「初心者でも編曲をするには何に気をつければいいの?」
「編曲が上手くできない原因が何が考えられるの?」
音楽初心者で編曲に挑戦した人の中には、なかなか作業が進まなくて挫折しそうになっている人もいるのではないでしょうか。
編曲は作曲と違ってセンスだけでは作業を進めることが難しいですが、実は編曲が上手くできない人には共通の特徴があるのです。
本記事では、初心者でも編曲をするためのコツや編曲が上手くできない人の特徴を紹介します。
この記事を読めば、編曲作業が停滞している状態から脱却できますよ!
なお、以下の記事に編曲の作業内容などをまとめているので、あわせてご覧ください。
目次
1.初心者でも編曲をするための3つのコツ
初心者でも編曲をするためのコツを紹介します。
今回紹介するコツは以下の3つです。
順に紹介するので、作業をする際に参考にしてください。
なお、編曲のやり方については以下の記事で紹介しているので、一からやり方を見直したい人はあわせてご覧ください。
(1)コードや楽器パートより先にリズムを考える
編曲をするときは、まずコード進行作りやパート作りより先にリズムを考えましょう。
リズムが決まっていないと、コードの展開や楽器パートを作ることができません。
主旋律のメロディーにコードを付けてイントロや伴奏を作るためには、リズムに合わせる必要があります。
曲のジャンルによってはリズムが決まっているものもあるので、編曲作業前のジャンルやテーマ決めの際にある程度全体のリズムをイメージしておくことが重要です。
なお、リズムとは拍子の中の音のパターンのことで、拍子とは複数の音が規則的に並ぶまとまりを言います。
たとえば、強い手拍子を〇、弱い手拍子を△、両手で膝を叩くを×として、「〇△×〇△×〇△×」のように音を鳴らした場合、「〇△×」のまとまりを拍子、「〇△×」の音の並びをリズムと言うのです。
また、拍子の構成音の数と音の長さによってリズムの表記が異なり、拍子の構成音が4分音符が3音だった場合は3/4拍子、拍子の構成音が8分音符が3音だった場合は3/8拍子となります。
AメロからBメロに移るなど曲の展開が行われるときにリズムを変化させると、抑揚がつくので聴きやすい曲にすることが可能です。
テンポの速い曲であれば8分音符を多用したり、ゆったりとした曲であれば2分音符を使ったりするなどリズムに変化をつけましょう。
(2)ダイアトニックコードを中心にコード進行を作る
コード進行を作るときはダイアトニックコードを使うことをおすすめします。
ダイアトニックコードとは、ドレミファソラシと聞こえる音階上の7つのコードのことです。
コード理論を基に論理的にコード進行を作るのもよいですが、それでは時間がかかってしまいます。
しかし、ダイアトニックコードを使えば、音楽の知識が乏しい状態でも不自然な音の展開にならないようにコード進行を作ることが可能です。
初心者が作曲をするときでもダイアトニックコードを使うのが基本で、編曲でも同じことが言えます。
初心者がコード進行を作るときは、同ジャンルの既存曲を参考にするのが一般的です。
初心者向けに簡単なダイアトニックコードを表にまとめているので、その表を参考にしながらコード進行を考えてみましょう。
キーコード | 音階(ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ)の順 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
C(ド) | C | Dm | Em | F | G | Am | Bm(♭5) |
D(レ) | D | Em | F♯m | G | A | Bm | C♯m(♭5) |
E(ミ) | E | F♯m | G♯m | A | B | C♯m | D♯m(♭5) |
F(ファ) | F | Gm | Am | B♭ | C | Dm | Em(♭5) |
G(ソ) | G | Am | Bm | C | D | Em | F♯m(♭5) |
A(ラ) | A | Bm | C♯m | D | E | F♯m | G♯m(♭5) |
B(シ) | B | C♯m | D♯m | E | F♯ | G♯m | A♯m(♭5) |
(3)使う楽器を後から追加しない
一度使う楽器を決めたら後から追加しないのが無難です。
質にこだわると次々と楽器を追加してしまいがちで、使用楽器が増えすぎると演奏にまとまりがなくなってしまいます。
