作曲家の年収はどのくらい?2種類の働き方とそれぞれの収入事情

「作曲家になると、どの程度の年収が稼げるの?」
「作曲家を職業とする場合、どのような働き方があるの?」

このように悩んでいませんか?

作曲家は、大ヒットを飛ばして一生安泰かまったく稼げないかの2通りとイメージされがちですが、会社に雇用されているかフリーランスかで大きく働き方が異なり、それぞれの働き方によって稼げる金額も変わってきます。

今回の記事では、作曲家の2種類の働き方と作曲家が稼げる収入の種類について紹介するとともに、それぞれの作曲家が得られる年収についても詳しく解説していきます。

この記事を読んで作曲家の年収について正しく理解し、ご自身の将来の道を考える上での検討材料としてください。

1.作曲家の2種類の働き方

Ⅴ→Ⅵm

作曲家は、大きく分けて音楽事務所・芸能プロダクションなどの会社に雇用される働き方とフリーランスで活動する働き方の2種類があります。

音楽事務所ではSony Musicやavexやワーナーミュージックなどが、芸能プロダクションではアミューズ・研音・ジャニーズなどが有名ですね。

会社に所属する場合には、安定した収入を得られるのが最大のメリットです。 

また、曲作り以外の営業活動やスケジュール管理などは専門部署に任せることになるため、作曲に専念することができます。

ただし、会社の方針に従った曲作りを行う必要があり、必ず自分の希望する音楽が作れるとは限りません。

一方、フリーランスは個人で活動もしくは個人事務を設立して活動する形態で、自分の裁量で仕事を決められます。

そのため、自分の作りたいジャンルの音楽を、自分の好きなペースで作ることができるのです。

しかし、周囲から認められる存在にならないと安定的に仕事はまわって来ず、収入的にも不安定になりがちです。

フリーランスは、曲を作る実力はもちろんのこと、自分で仕事を取ってくる営業力や、全ての仕事を納期に間に合わせるスケジュール管理能力も必要となります。

とはいえ、最近ではクラウドソーシングサイトなどを活用することで、業界にコネクションのないフリーランス初心者でも案件を受けられる間口が広がってきています。

そのため、実際に音楽事務所や芸能プロダクションで経験や実績を積んだ後、セカンドキャリアとしてフリーランスで活躍する作曲家も増えています。

フリーランスで有名な作曲家は、テレビアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」を作られた鷺巣詩郎氏や、後ほど紹介するストック型ビジネスで有名なもっぴーさうんど氏などです。

このように、作曲家には会社員とフリーランスという2種類の働き方があり、安定を求めるか自分の裁量で働きたいかによって進むべき道が異なります。

なお、クラウドソーシングサイトについては以下の記事でも詳しく述べていますので参考にしてください。

作曲を仕事にしたい!フリーランス作曲家として活動できるサイト3選

2020.05.23

2.作曲家が稼げる収入の種類

作曲家が稼げる収入の種類には印税と報酬の2種類があります。

それぞれの特徴は以下の表の通りです。

収入の種類著作権収入を得るタイミング相場
印税作曲者楽曲が何等かの形で使用されるとき
例)CDアルバムの一曲として使用される、カラオケで利用されるなど
CDの場合定価の6%程度
ライブの場合定価の5%程度
報酬買取先買取先に曲を渡すとき10~30万程度

