「初めて作曲をする場合のおすすめのやり方ってあるの?」
「作曲のやり方で何に注意すればいいの?」
作曲に挑戦する人の中には、何から始めればよいのか分からない人も多いのではないでしょうか。
作曲の王道のやり方を知っておくと、実は初めて作曲をする人でも自分の力で一から曲を仕上げることができるのです。
本記事では、作曲をする前の準備や初心者におすすめの作曲のやり方、作曲時の注意点を紹介します。
この記事を読めば、音楽初心者でも自分で新しい曲を生み出すことができますよ!
なお、楽曲制作の基本や流れについて以下の記事にまとめているので、あわせてご覧ください。
目次
1.作曲を始める前の4つの準備
作曲前にどのような準備をすればよいのか紹介します。
まずは以下の4つの準備を進めましょう。
作業に集中するためには、作曲をするための環境を整えることが必要なので、事前準備に取り掛かりましょう。
(1)必要な機材を揃える
作曲をするには、機材を揃える必要があります。
初心者が揃えておくべき機材は以下の8つです。
- パソコン
- DAW
- MIDIキーボード
- ヘッドホン
- モニタースピーカー
- オーディオインターフェイス
- マイク
- ソフト音源
DAWとはDigital Audio Workstaionの略語で、パソコンで音楽制作をするためのソフトウェアのことです。
機材を揃えるのにお金がかかってしまうので、金銭的に厳しい人はパソコン、DAW、MIDIキーボードだけでも揃えておきましょう。
なお、以下の記事で作曲に必要な機材をそれぞれ紹介しているので、あわせてご覧ください。
(2)コードを覚える
作曲をする上で、コードを覚えなければなりません。
コードとは和音のことで、複数の音が重なってできる音を表します。
一般的にコードは、「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ」の7つの音階の中の3つの音が組み合わされていることが多いです。
7つの音階は以下のように英語に言い換えることができ、コードは英語で表記されます。
音階 | ド | レ | ミ | ファ | ソ | ラ | シ |
英語表記 | C | D | E | F | G | A | B |
たとえば、ド(C)・ミ(E)・ソ(G)の3音を重ねるとCコード、レ(D)・ファ(F)・ラ(A)の3音を重ねるとDmコードという名称になります。
覚えなければならないコードはたくさんありますが、ダイアトニックコードから覚えるとよいでしょう。
ダイアトニックコードとは、どの音を基点にしても「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ」のように聞こえる7つのコードの並びです。
キーコードを決めて下の表の通りに弾くと、「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ」とは異なる音を弾いても「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ」のように聞こえます。
どのコードを使えばよいのか迷ったときは、ダイアトニックコードだけに絞ってコード進行を作ってみましょう。
♯や♭など複雑なキーコードを除いたダイアトニックコードを以下の表にまとめました。
キーコード | 音階(ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ)の順 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
C(ド) | C | Dm | Em | F | G | Am | Bm(♭5) |
D(レ) | D | Em | F♯m | G | A | Bm | C♯m(♭5) |
E(ミ) | E | F♯m | G♯m | A | B | C♯m | D♯m(♭5) |
F(ファ) | F | Gm | Am | B♭ | C | Dm | Em(♭5) |
G(ソ) | G | Am | Bm | C | D | Em | F♯m(♭5) |
A(ラ) | A | Bm | C♯m | D | E | F♯m | G♯m(♭5) |
B(シ) | B | C♯m | D♯m | E | F♯ | G♯m | A♯m(♭5) |
たとえば、Dコードをキーコードにした場合のダイアトニックコードは、「D・Em・F♯m・G・A・Bm・C♯m(♭5)」の7つで、この順にコードを弾くと「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ」の音階に聞こえます。
Dをキーにした曲を作る場合、「D・Em・F♯m・G・A・Bm・C♯m(♭5)」の7つのコードだけを使うと、不自然に音を外さずにスムーズなコード進行を作ることが可能です。
♯や♭がついた特殊コードも覚える必要はありますが、1つのキーコードにつき使うコードは7つなので、まずは使うと決めた7つのコードから覚えていきましょう。
それぞれのコードの構成音を以下の表にまとめているので、コードを覚えるときの参考にしてください。
コード | 構成音 |
---|---|
C | ド(C)・ミ(E)・ソ(G) |
C♯m | ド♯(C♯)・ミ(E)・ソ♯(G♯) |
D | レ(D)・ファ♯(F♯)・ラ(A) |
Dm | レ(D)・ファ(F)・ラ(A) |
D♯m | レ♯(D♯)・ソ♭(G♭)・ラ♯(A♯) |
E | ミ(E)・ソ♯(G♯)・シ(B) |
Em | ミ(E)・ソ(G)・シ(B) |
