「ダイアトニックってどういう意味なの?」
「ダイアトニックってどういうときに使われるの?」
「ダイアトニック」というワードはよく目にしますが、作曲を勉強している人の中には、「ダイアトニック」が何を意味しているのかよく分かっていない人も多いのではないでしょうか。
実は、「ダイアトニック」というワードは単体で使われることはほとんどないのです!
本記事では、ダイアトニックの意味やダイアトニックが使われている音楽用語、類似している音楽用語を紹介します。
この記事を読めば、ダイアトニックに関する知識を深めることができますよ!
目次
1.ダイアトニックとは
ダイアトニックとは「全音階の」という意味で、英語表記はDiatonicです。
古代ギリシャの音楽理論が基になっており、中世イタリアの音楽教師であるグイード・ダレッツォが考案したといわれています。
全音階とは7つの音で構成される音階の1つで、1オクターブを5つの全音と2つの半音で構成されている音階のことです。
ダイアトニックは単体で使われることは少ないので、他のワードとセットで覚えましょう!
2.ダイアトニックが使われる2つの音楽用語
ダイアトニックが使われる音楽用語を紹介します。
覚えておくべき音楽用語は以下の2つです。
頻繁に目にする言葉なのでどのような意味なのか理解しておきましょう!
(1)ダイアトニックスケール
ダイアトニックスケールとは、「ドレミファソラシ」と聴こえるように規則性に則って並べられた7音のことです。
以下の規則性に従って音を並べれば「ドレミファソラシ」と聴こえます。
全音→全音→半音→全音→全音→全音→半音
半音:基点となる音の隣の音
全音:基点となる音から1音飛ばした音
たとえば、Eを基点とする場合は、「E→F♯→G♯→A→B→C♯→D♯」と演奏することで「ドレミファソラシ」と聴こえのです。
また、上記の規則性をずらすことで以下のような7つのパターンにすることができます。
スケール名 | 音の並び |
---|---|
イオニア(メジャースケール) | 全音→全音→半音→全音→全音→全音→半音 |
ドリア | 全音→半音→全音→全音→全音→半音→全音 |
フリジア | 半音→全音→全音→全音→半音→全音→全音 |
リディア | 全音→全音→全音→半音→全音→全音→半音 |
ミクソリディア | 全音→全音→半音→全音→全音→半音→全音 |
エオリア(マイナースケール) | 全音→半音→全音→全音→半音→全音→全音 |
ロクリア | 半音→全音→全音→半音→全音→全音→全音 |
このうち音楽初学者は、メジャースケールと呼ばれるイオニアとマイナースケールと呼ばれるエオニアの並びを覚えておくことをおすすめします。
後述するダイアトニックコードにおいて重要な役割を持っているので、2つのダイアトニックスケールを覚えておきましょう!
なお、以下の記事でダイアトニックスケールを具体的に紹介しているので、あわせてご覧ください。
(2)ダイアトニックコード
ダイアトニックコードとは、ダイアトニックスケールの音で構成されているコード(和音)のことです。
ダイアトニックスケールは7音で構成されており、ルート音(コードの中で一番低い音)が7パターンあるため、1つのダイアトニックスケール(キー)に対して7つのダイアトニックコードがあります。
7つのダイアトニックコードを1つのグループとした規則性は以下の通りです。
スケール | ダイアトニックコードの規則性 | ||||||
メジャーキー | Ⅰ | Ⅱm | Ⅲm | Ⅳ | Ⅴ | Ⅵm | Ⅶm(♭5) |
マイナーキー | Ⅰm | Ⅱm(♭5) | Ⅲ♭ | Ⅳm | Ⅴm | Ⅵ♭ | Ⅶ♭ |
ダイアトニックスケールがメジャースケールとマイナースケールでダイアトニックコードのグループの規則性は異なります。
ダイアトニックコードでコード進行を作ると自然な音の展開にすることができ、多くの楽曲で使用されているため今後頻繁に目にするはずです。
メジャーキーとマイナーキーでそれぞれ12パターンのダイアトニックコードのグループがあるので、少しずつ覚えていきましょう!
なお、以下の記事でダイアトニックコードを具体的に紹介しているので、あわせてご覧ください。
3.ダイアトニックスケールと類似している音楽用語
ダイアトニックスケールと類似している音楽用語を紹介します。
音楽初心者が覚えておくべき音楽用語は以下の2つです。
順に紹介するので、目にしたときにすぐ理解できるようになっておきましょう!
(1)ペンタトニックスケール
ペンタトニックスケールとは、5つの音で構成された音階のことです。
ペンタトニックスケールにもメジャーとマイナーの2パターンあり、以下のような規則性になっています。
ダイアトニックスケール (メジャー) | Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ・Ⅵ・Ⅶの7音 |
---|---|
ペンタトニックスケール (メジャー) | Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅴ・Ⅵの5音(メジャースケールの4番目と7番目の音を抜いた5音) |
ダイアトニックスケール (マイナー) | Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ♭・Ⅳ・Ⅴ・Ⅵ♭・Ⅶ♭の7音 |
ペンタトニックスケール (マイナー) | Ⅰ・Ⅲ♭・Ⅳ・Ⅴ・Ⅶ♭(マイナースケールの2番目と6番目の音を抜いた5音) |
たとえば、キーがCの場合は以下の通りになります。
ダイアトニックスケール (メジャー) | ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シの7音 |
---|---|
ペンタトニックスケール (メジャー) | ド・レ・ミ・ソ・ラの5音(メジャースケールのファとシを抜いた5音) |
ダイアトニックスケール (マイナー) | ド・レ・ミ♭・ファ・ソ・ラ♭・シ♭の7音 |
ペンタトニックスケール (マイナー) | ド・ミ♭・ファ・ソ・シ♭(マイナースケールのレとラ♭を抜いた5音) |
ペンタトニックスケールは使用する音が5音なので、覚えやすくアドリブで演奏するときによく使われる傾向があります。
ダイアトニックスケールと平行してペンタトニックスケールを覚えておくと、応用の幅が広がりますよ!
(2)クロマチックスケール
クロマチックスケールとは、半音だけで構成された音階で半音階と呼ばれることもあります。
ダイアトニックスケール(7音)やペンタトニックスケール(5音)は全音と半音の組み合わせで構成されていますが、クロマチックスケールは隣り合う音の連続で、以下のように鍵盤上の全ての音を使った12音構成です。
ド・レ♭・レ・ミ♭・ミ・ファ・ソ♭・ソ・ラ♭・ラ・シ♭・シ
クロマチックスケールというワードはあまり触れないかもしれませんが、実際に目にしたときはピアノの全て鍵盤をイメージしましょう!
まとめ
ダイアトニックは「全音階の」という意味で、スケールやコードなど他のワードと一緒に使われることが多いです。
ダイアトニック単体で覚えるのではなく、ダイアトニックスケールとダイアトニックコードの意味を把握しておきましょう。
また、ペンタトニックスケールやクロマチックスケールなど類似した音楽用語もあわせて覚えておくと、より音楽知識が深まりますよ!
なお、以下の記事でダイアトニックコードの覚え方を紹介しているので、あわせてご覧ください!