「転調ってどうやってやるの?」
「転調をするときのキーを選ぶ基準は何なの?」
かっこいい曲を作りたくて転調しようと思っている人の中には、転調のやり方が分からずに困っている人も多いのではないでしょうか。
転調作業は複雑そうに感じるかもしれませんが、実は手順を踏んで行えば初心者でも簡単に転調することができるのです!
本記事では、転調のやり方や転調に向いている調(キー)を紹介します。
この記事を読んで、転調のやり方を学んで作曲スキルを向上させましょう!
なお、作曲のやり方は以下の記事で紹介しているので、あわせてご覧ください!
目次
1.転調とは
転調とは曲の途中でキーを変えることです。
転調することで曲にメリハリが生まれ、リスナーを飽きさせない効果があります。
最後のサビの繰り返しのときに転調することで、最高潮な盛り上がりをラストに持ってくることが可能です。
部分転調(部分的に転調すること)をしている曲もありますが、一般的にラストのサビに半音上げる転調が使われることが多い傾向があります。
2.転調のやり方3ステップ
転調のやり方を紹介します。
転調の手順は以下の通りです。
順に紹介するので、この流れに沿って作業を進めてみましょう!
なお、作曲の作業が進まない人は、作曲のコツについて以下の記事で紹介しているので、あわせてご覧ください!
(1)転調する部分を度数表記にする
転調したい部分のコードを度数(ディグリー)表記にします。
度数表記とは「ドレミファソラシ」と聴こえる音の連なり(スケール)のことで、表記はローマ字です。
度数表記にするときは以下のスケール表を参考にしてください。
キーコード | Ⅰ | Ⅱ | Ⅲ | Ⅳ | Ⅴ | Ⅵ | Ⅶ |
---|---|---|---|---|---|---|---|
C(ド) | C | D | E | F | G | A | B |
D(レ) | D | E | F♯ | G | A | B | C♯ |
E(ミ) | E | F♯ | G♯ | A | B | C♯ | D♯ |
F(ファ) | F | G | A | B♭ | C | D | E |
G(ソ) | G | A | B | C | D | E | F♯ |
A(ラ) | A | B | C♯ | D | E | F♯ | G♯ |
B(シ) | B | C♯ | D♯ | E | F♯ | G♯ | A♯ |
たとえば、キーがCの「C→F→G」というコード進行があったとすると、Cは1番目、Fは4番目、Gは5番目の音階なので、度数表記は「Ⅰ→Ⅳ→Ⅴ」となります。
度数表記をすることで、転調後のキーのダイアトニックコードの中から当てはめるだけで、転調後のコード進行を作ることが可能です。
コード進行が完成していれば作業は簡単なので、転調したい部分を度数表記しておきましょう!
(2)キーを切り替える
転調したい部分を度数表記にしたら、転調後のキーを決めて切り替えます。
転調前のキーから別のキーに切り替えるときは、転調前と転調後のキーの相性を考慮することが重要です。
たとえば、CとGのスケールを比べると、Fの部分が異なるだけでほとんど同じ音を使っているので、CからGに転調しても違和感を抱きにくい特徴があります。
一方で、FとBは同じ音が1つしかないので、FからBに転調するとリスナーは音が外れたような感覚になる可能性が高いです。
転調するときのキーは何でも良いわけではなく、転調前と転調後の使用する音の違いが少ないものにしましょう!
(3)切り替えたキーに合わせて度数をコードに変える
切り替えるキーを決めたら、キーに合わせて度数表記に音を入れていきましょう。
度数に音を入れるときは、コード表記に気をつけることがポイントです。
たとえば、「Ⅱm→Ⅵm→Ⅴ」のコード進行をGに転調する場合は、マイナー表記を忘れないように「Am→Em→D」となります。
度数表記を音名にするときに♯やmなど記号を忘れがちなので、正確にコードを変更しましょう。
3.初心者におすすめの転調に向いている3つの調(キー)
転調におすすめの調(キー)を紹介します。
初心者におすすめの違和感なく転調できるキーの組み合わせは以下の3つです。
順に紹介するので、転調をするときのキー選びの参考にしてください!
(1)平行調
転調で相性の良いおすすめのキーは平行調です。
平行調とは、コードを構成する音が同じメジャーキーとマイナーキーの2つのペアのことをいいます。
コード構成音が同じキーのペアは五度圏表を確認することで見つけることが可能です。
五度圏表とはメジャーキー(外側)とマイナーキー(内側)をそれぞれ12個ずつ並べた環状の図のことで、隣にずれるたびに5度上昇(右)・下降(左)するようになっています。
同じ方向に位置するそれぞれのキーが同じ構成音になっており、たとえば、「CとAm」「DとBm」のように外側のキーと内側のキーのペアが平行調です。
平行調は転調に使われることが多いので、少なくとも「C・D・E・F・G・A・B」のメジャーキーのペアが何のキーなのか把握しておきましょう!
(2)属調・下属調
属調・下属調も転調におすすめの調です。
属調はあるキーを基準にした完全5度上のキー、下属調はあるキーを基準にした完全4度下のキーを言います。
五度圏表では隣り合わせになっており、あるキーの右側のキーが属調、左側のキーが下属調です。
たとえば、Aの属調はEで、下属調はDとなります。
属調や下属調は構成音の違いが1つしかないので、相性が良く転調しやすいです。
見つけやすくシンプルなので、初心者におすすめですよ!
(3)同主調
同主調も転調しやすい特徴があります。
同主調とはルート音が同じメジャーキーとマイナーキーの組み合わせのことです。
たとえば、Gの同主調はGm、Amの同主調はAのように同じルート音のメジャーキーとマイナーキーの組み合わせになります。
メジャーキーとマイナーキーを構成する音は異なりますが、同じルート音であれば転調しても音の感覚が安定します。
平行調や属調・下属調だけで物足りない人は、同主調も使ってみましょう!
まとめ
転調は初心者にとってハードルが高いように感じるかもしれませんが、転調のやり方はシンプルです。
度数表記にして転調後のキーに合わせて音を入れていくだけなので、何度も作業を繰り返し転調に慣れることをおすすめします。
今回紹介した転調のやり方や初心者におすすめの3つのキーを参考にして、作曲スキルを上げましょう!
なお、楽曲のクオリティを上げるために編曲をしたい人は、以下の記事で編曲のやり方を紹介しているので、あわせてご覧ください。