で12.6万枚を売り上げオリコン週間アルバムチャートで1位を獲得しました。

また同年、初のドーム公演開催、2日間で計7万人を動員するなど快進撃を見せました。

2019年には メジャー2ndアルバム『COMINATCHA!!』をリリースし、オリコン週間アルバムチャートでは、初週で72,524枚を売り上げ首位に立ち、「みんなで一緒に盛り上がれるバンド」として、現在のロック・シーンを牽引する存在です。

インディーズ時代から幅広い層に支持されるポテンシャルが評価されてきましたが、メジャーデビュー後も変わらずキャッチーなメロディ、ポジティブな言葉や仲間を思う熱い思いが詰まった歌詞が多くの人の共感を呼んでいます。

まとめ

今回は、インディーズとメジャーの意味や違い、そしてメリットとデメリットを解説しました。

音楽で生計を立てたいなら、まずはインディーズ・レーベルとの契約を目指しましょう。

そして、ファンや協力者を増やしながら、インディーズで知名度を上げていくと、メジャーで活躍できる日が来るかもしれません。

以下の記事では、人気のインディーズ・レーベルついて紹介しているのでぜひご覧ください。

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