「コード進行のルールってあるの?」
「コード進行ってどうやって作るの?」
これから作曲作りに挑戦しようと思っている人の中には、コード進行についての知識が不足している人も多いのではないでしょうか。
実はコード進行は作曲の中でも核となる部分で、コード進行によって曲の雰囲気が変わるのです!
本記事では、コード進行の基本的ルールや作り方、定番のコード進行を紹介します。
この記事を読んで、作曲に必要なコード進行の知識を身につけましょう!
目次
1.コード進行とは
コード進行とは、コード(和音)をどのように進めていくかを表しています。
コードが変わることで曲の展開も変わり、コード進行によっては期待感を湧かすことや不安感を掻き立てることが可能です。
そのため、コード進行を考えるときには、どのような曲にするのかイメージすることが重要で、1曲の中でストーリーを考える必要があります。
曲の印象がコード進行によって変わるので、リスナーにどのようなメッセージを伝えたいのか明確にして、コード進行を作りましょう!
なお、コード進行を作るときは、すでに多くの人から好まれている王道進行やカノン進行などの定番のコード進行を参考にするのが効果的です。
定番のコード進行については、本記事の後半部で紹介しているので、参考にしてみてください!
2.コード進行の基本的な2つのルール
コード進行を作る上で基本的なルールを紹介します。
一般的なコード進行のルールは以下の2つです。
順に紹介するので、初心者がコード進行作りで守るべきルールを頭に入れましょう!
(1)キーを決める
コード進行は、曲の基準となる音のキー(調)を決めなければなりません。
キーとは、メロディーや和音の中心となる音のことで、コード進行の一番低い音がキーになります。
ドレミファソラシの7音のどこを基準(一番低い音)にするかで、曲を構成するときに使う音が決まるため、コード進行を作るにはキーを明確にしておく必要があるのです。
キーはよく英語で表記されるので、ドレミファソラシがどの英語で表記されるのか以下の表を参考に覚えておきましょう。
音階 | ド | レ | ミ | ファ | ソ | ラ | シ |
英語表記 | C | D | E | F | G | A | B |
たとえば、ドを一番低いコードにする場合はキーはCに、ミの場合はキーはEとなります。
コード進行を作るには、キーを決める必要があることを頭に入れておきましょう!
(2)キーを基にしたコード(ダイアトニックコード)使う
キーを基にしたコード(ダイアトニックコード)が使われるのが一般的です。
ダイアトニックコードとは、キーを基準にしてドレミファソラシと聞こえる音階の並びを表したものを言います。
ダイアトニックコードでコード進行を作ることで、初心者でも違和感のないコードの展開を作ることが可能です。
ドレミファソラシをそれぞれキーにしたダイアトニックコードを以下の表にまとめました。
キーコード | Ⅰ | Ⅱm | Ⅲm | Ⅳ | Ⅴ | Ⅵm | Ⅶm(♭5) |
---|---|---|---|---|---|---|---|
C(ド) | C | Dm | Em | F | G | Am | Bm(♭5) |
D(レ) | D | Em | F♯m | G | A | Bm | C♯m(♭5) |
E(ミ) | E | F♯m | G♯m | A | B | C♯m | D♯m(♭5) |
F(ファ) | F | Gm | Am | B♭ | C | Dm | Em(♭5) |
G(ソ) | G | Am | Bm | C | D | Em | F♯m(♭5) |
A(ラ) | A | Bm | C♯m | D | E | F♯m | G♯m(♭5) |
B(シ) | B | C♯m | D♯m | E | F♯ | G♯m | A♯m(♭5) |
それぞれのキーごとに左から順に7音弾くことで、ドレミファソラシと聞こえます。
たとえば、キーをAに設定したコード進行を作るときは、「A・Bm・C♯m・D・E・F♯m・G♯m(♭5)」の7音の内から使うコードを選ぶことで、違和感のないコード進行を作ることができるのです。
ダイアトニックコードが使えるように、それぞれのキーごとのダイアトニックコードを覚えておきましょう!
なお、以下の記事でダイアトニックコードについて詳しく紹介しているので、あわせてご覧ください!
3.コード進行の作り方
コード進行の作り方を紹介します。
主な流れは以下の通りです。
順に紹介するので、どのようにコード進行を作るのか頭に入れておきましょう!
なお、以下の記事で具体的にコード進行作りを紹介しているので、あわせてご覧ください!
(1)キーを決める
コード進行を作るときは、まずはキーを決めましょう。
1曲を構成するコードの中でも、特に大事なのが基準となる一番低いコードです。
一般的に一番低いコードは、最初と最後に使われることが多いので、曲の印象に大きく影響するコードと言えます。
一通りキー候補のコードを弾いてみて、曲のイメージに近いものを選びましょう!
(2)ダイアトニックコードを決める
キーとなるコードを決めたら、使用するダイアトニックコードを決めます。
キーごとに7つのダイアトニックコードは決まっているので、どのコードを使うか絞って選ぶのがポイントです。
使用するコードが多すぎると、複雑になりきれいにまとめることが難しくなるので、初心者の内は4~5音に抑えることをおすすめします。
定番のコード進行だけで完成させている曲もあるので、4音あれば作曲をするのに十分です。
実際に耳で聴きながら、しっくりくるコードを選びましょう!
