「ボーカルミックスって具体的に何をしたら良いの?」
「ボーカル音源にエフェクトをかけて、おしゃれな印象にしたい!」
ボーカルミックスは、音源の調整作業や無駄な音を無くして、聴きやすくする調整作業のことです。
しかし、初心者は周波数やエフェクトの意味が分からず、何から手をつけて良いか分からないでしょう。
そこで今回は、ボーカルミックスの概要や具体的にする処理、基本的な手順を解説していきます。
最後まで読めば、ひととおりのボーカルミックスの作業が理解でき、納得のいくボーカルミックスができるでしょう。
目次
1.ボーカルミックスとは
ボーカルミックスとは、レコーディングしたボーカル音声の調整を行う作業全般を意味します。
具体的な目的と、実際にする処理は以下のようなものです。
- ボーカルミックスの目的
- ボーカルミックスで行うこと
それぞれ説明していきます。
(1)ボーカルミックスの目的
ボーカルミックスの目的は、録音した音源のノイズを処理したり、ピッチを調整して、音色を作ることです。
録音したままの音声は、ただ声を記録しただけの状態。
エフェクトをかけたり、ハモリをつけることで、音にアクセントや奥行きを出します。
また、録音の際に入ってしまった雑音を処理すれば、聴いていて違和感や不快感を感じることもなくなるでしょう。
(2)ボーカルミックスで行うこと
ボーカルミックスで行うことを具体的に説明します。
- ノイズ処理
- ピッチ・タイミングの補正作業
- ハモリの作成
- エフェクト・バランス調整
- 音圧の調整
最初のうちは、ボーカルミックスで何をしたら良いのかも具体的に分からないと思いますが、1ステップずつ行ってみてください。
1つずつ説明していきます。
#1:ノイズ処理
ボーカルミックスで行う1つ目のことは、ノイズ処理です。
スタジオ等では軽微な処理ですみますが、自宅で録音の場合は生活音や時計の音が意外と入ってしまいます。
録音の際に入ってしまったノイズを消して、ボーカルだけの状態にする作業を行いましょう。
#2:ピッチ・タイミングの補正作業
ボーカルミックスで行う2つ目のことは、ピッチ・タイミングの補正作業です。
録音を聴いてピッチが揺れてしまっている部分を修正したり、タイミングを修正して、人間が心地よいと感じるリズムへ修正します。
実際に音源を聴いて、ピッチとタイミングが不自然だと感じる部分を直しましょう。
#3:ハモリの作成
ボーカルミックスで行う3つ目のことは、ハモリの作成です。
サビ部分など、印象を深めたい部分にハモリを作り、音楽に深みを持たせます。
ハモリの作り方は、ツールで音程を下げることで簡単に作成可能です。
詳しいハモリの作り方については、以下の記事で紹介しています。
#4:エフェクト・バランス調整
ボーカルミックスで行う4つ目のことは、エフェクト・バランス調整です。
ボーカルにエフェクトをかけたり、音量バランスを整えていきます。
エフェクトをかけることで、ボーカルにエコーをかけたり、残響を意図的に作り出すなど、さまざまなエフェクトを試してみましょう。
エフェクト・バランス調整は、歌声の響きの統一や、歌とバック音源とのなじみなど、幅広い役割を担います。
#5:音圧の調整
ボーカルミックスで行う5つ目のことは、音圧の調整です。
音を圧縮して、基準の音量を超える信号を小さくして、全体の音量を揃えます。
録音音源はどうしても、音量が大きくなったり小さくなったりするもの。
全体の音量を揃えれば、耳にも心地よく、バック音源に負けてボーカルが全く聞こえなくなるという事象をなくせるでしょう。
2.ボーカルミックスの具体的なやり方
ボーカルミックスの具体的なやり方を説明します。
- ノイズの除去を行う
- 音程やリズムのずれを修正する
- 音量の調整を行う
- EQで音質を調整する
- コンプレッションで音圧を調整する
- 必要に応じてサチレーション・ディレイ・リバーブを行う
1ステップずつ説明していきます。
(1)ノイズの除去を行う
まずは、ノイズ除去ソフト等を使って、ノイズの除去を行います。
レコーディングの時に混入する、歯が擦れる音や口から発するペチャペチャ音、外部のノイズを消していきましょう。
ボーカルの音域とは別に表示される周波数帯を絞り、削除していく作業をしましょう。
(2)音程やリズムのずれを修正する
次に、音程やリズムのずれを修正します。
歌っているうちに、不自然に音程がずれた部分などは、補正していきましょう。
また、ギターなどの楽器のチューニングのずれ等も、ここで修正できます。
そのほか、ケロケロボイスというロボットのような声への変換をしたい場合も、ピッチ補正で行いましょう。
(3)音量の調整を行う
全体の音量の調整を行い、統一した音量に変更しましょう。
ボーカルは、怨霊の大小の差が出やすいので、調整をしておかないとボーカルが聞こえない箇所が生まれる可能性があります。
最近のボーカルミックスソフトでは、オートメーションでボーカル音量を調整してくれるので、ワンタッチで調節が可能です。
自分で行う場合は、オーディオをクリップごとに分割し、それぞれのクリップの音量を調整しても良いでしょう。
(4)EQで音質を調整する
EQ(イラコイザー)を使い、音質の平均化と音質の調整を行いましょう。
EQWの役割は特定の周波数帯域を強調・減衰することです。
使い方の基本は、不要な音の音量を下げること。
そのほかギターのハウリング等を調整もできます。
(5)コンプレッションで音圧を調整する
コンプレッションで音圧を調整しましょう。
コンプレッションとは、音をまとめて迫力を持たせたり、聞こえづらい小さな音を際立たせる作業です。
音をまとめて、小さな音量で音楽を聴いたときに聞こえづらい、細かな表現などを際立たせましょう。
また、音量のバランスを整えることで、ばらつきがなくなり、聴きやすい音楽になります。
(6)必要に応じてサチレーション・ディレイ&リバーブを行う
ボーカル音源の各種調整を行ったら、必要に応じて、以下のエフェクトを使いましょう。
- サチュレーション…意図的に音の歪みを発生させて音に温かみ・存在感を高める
- ディレイ&リバーブ…トラックのテンポに合わせて調整して音のメリハリ・雰囲気を変える
お使いのソフトによっては、ディレイ&リバーブはオートメーションで調整もできます。
デジタル音源は特に、直線的で機械的な音声になりがちですが、サチュレーションであえて歪みを与えると音声の温かみが増したり、存在感を高められます。
エフェクトは、かけすぎると不自然な印象を与えたり、音が聞こえなくなるリスクもあるので、何度も耳で聴きながら調整しましょう。
音声編集ソフトを複数使い分ける人もいますが、初心者はマルチな機能を持つソフトがおすすめ。
ここまでの作業を行える、編集ソフトを無料・有料含めて紹介している記事もあるので、参考にしてください。
まとめ
ボーカルミックスを行うことで、録音時に生じたノイズや音域の調整を行い、聴きやすく音に深みを持たせられます。
最初は何をして良いか分からないと思いますが、まずはノイズを消して、音量を調整していきましょう。
最終的に、音源を通しで聴いてみて、必要だと思えばエフェクトを利用するなど工夫を重ねてみてください。
記事の中で紹介した作業を行えるツールへのリンクも貼っておきましたので、参照して、使いやすいソフトを試してみましょう。
ボーカルミックスをマスターして、さらに自分が納得のいく音源を作れるようになってくださいね!