そのため、楽器の構成を考えるときに多めにリストアップしておき、徐々に不要な楽器を減らしてバランスを調整してください。
もし使用楽器に迷ったら、イントロやサビなど曲のメイン部分で使いたい楽器をリストアップしましょう。
最初の方はシンプルな曲から取りかかり、何曲も作り上げて編曲作業に慣れたときに、使用楽器を増やして複雑な曲に挑戦することをおすすめします。
2.編曲が上手くいかない人の3つの特徴
編曲が上手くいかない人の特徴を紹介します。
編曲作業が進まない人の主な特徴は以下の3つです。
順に紹介するので、これらの特徴に該当していないかチェックしましょう。
(1)音楽理論に囚われすぎている
編集作業が進まない人の特徴の1つに、音楽理論に囚われすぎていることが挙げられます。
編曲をするには、心地よく聴こえる楽器の相性やコードの自然な展開など音楽の知識が必要ですが、音楽初心者がいきなり全てにおいて理由付けをすると柔軟な思考が停止してしまいがちです。
特に音楽初心者は音楽知識が不足している分、音楽の常識に囚われず感性で作ることができますが、理論にこだわってしまうと素人ならではの思考が制限され感覚で作ることができなくなります。
編曲家として万人受けをする曲を作る場合は、しっかり理論立てて作業を進める必要がありますが、音楽初心者が編曲に挑戦する場合は、曲のクオリティよりも最後まで作り上げることが重要です。
初めは難しいことは考えず、「早いリズムの方がかっこよく聴こえるな」「ピアノソロにするとしんみり聴こえるな」など、「何となくこうしたらテーマに合った曲になるんじゃないか」と漠然に考えるようにしましょう。
作った曲が音楽理論に沿ったものである方が理想的ですが、初めの内は感覚で作った方がかえって作業が進みますよ!
(2)完成形のイメージができていない
完成形のイメージができていなければ、モチベーションが下がり編曲作業が停滞してしまいがちです。
作業後にどのような曲になっているかのイメージがなければゴールがないのと同じなので、どこに向かって作業を進めればよいのか分からなくなり、途中で挫折してしまう人も現れるでしょう。
マラソンでは42.195km先にゴールがあると分かっているからこそ、モチベーションを保ちながら何時間もかけて走ることができるのです。
編曲もマラソンと同じで、1曲を作り上げるのにいくつもの工程を行い、長い時間をかけて作業を進めます。
曲を作り上げるためにはモチベーションを保つことが重要なので、最後まで作業を完走できるようにゴールが見えるようにしておきましょう。
編曲作業に入る前に曲のジャンルやテーマを決めるのですが、決めたジャンルやテーマの中から参考とする既存曲を2~3曲ピックアップして、それに似た曲を完成形のイメージにすることをおすすめします。
参考とする曲のリズムや楽器構成、コード進行を真似して、少し自分なりにアレンジを加えてオリジナル曲を作り上げましょう!
(3)複雑に作ろうとしている
音楽初心者で作業が思うように進まない人ほど、複雑に難しく作ろうとする傾向があります。
音楽知識や編曲スキルが伴っていなければ、余程音楽センスが非凡なものでない限り、プロの編曲家のような曲を作ることは困難です。
いきなり複雑なコードをいくつも使った曲を目指すと、音をまとめるのが難しくなり何をすればよいのか分からなくなります。
実際はコードが3つもあれば1曲を作ることは可能なので、ダイアトニックコードの中からいくつかピックアップしそれを使った曲を作るなど、編曲はシンプルに考えましょう。
何曲も作り上げ編曲作業に慣れたら、複雑なコードやリズムを組み合わせるなど、難易度を上げて挑戦してみてください。
なお、編曲家を目指したいという人がいれば、以下の記事に編曲家になる方法を紹介しているので、あわせてご覧ください。
まとめ
コツさえ把握していれば音楽初心者でも編曲をすることが可能です。
リズムを先に作ったり、ダイアトニックコードの中からコードを選んだりするなど、基本的なことをするだけでも作業の進捗状況が改善されます。
今回紹介した編曲作業が進まない人の3つの特徴に該当している人は、考え方を変えるだけで作業が進む場合があるので、難しく考えすぎないようにしましょう。
なお、どうしても編曲が上手くいかない人は業者に依頼することも有効です。
以下の記事に編曲を依頼する方法を紹介しているので、あわせてご覧ください。