「ちりめんビブラートとはどんな歌い方?」
「ちりめんビブラートを上手に歌いこなす有名なアーティストは誰?」
このように悩んでいませんか?
ちりめんビブラートとは小刻みに震えるタイプのビブラートのことで、かなり上級者向けのテクニックですが、使いこなせると聴き手に悲しさや切なさを伝えることができます。
今回の記事では、ちりめんビブラートの概要や歌い方3ステップを解説するのに加えて、ちりめんビブラートを使いこなす代表的な2人のアーティストについても紹介します。
この記事を読んでちりめんビブラートについて理解し、ぜひご自身の歌唱にも取り入れてみてください。
目次
1.ちりめんビブラートとは
ちりめんビブラートとは、小刻みに震えるタイプのビブラートのことを指します。
喉を使って声に強弱をつけることで、細かいビブラートを表現する歌唱法です。
ちりめんビブラートをうまく使いこなすことで、テンポの速い曲にアクセントをつけられたり、テンポの遅い曲に悲しみや切なさを表現させることができます。
ちりめんビブラートにチャレンジする人はかなり少ないため、習得すれば個性的でオリジナリティーのある歌い方を手に入れることが可能です。
しかし、ちりめんビブラートは小刻みに震えるという性質から緊張して震えているようにも聴こえ、ともすれば不自然・不安定な歌声に思われたり、耳障りに感じられるリスクがあります。
そのため、ボイストレーナーによってはちりめんビブラートを歌うことを推奨していないケースも多くあります。
このように、ちりめんビブラートは小刻みに震えるタイプのビブラートのことで、慣れない人が使うと耳障りになる可能性のある難易度の高い歌唱法です。
ビブラートは大きく分けて4つの種類に分けられ、今回紹介するちりめんビブラートはその中の1つという位置づけになります。
ビブラートの4つの種類とそれぞれの特徴をまとめたのが以下の表です。
ビブラートの種類 | 特徴 |
---|---|
間隔が短く揺れ幅が小さい | ちりめんビブラートと呼ばれる。小刻みに震えさせることで、主に切なさや悲しみを表現する。 |
間隔が長く揺れ幅が小さい | J-POPを中心に最も良く使われる。はっきりとビブラートが聴こえ、ゆったりしたテンポの時に使われることが多い。サビの余韻を表現するのにも適している。 |
間隔が短く揺れ幅が大きい | わんわん聴こえる。伝統音楽や民謡に使われやすい。 |
間隔が長く揺れ幅が大きい | 演歌に使われやすい。存在感が大きく、ゆったりしたバラードなどに適している。 |
このように、ビブラートには大きく4つの種類があり、それぞれの種類によって使用されるジャンルや効果が異なります。
2.ちりめんビブラートの歌い方3ステップ
次に、ちりめんビブラートの歌い方を以下の3つのステップに分けて説明します。
- 上半身をリラックスさせて発声する
- 多めの息でひそひそ声で発声する
- しっかりした発声とひそひそ声の発声をつなげる
ちりめんビブラートは喉を使うビブラートですので、喉を動かすことを意識しながら練習すると良いでしょう。
順番に説明します。
ステップ1:上半身をリラックスさせて発声する
ちりめんビブラートの歌い方の第1ステップとして、上半身をリラックスさせて発声することが挙げられます。
ちりめんビブラートをマスターする上では、無駄に力まずリラックスすることが非常に重要です。
上半身をリラックスさせた状態で、「あーーーー」としっかりした声で長めに発声します。
途中で音程を変えることなく、一定にまっすぐ声を出すことを意識しましょう。
このように、ちりめんビブラートを出すためには、力まずリラックスした状態で安定した長い発声を練習します。
ステップ2:多めの息でひそひそ声で発声する
ちりめんビブラートの歌い方の第2ステップとして、多めの息でひそひそ声で発声することが挙げられます。
ステップ1で一定にまっすぐ声を出せるようになったら、今度は同様の発声をひそひそ声(ウィスパーボイス)で出せるように練習します。
息を多めに入れて声を出すイメージです。
今回も同様に、安定した長い発声ができるまで繰り返し練習しましょう。
このように、ちりめんビブラートを出すためには、ひそひそ声でも長く安定した発声ができるよう練習します。
ステップ3:しっかりした発声とひそひそ声の発声をつなげる
ちりめんビブラートの歌い方の第3ステップとして、しっかりした発声とひそひそ声の発声をつなげることが挙げられます。
ステップ1・2で安定した発声ができるようになれば、次はその2つをつなげて発声します。
しっかりと「あーーーー」と発声したら、そのまま息と声は止めずにひそひそ声の「あーー」に移行してみます。
この発声の移行のタイミングで声が震えてビブラートがかかる瞬間がありますが、この感覚がまさしくちりめんビブラートなのです。
2種類の発声を何度も繰り返し、ビブラートのポイントを掴んでください。
このように、しっかりした発声とひそひそ声の発声を繰り返し、移行のタイミングで発生するちりめんビブラートの感覚を掴みましょう。
3.ちりめんビブラートで歌う代表的な2人のアーティスト
最後に、ちりめんビブラートで歌う代表的な歌手を以下の2名紹介します。
- 宇多田ヒカル
- GACKT
順番に説明します。
(1)宇多田ヒカル
ちりめんビブラートで歌う代表的な歌手の1人目に、宇多田ヒカルさんが挙げられます。
宇多田ヒカルさん独特の少し震えたようにも聞こえる歌声は、ちりめんビブラートの代名詞と言われるほどで、その繊細で表情豊かな世界観が多くの聴衆を虜にし続けています。
例えばFirst Loveの歌い出しでは、以下の歌詞の黄色部分がちりめんビブラートで歌われています。
“最後のキスは たばこのFlavor がした
にがくて 切ない 香り
明日の いまごろには
あなたは どこにいるんだろう”
ちりめんビブラートで歌うことにより、切なく繊細な様子が伝わってきますよね。
このように、宇多田ヒカルさんと言えばちりめんビブラートの代名詞と言われるほど、さまざまな楽曲でちりめんビブラートが効果的に使っています。
(2)GACKT
ちりめんビブラートで歌う代表的な歌手の2人目に、GACKTさんが挙げられます。
GACKTさんは、激しい曲・バラード曲に関わらず、その歌詞の終わりに来るロングトーンの部分でちりめんビブラートを多用しています。
強弱の使い分けはあるものの、どの曲でもビブラートの波の周期が一定であることから、ちりめんビブラート=GACKTさんの歌い方という印象がありますよね。
その他にも、GACKTさんは胸筋の響きを広範囲に取り入れており、低音域がクリアなのはもちろんのこと、高音域でも声が鋭くくっきりしているという特徴もあります。
このように、GACKTさんはさまざまな楽曲のフレーズを伸ばす部分でちりめんビブラートを多用するアーティストです。
まとめ
今回の記事では、ちりめんビブラートの概要や歌い方3ステップを解説するのに加えて、ちりめんビブラートを使いこなす代表的な2人のアーティストについても紹介しました。
ちりめんビブラートとは小刻みに震えるタイプのビブラートのことで、かなり上級者向けのテクニックですが、使いこなせると聴き手に切なさや悲しさを伝えることができます。
この記事を読んでちりめんビブラートについて理解し、ぜひご自身の歌唱にも取り入れてみてください。