「久石譲はジブリ映画のどの作品に携わったのだろう」
「久石譲とジブリ音楽の関わりを知りたい!」
久石譲が手掛けたジブリ音楽はどれだけあるのか気になりますよね。
本記事では、久石譲が手掛けたスタジオジブリ11作品とその制作の裏側まで紹介します。
この記事を読んでジブリ音楽について詳しくなったり、自身の楽曲制作や音楽活動に役立ててたりしましょう!
以下の記事では、久石譲の天才ぶりについて解説しているので参考にしてください。
目次
1.久石譲とスタジオジブリ11作品一覧
引用元:株式会社フジパシフィックミュージック
久石譲とジブリ音楽との繋がりは約30年に及び、現在までに手掛けた作品は11作品あります。
『風の谷のナウシカ』の音楽担当を皮切りに宮崎駿監督と長編映画全10作でコンビを組み、2013年には『かぐや姫の物語』で高畑勲監督と初タッグを果たしました。
久石譲のジブリ音楽は日本国内だけでなく海外でも高い評価を得ており、世界的な成功を収めています。
どれも一度は耳にしたことがあるかもしれませんが、改めて聴くことで新しい発見や感動が見つかるかもしれませんよ!
(1)『風の谷のナウシカ』(1984年)
引用元:スタジオジブリ
『風の谷のナウシカ』は久石譲にとって初めてのジブリ作品です。
久石譲が1982年に発表したソロアルバム「INFORMATION」がきっかけとなり、宮崎駿監督から依頼を受けました。
『風の谷のナウシカ』の楽曲では、音の動きを最小限に抑えパターン化された音型を反復させるミニマル・ミュージックを取り入れていることが特徴です。
シンプルなメロディーやリズムのパターンを繰り返すことで、聴き手をじっくり心地の良い世界へ連れて行ってくれます。
『風の谷のナウシカ』の代表曲は「ナウシカ・レクイエム」で、印象的なメロディ「ラン・ランララ・ランランラン…」を歌っているのは久石譲の娘・麻衣(当時4歳)です。
久石譲が曲のイメージを伝えるためのデモテープとして愛娘の仮歌を録音したところ、そのメロディと声を聴いた宮崎駿監督が絶賛し即決したというエピソードがあります。
(2)『天空の城ラピュタ』(1986年)
引用元:スタジオジブリ
2作目は『天空の城ラピュタ』です。
スタジオジブリ設立後の最初の作品が『天空の城ラピュタ』で、宮崎駿監督が久石譲の続投を強く望んだため、ふたりは再びタッグを組むことになりました。
久石譲はこの作品でオーケストラを主体とした「冒険活劇の映画音楽」に初めてチャレンジしています。
主題歌となった「君をのせて」はピアノの音で始まり、その後に続く管楽器が序々に盛り上げるドラマチックな構成が魅力です。
「君をのせて」のメロディパートは映画の中で何度も登場し、それぞれのシーンを盛り上げる効果を担っています。
(3)『となりのトトロ』(1988年)
引用元:スタジオジブリ
3作目は『となりのトトロ』です。
『となりのトトロ』は童心を思い出すストーリーですが、ほのぼのとした温かさをもつ久石譲の音楽が加わることで、より叙情的な雰囲気を形成しています。
オープニング曲の「さんぽ」では「歩こう、歩こう〜」、エンディング曲の「となりのトトロ」では「となりのトットロ、トット〜ロ!」という独創的なリズム感とメロディーが耳に残ります。
「さんぽ」も「となりのトトロ」は映画のヒットと共に歌い継がれる名曲となり、今でも多くの人に親しまれています。
(4)『魔女の宅急便』(1989年)
引用元:スタジオジブリ
4作目は『魔女の宅急便』です。
この映画の舞台はヨーロッパをイメージした都市であることから、ヨーロッパ色の強い音楽に仕上がっています。
草むらで寝転んでラジオを聴いていたキキが走って家に戻るシーンで使われている「晴れた日に…」は、リコーダーやアコーディオンが演奏するワルツで、3拍子のリズムからはのどかさと躍動感を同時に感じることができます。
また、都会へ旅立ったホウキに乗ったキキがコリコの街を飛び回る際に流れる「海の見える街」では、メロディを聴けば自然とその情景が思い浮かんでくることでしょう。
(5)『紅の豚』(1992年)
引用元:スタジオジブリ
5作目は『紅の豚』です。
この作品では『魔女の宅急便』でのヨーロッパ色を一段と深めています。
軍楽隊のマーチや1920年代を彷彿とさせるジャズ、それにタンゴなどイタリア的な色彩感に満ちあふれ、今にも爽やかで心地よい風がアドリア海から漂ってくるようです。
「遠き時代を求めて」は始めは管楽器が中心ですが、だんだんオーケストラを総動員させて壮大に盛り上がり、最後はピッコロの演奏で静かに終わります。