印税契約を結んだ場合、売上に応じた印税が入ってくるため、曲が少ししか売れなければほとんど収入を得ることはできません。

しかし、爆発的なヒットを記録したりロングセラー作品になった場合には、印税だけで一生安泰に暮らしていけるほどの莫大な報酬を受け取る場合もあります。

もちろん、そのようなヒット曲を生み出せる作曲家は一握りだけですが、作曲家を目指す人にとっては大きなモチベーションになりますよね。

一方コンペなどでは、選ばれた作曲家に一定額の報酬を支払い、そのタイミングで著作権は買取先に移譲されるケースがよくあります。

この場合には、その後どれだけ曲が売れたとしても作曲家へ追加で支払われる報酬はありません。

このように、作曲家が受け取る収入には印税と報酬の2種類があり、印税契約を結んだ曲がヒットすれば莫大な収入を得ることができます。

ストック型ビジネスという新しい収入の形

作曲家が収入を得る新しい仕組みとして、ストック型ビジネスに取り組む動きが始まっています。

今までの作曲家はクライアントから依頼を受けて楽曲を制作するという流れが一般的でした。

しかし、ストック型ビジネスはあらかじめ作曲家がさまざまな楽曲や音楽素材を作成し、オーディオストックをはじめとする素材販売サイトに掲載しておきます。

そして、掲載した楽曲や音楽素材がダウンロードされる度に利用料が作曲家へ報酬として支払われます。

ブログを書き溜めて、閲覧回数に応じて広告収入を得る形に似ていますね。

従来の方式であるクライアントからの依頼待ちでは収入が不安定になりがちですが、ストックビジネスである程度成功すると、毎月安定した収入が得られることになります。

実際に、フリーランス作曲家として有名なもっぴーさうんどさんは、オーディオストックから毎月18万円の収益を稼いでいることを公表しています。

このように、作曲家の新しい収入の仕組みとして、あらかじめ作っておいた楽曲を必要なときにクライアントが購入する、ストック型ビジネスが注目されています。

3.それぞれの作曲家が得られる年収

Ⅱ→Ⅴ→Ⅰ進行が使われている

次に、作曲家が得られる年収を以下の通り2つに分けて説明します。

  1. 会社に所属する作曲家の場合
  2. フリーランスの場合

順番に説明します。

(1)会社に所属する作曲家の場合

ファンタム電源があるか確認する

会社に所属する作曲家の場合、年収は一般的な会社と同程度(平均で4~500万円程度)です。

毎月一定の給料を得ることができるため、収入は安定しています。

ただし、会社員の場合には一般的に印税契約ではないため、大ヒットを飛ばしても会社の利益になるだけで、自分の給料には還元されません。

(一部では、給与に印税収入を加える条件付き契約を結ぶケースもあります。)

このように、会社に所属する作曲家は一般的な会社員と同程度の安定した収入が見込めます。

(2)フリーランスの場合

指定したキーのスリーコードを使ったコード進行を作る

フリーランスの作曲家の場合、年収は個人の力量や働き方次第でピンキリです。

まだ無名の作曲家が仕事を取ってくる場合には、コンペに参加するケースが多くあります。

通常コンペは採用された場合にのみ一定の報酬が支払われるため、選ばれなければ一銭も稼げません。

しかし、実力が認められ知名度が上がれば、多くの仕事が舞い込み、かつ一曲あたりの単価が上がるため、多くの収入を稼ぐことができます。

ただし、有名な作曲家になれば、仕事を受けすぎてオーバーワークにならないよううまく自己管理する能力も必要になります。

仕事量がキャパオーバーになり品質低下や納期遅延が発生すると、すぐにクライアントの信頼を損ねてフリーランスとしての評価が下がってしまうからです。

印税やコンペについてさらに詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてください。

作曲家の収入事情は?4つのやりがいと3つの適正ポイントも解説

2020.05.14

このように、フリーランスの年収は知名度に応じてピンキリですが、一度ヒット曲を作ることができれば単価も上がり仕事の依頼も多くなってきます。

まとめ

今回の記事では、作曲家の2種類の働き方と作曲家が稼げる収入の種類について紹介するとともに、それぞれの作曲家が得られる年収についても詳しく解説しました。

作曲家は、大ヒットを飛ばして一生安泰かまったく稼げないかの2通りととイメージされがちですが、会社に雇用されているかフリーランスかで大きく働き方が異なり、それぞれの働き方によって稼げる金額も変わってきます。

この記事を読んで作曲家の年収について正しく理解し、ご自身の将来の道を考える上での検討材料としてください。

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