F | ファ(F)・ラ(A)・ド(C) |
F♯ | ファ♯(F♯)・ラ♯(A♯)・ド♯(C♯) |
F♯m | ファ♯(F♯)・ラ(A)・ド♯(C♯) |
G | ソ(G)・シ(B)・レ(D) |
Gm | ソ(G)・シ♭(B♭)・レ(D) |
G♯m | ソ♯(G♯)・シ(B)・レ♯(D♯) |
A | ラ(A)・ド♯(C♯)・ミ(E) |
Am | ラ(A)・ド(C)・ミ(E) |
A♯m | ラ♯(A♯)・レ♭(D♭)・ファ(F) |
B | シ(B)・レ♯(D♯)・ファ♯(F♯) |
Bm | シ(B)・レ(D)・ファ♯(F♯) |
B♭ | シ♭(B♭)・レ(D)・ファ(F) |
(3)専門用語を覚える
コードと同時進行で専門用語も覚えましょう。
パソコンで楽曲を制作する場合、さまざまな書籍やWebサイトで専門用語を見る機会が多いです。
最初にある程度の用語を覚えておくと作業がスムーズに進むので、最低でも以下の7つの用語を覚えておくとよいでしょう。
専門用語 | 意味 |
---|---|
DTM |
|
DAW |
|
オーディオデータ |
|
MIDI |
|
プラグイン |
|
トラック |
|
チャンネル |
|
(4)DAWをインストールする
DAWをインストールすれば作曲の準備が完了です。
DAWには無料のものと有料のものがあります。
いきなり有料のDAWを購入すると使い方が難しかったり、求めている機能がなかったりして後悔する可能性があります。
将来的に有料のDAWを利用する人でも、まずはフリーのDAWを利用して使い方に慣れておいた方がよいでしょう。
なお、以下の記事で楽曲制作におすすめのソフトを紹介しているので、あわせてご覧ください。
2.初心者でもできる簡単な作曲のやり方一例
初心者向けの作曲のやり方を紹介します。
初心者でもできる簡単な作曲のやり方一例は以下の通りです。
いきなりメロディから作ろうとせずに、段階を踏んで作曲をしましょう。
なお、以下の記事で作曲の基本について紹介しているので、基本ルールを把握していない人は先にチェックしておくことをおすすめします。
(1)曲のテーマを決める
作曲を始める前に、曲のテーマを決めましょう。
曲のテーマを決めることで曲のイメージが明確になり、どのコードを使うのかが大方決まります。
- 落ち込んでいる人を励ます曲
- お世話になっている人に感謝の気持ちを伝える曲
- リラックス効果のあるバラード調の曲
上記のように曲のテーマを決めて、コード進行を作りやすくしましょう。
(2)テーマに沿ったコード進行を決める
テーマを決めたら、コードの流れであるコード進行を決めましょう。
コード進行がメロディのベースになり、コードの特徴によって曲の雰囲気が決まります。
たとえば、以下のようなコード進行が王道です。
テーマ | 王道コード進行(Cキー) |
---|---|
明るい曲 | F → G → Em → C → F → G |
優しい曲 | Dm7 → G7 → C → Am7 → Dm7 → G7 |
楽しい曲 | Dm7 → G7 → Em → C → Dm7 → G7 |
曲のイメージごとに王道のコード進行があるので、最初はそれを参考にしてみるとよいでしょう。
(3)メロディをつける
コード進行に合わせてメロディをつけていきます。
曲の構成はAメロ、Bメロ、サビが一般的ですが、まずはサビ、Aメロ、Bメロの順に作りましょう。
曲のメインであるサビを先に作って、その後メインを盛り上げるためのAメロ、Bメロを作れば曲のバランスがよくなります。
鼻唄やピアノで実際に音をあてて、コードの音が自然につながるメロディを作りましょう。
3.作曲時の3つの注意点
作曲をするときに気をつけなければならない点がいくつかあります。
特に以下の3つは意識しましょう。
順に説明するので、作曲の参考にしてください。
(1)盗作をしない
曲には著作権があるので、絶対に盗作をしてはいけません。
なかなかアイデアが浮かばなければ既存曲を真似したくなるかもしれませんが、著作権侵害にあたり罰を受けることになります。
もしアイデアに困ったときは、メロディではなくコード進行を参考にしてみましょう。
コード進行を真似したとしても盗作にはならないので、テーマごとの王道コード進行を採用してみてはいかがでしょうか。
(2)1つのアイデアに固執しない
作曲をするときは、1つのアイデアに固執しないことをおすすめします。
1つのアイデアに固執してしまうと、新しいアイデアの弊害になり、オリジナリティの幅が狭くなってしまうのです。
曲を作っているうちに、さまざまなアイデアが思い浮かぶことがあれば、次々に採用して最終的にしっくりきたアイデアを使いましょう。
(3)深く思い詰めない
作曲をするときに思うように作業が進まなくても、深く思い詰めないようにしてください。
作曲家でさえなかなか曲ができないこともあるので、初心者がプロのようなクオリティで作曲ができなくて当たり前です。
曲が出来上がっても思うような出来ではないかもしれませんが、曲を作る内に自然とクオリティは高くなります。
最初は曲の質にこだわらず、量をこなしてスキルアップにつなげましょう。
まとめ
初心者におすすめの王道の作曲のやり方は、テーマ決め→コード進行作り→メロディ付けの流れです。
初めて作曲をする場合は、作曲を始める前にしっかり準備をして、作業に集中できる環境を整えることをおすすめします。
もし、作曲に行き詰ったらプロに依頼するのも有効なので、深く考えず作曲自体を楽しむくらいの気持ちで取り組みましょう。
なお、以下の記事に作曲のコツをまとめているので、あわせてご覧ください。