そのメロディは明るいですが、どことなく懐かしくもあり感動的とも言えるでしょう。
(6)『もののけ姫』(1997年)
引用元:スタジオジブリ
6作目は公開当時、日本の映画興行新記録を樹立した「もののけ姫」です。
映画の成功と同時にサントラ盤と主題歌シングルCDが共に50万枚以上の売上を記録するなど、音楽面でも大きな話題になりました。
和太鼓を使った映画冒頭の「タタリ神」は不気味さを上手く表現しており、さらに後半部分のアシタカがタタリ神と戦っているシーンでは緊迫感を表す音楽に仕上がっています。
また、落ち着いたメロディーの「アシタカとサン」はこれまでの緊張した雰囲気とはがらりと変わり、主人公たちの心に張りつめていたものが解け、穏やかな気持ちに変わってゆく様子を上手く表しています。
(7)『千と千尋の神隠し』(2001年)
引用元:スタジオジブリ
7作目は『千と千尋の神隠し』です。
この作品で久石譲は重量感あふれる巨大なオーケストラとアジアの民俗音楽を融合させる新たな試みをしています。
それによってカラフルなリズムと荘厳な響きを生み出すこと成功しました。
映画楽曲内でバリ島の音楽、沖縄民謡、中近東やアフリカの楽器などを使っていることに対して、後のインタビューで以下のように語っています。
「作品自体が限定した空間のリアリティを求めているものじゃないですから、いろんなものを使うことによって閉じた感じをなくしてどんどん広がりを出す。そのための手段として使った。」
特にテーマ曲の「あの日の川へ」の優しさに満ちた美しいメロディは、心に染み入る名曲に仕上がっています。
(8)『ハウルの動く城』(2004年)
引用元:スタジオジブリ
8作目は『ハウルの動く城』です。
『ハウルの動く城』はこれまでの作品と大きく異なっており、音楽の大半がメインテーマに基づくヴァリエーションで書かれています。
1曲のテーマ曲に対して、同じ曲であるとは思えないほど変奏し、それぞれが違った魅力を持っています。
このメインテーマである3拍子のワルツは、宮崎駿監督によって「人生のメリーゴーランド」と命名されました。
(9)『崖の上のポニョ』(2008年)
引用元:スタジオジブリ
9作目は『崖の上のポニョ』です。
『崖の上のポニョ』では、これまでの宮崎駿作品で最大の編成となる三管編成のオーケストラが録音に用いられたほか、混声合唱が初めて導入されています。
また、「ポ~ニョ ポニョ ポニョ さかなの子~」というキャッチーな歌詞と可愛い振り付けが大ヒットしました。
久石譲が生み出す色彩豊かなメロディこそが、宮崎駿監督がイメージする壮大な世界観を創り上げる重要な要素になっていると言えるでしょう。
(10)『風立ちぬ』(2013年)
引用元:スタジオジブリ
10作目は『風立ちぬ』です。
オーケストラを小さな編成にし、さらにロシアのバラライカやバヤンなどの民族楽器やアコーディオンやギターといったいわゆるオーケストラ的ではないを音を取り入れています。
『風立ちぬ』のテーマは「旅」であることから、メインテーマ「旅路」ではストーリー展開やそのシーンに寄り添うように、楽器とその音色を使い分けながら色彩豊かに情感を表現しています。
制作期間は約2年にも及び、日本とイタリア、夢と現実、男と女、生と死と言った二極的な世界を表現することにこだわりました。
(11)『かぐや姫の物語』(2013年)
引用元:スタジオジブリ
11作目は『かぐや姫の物語』で、映画音楽は高畑勲監督と初タッグを果たしました。
主題歌となった「いのちの記憶」では二階堂和美の澄んだ歌声が印象的です。
本作を制作中に東日本大震災が起きましたが、高畑勲監督はインタビューで以下のように語っています。
「自分は演出家として責任を果たすことが出来るのかという疑問を感じていたが、『いのちの記憶』を聴いて、その疑問は消えた。この曲のおかげで『かぐや姫の物語』が、3.11以降に相応しい、人間と地球の連帯を表す映画になると確信した」
高畑監督久石譲の信頼感がよく分かるコメントで今後のジブリ映画にも期待が持てます。
まとめ
この記事では、久石譲の音楽の中からスタジオジブリ作品について紹介しました。
久石譲は国内だけでなく、世界で活躍する天才的な音楽家です。
スタジオジブリ作品における久石譲の音楽について理解したら、ぜひ今後の曲作りや音楽活動に役立ててください!
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