「作曲と編曲って何が違うの?」
「どちらも出来なきゃだめ?」
このように、作曲と編曲の違いについて知りたいという方は多いでしょう。
実は、作曲と編曲には明確な違いがあり、求められるスキルも変わってきます。
この記事で作曲と編曲の違いを知り、将来的にどちらのスキルも身につけられるようにしましょう。
以下の記事でも編曲について紹介しているので一緒にご覧ください。
目次
1.作曲と編曲の違いとは?
まず最初に作曲と編曲の違いについて紹介します。
それぞれの作業で行うことを分けて紹介するので、作曲と編曲の違いについて把握し、音楽活動に活かせるようにしましょう。
順に紹介します。
(1)作曲で行う主な作業
順に紹介します。
#1:メロディ作成
メロディとは主にボーカルが歌う部分で、主旋律とも呼ばれます。
曲の中心となる部分で、一般の人々に受け入れられる曲を作るには、メロディのインパクトが強かったり、キャッチーで覚えやすい特徴などを持っていることが必要です。
作曲初心者であれば、まずはメロディのみの作成から取りかかることでスムーズに作曲を勉強できるでしょう。
#2:コード進行の作成
もう一つは「コード進行」です。
この言葉自体は聞いたことがあっても、内容はよくわからないという方も多いのではないでしょうか。
そもそもコード進行を理解する前に「コード」について知る必要があります。
「コード」とは、主に3つ以上の音が重なることで出来上がる、音を合体させたときの響きのことを言います。
基本的にコードは「メジャーコード」と「マイナーコード」に分けることができ、前者は基本的に明るい響きを持っており、後者は物寂しげで暗い印象の響きをしているのが特徴です。
これらのコードはそれぞれ違う響きを持っており、上手く並べて順番に弾いていくことでコードが進行していき、曲中の起承転結を表現できる「コード進行」となります。
このように、違うコードを順番に鳴らし、曲の展開を作り上げるのがコード進行の役目です。
曲を聴いていると、静かで何かへの想いを秘めているような部分もあれば、感情が爆発して一気に曲が盛り上がる部分など、様々な展開を楽しむことができますよね。
こういった曲の雰囲気や展開などは基本的に「コード進行」が演出しているのです。
曲の主役であるメロディと、その主役を支える大黒柱であるコード進行を作るのが「作曲」工程で行う主な作業となります。
(2)編曲で行う主な作業
編曲で行う主な作業は、作曲段階でできた曲の肉付けです。
具体的に言えばどのような楽器を使い、どのような雰囲気で、どのようなテンポで、など作曲段階でできた曲の原型は留めながらも、曲のテイストや楽器の編成などを決めていきます。
場合によっては編曲の際にコード進行などを決めることもありますが、基本的に編曲工程は楽器などによる肉付けの工程であると考えてください。
例えば、ギターの音色はどのようなものにするか、歪み(ひずみ)の強いロックやメタル調にするのか、それともファンクやR&Bに寄せて小気味良い音色にするか、またギターソロはどのように入れるかなどを考える工程が編曲です。
他にもヴァイオリンやチェロといったストリングス系の楽器やピアノの有無、木琴や鉄琴を使ってみようだとか、民族楽器の不思議な音色を取り入れてみようなど、あらゆる楽器の可能性を試し、曲の世界観を作り上げていきます。
作曲の際には必ずメロディの作成という工程がありますが、編曲は場合によって増える工程もあれば減る工程なども存在し、作曲と比べてより定義が曖昧となっているのです。
実は名曲の有名なイントロが作曲者ではなく編曲者が作っていたということも多々あるくらい、曲を作る工程において編曲は重要であると言えます。
以下の記事では編曲についてより詳しく紹介しているのでぜひご覧ください。
2.音楽初心者が挑戦しやすいのは作曲!