(3)コードの展開を決める
使用するダイアトニックコードを決めたら、コードの展開を決めましょう。
コードには大きく分けて安定した響き(トニック)、不安定な響き(ドミナント)、少し不安定な響き(サブドミナント)の3つの機能があります。
コードの機能 | 特徴 | コード例 |
---|---|---|
トニック(T) |
| Ⅰ、Ⅰ△7、Ⅰm、Ⅰm7 |
ドミナント(D) |
| Ⅳ、Ⅳ△7、Ⅳm、Ⅳm7 |
サブドミナント(SD) |
| Ⅴ7、Ⅴm7 |
なお、以下のような構成にすると、良い雰囲気を出すことができます。
- T→D→T
- T→SD→T
- T→SD→D→T
一般的には、万人受けする曲ではトニックコードを最初と最後に持ってくることが多いです。
トニックコードから始めて、ドミナントコードやサブドミナントコードでつなげて、最後にトニックコードで締めると自然な流れの曲を作ることができます。
特にトニックコードの位置を意識して、コードの展開を考えていきましょう!
なお、以下の記事でコード進行の種類について紹介しているので、あわせてご覧ください!
4.定番のコード進行3選
定番のコード進行を紹介します。
初心者が知っておくべき定番のコード進行は以下の3つです。
順に紹介するので、いくつか定番コードを覚えておきましょう!
なお、コード進行のパターンについて以下の記事でまとめているので、あわせてご覧ください!
(1)王道進行
コード進行の中で最も定番なのが王道進行です。
日本の音楽界では、ランダムに数曲流せば王道進行が使われているほど、これまで多くの楽曲に採用されてきました。
たとえば、以下のような楽曲に使われています。
- いとしのエリー(サザン・オールスターズ)
- LOVEマシーン(モーニング娘。)
- さくら(ケツメイシ)
- ロビンソン(スピッツ)
- 瞳をとじて(平井堅)
今では定番過ぎて使われることが減っていますが、それでも安定感のあるこのコード進行は、多くのアーティストから好まれています。
王道進行のコード展開は以下の通りです。
Ⅳ→Ⅴ→Ⅲm→Ⅵm
たとえば、Cをキーにした場合は、「F→G→Em→Am」となります。
王道進行は、メジャーキーでも明るくなりすぎないので、日本人が好む曲の雰囲気にすることができ、使うコードも難しくないので、初心者におすすめのコード進行です。
どのコード進行を参考にするか迷っている人は、王道進行を活用してみてください!
王道進行について詳しくは以下をご覧ください。
(2)Just The Two of Us進行
Just The Two of Us進行は、おしゃれなコード進行として有名です。
もともとは「Just The Two of Us」という楽曲で使われたコード進行で、世界中から評価を得て、定番のコード進行として定着しました。
Just The Two of Us進行を使っている楽曲は以下のものがあります。
- 丸の内サディスティック進行(椎名林檎)
- 愛を伝えたいだとか(あいみょん)
- キラーボール(ゲスの極み乙女)
- 夜に駆ける(YOASOBI)
- 宝島(THE SQUARE)
椎名林檎進行ともいわれており、日本では「Just The Two of Us進行=椎名林檎」を想定する人が多い傾向があります。
以下のコード展開を使えば、椎名林檎のようなジャズテイストのおしゃれな曲を作ることが可能です。
ⅣM7ーⅢ7ーⅥm7ーⅠ7
キーがCの場合は、「FM7ーE7ーAm7ーC7」となります。
かっこよくておしゃれな楽曲を作りたい人は、Just The Two of Us進行を参考にしてみましょう!
なお、以下の記事で、Just The Two of Us進行についてまとめているので、あわせてご覧ください!
(3)カノン進行
定番のコード進行の中で、知名度が高いのがカノン進行です。
聞いたことがない人はいないほど有名なクラシック曲「パッヘルベルのカノン」で使われているコード進行で、J-POPでも多くの楽曲に使われています。
カノン進行が使われている代表的な楽曲は以下の通りです。
- チェリー(スピッツ)
- 愛をこめて花束を(Superfly)
- 壊れかけのRadio(德永英明)
- 少年時代(井上陽水)
- 糸(中島みゆき)
カノン進行のコードは以下の通りです。
Ⅳ→Ⅰ→Ⅴ→Ⅵm
キーをCに設定した場合は、「F→C→G→Am」となります。
サブドミナントコードから始まるので応用が求められるコード進行ですが、洋楽でも頻繁に使われるので、外国の音楽に興味のある人におすすめです。
カノン進行をそのままループするだけでもおしゃれな楽曲を作ることができるので、試しに使ってみてください!
まとめ
コード進行とは楽曲を構成する上で重要な要素であり、作曲する上で避けては通れません。
さまざまなコード進行のパターンがありますが、慣れるまでは基本的なルールに則り、一般的な作り方に沿って考えてみましょう!
もし、どのようなコード進行にすればよいか迷ったときは、今回紹介した定番のコード進行を参考に作ってみてください!
なお、コード進行を覚える方法は以下の記事で紹介しているので、なかなか覚えられない人はあわせてご覧ください!