音楽初心者が挑戦しやすいのは作曲です。
編曲は上記でも記載したように、作曲段階でできた曲の原型を留めながら更に音楽的に発展させていく作業となっています。
この作業を行うには、音楽知識はもちろんのこと、様々な音楽ジャンルや楽器の知識、また演奏スキルなども必要です。
しかし、作曲はメロディとコード進行を考えるための知識を身につけていれば音楽初心者でもチャレンジすることができます。
まずは作曲と編曲の違いについて把握し、音楽初心者のうちに何を行うべきか判断して作曲を始めるようにしましょう。
以下の記事で、メロディとコード進行を考えるための知識を学ぶことができます。
3.作曲家として活動していくには編曲スキルも必要になる
プロの作曲家として活動していくには、編曲スキルも求められる時代となりました。
これにはいくつかの理由がありますが、一番の理由は作曲の大衆化です。
一昔前までは、作曲を行うのにも高価な機材を揃えたりする必要があり、なかなか大衆に作曲活動が広がることはありませんでした。
しかし、現在は無料で作曲ができるアプリが配信されているほど、どんな人でも作曲に挑戦できる環境に変化しています。
こういったアプリやソフトには様々な楽器の音などが収録されているため、本物の楽器を持っていなくても作曲だけでなく、編曲までできてしまうのです。
また、作曲家が編曲も行う場合は、楽器演奏も作曲家が行い、録音まで行うということも多々あります。
このように、音楽の作成が容易になったことで、作曲家に求められるスキルも多くなりました。
もし、将来作曲家として本格的に活動したいと考えているのであれば、勉強の仕方に工夫を施したり、より視野を広げて音楽を学ぶことが必要になるでしょう。
様々なスキルを身につけて他の作曲家と差別化を図ることが、プロとしての寿命を延ばすことにも繋がるかもしれません。
4.おすすめのDAWソフト2選
おすすめのDAWソフトを2つ紹介します。
そもそもDAWとは、「デジタル・オーディオ・ワークステーション」の略語で、音楽を作成するためのソフトウェアのことを指します。
DTMという言葉を聞いたことのある方もいると思いますが、これは「デスクトップ・ミュージック」の略で、DAWといったソフトなどを利用して音楽を作成する活動のことを言うのです。
DAWでは作曲や編曲を本格的に行うことができ、プロでもDAWを使用して一から音楽を作成することが多々あります。
DAWがあれば個人でも作曲から編曲までこなすことができるので、今後も音楽を続けるのであれば以下を参考にDAWの購入を検討してみてください。
順に紹介します。
(1)Logic Pro X
1つ目のおすすめDAWは、Logic Pro Xです。
Appleによって開発されたDAWの一種で、MacOSで使うことができます。
有名なApple社のDAWにGarage Bandがありますが、Logic Pro Xはこれの上位機種に位置しているのです。
価格は24,000円とDAWの中では安価ながらもクオリティは高く、他の商品と比べても劣る点はありません。
また最初から付属しているシンセサイザー音源の多さも評価が高く、追加で音源を購入しなくても様々なジャンルの音楽を作成できます。
Apple社の作る各デバイスと同様に、Logic Pro Xも洗練されたデザインが施されており、見た目からも作曲や編曲のモチベーションアップを図ることができるでしょう。
- 開発:Apple
- 対応OS:macOS
- 価格:24,000円(税込)
- 特徴:DAWの中ではかなり安い。付属しているソフトシンセの質が高く、途中で音源を購入しなくても各ジャンルの音楽に対応できる。
- 公式サイト:https://www.apple.com/jp/logic-pro/
(2)Studio One
2つ目のおすすめDAWは、Studio Oneです。
PreSonusの開発で、こちらもLogic Pro X同様にDAWの中でトップクラスの人気を誇る定番商品です。
なんと言ってもStudio Oneには無償版が存在するため、音楽初心者でもすぐにDAWに触れることができ、作曲にチャレンジすることができます。
操作性が高く、機械に対して苦手なイメージを持っている方でも直感的に作曲を進めていくことが可能です。
また、動作や容量が軽く、スペックの低いパソコンでも使いやすいのもポイントです。
DAWのようなソフトウェアは容量が重く、スペックが高いパソコンでないとスムーズに操作できないことが多々ありますが、Studio Oneはノートパソコンなどでも使えることが多いのが嬉しいポイントとなっています。
作曲初心者の方がいきなりDAWのために高価なパソコンを購入するのは難しいと思いますが、Studio Oneであれば低価格のパソコンでも音楽活動を始められるかもしれません。
必要なメモリや容量などを必ず確認した上でStudio Oneの購入を検討しつつ、まずは無償版でStudio Oneの性能を確認しながらDAWの魅力を知り、DTMを楽しめるようになりましょう。
- 開発:PreSonus
- 対応OS:Windows/Mac
- 価格:40,556円(Studio One 4 Professional日本語版)(税抜)
- 特徴:操作性が良く、スペックによっては低価格PCでも使える。無償版でも問題なく音楽制作でき、直感的な操作が可能。
- 公式サイト:https://www.mi7.co.jp/products/presonus/studioone/
以下の記事では、DAWソフトについてより詳しく紹介しているのでぜひご覧ください。
まとめ
今回は、作曲と編曲の違いについて紹介しました。
どちらの言葉を知っていても、具体的な違いまで理解できていた人は少なかったのではないでしょうか。
2つとも定義が曖昧なため、ハッキリと差別化を図ることは難しいですが、大まかに理解しておくだけでも今後の指針を定めるのに役立つでしょう。
この記事でおすすめしたDAWソフトなども活用し、音楽スキルを向上させて曲作りを楽しんでください。
以下の記事では編曲家について紹介しているので、ぜひご覧ください。