「スキャットとはどのような歌唱法?」
「スキャットが取り入れられている代表的な曲は何?」
このように悩んでいませんか?
スキャットとは意味のない音をメロディーにあわせて即興で歌う歌唱法で、ジャズなどの音楽に取り入れることで独特のこなれ感を演出することができます。
今回の記事では、スキャットの概要やスキャットを上手く歌うための3つのポイントを紹介するとともに、スキャットが取り入れられている代表的な楽曲も3曲紹介します。
この記事を読んでスキャットについて理解し、ぜひご自身の歌唱にも取り入れてみてください。
目次
1.スキャットとは
スキャットとは、主にジャズに取り入れられる、意味のない音をメロディーにあわせて即興で歌う歌唱法のことです。
例えば「ダバダバ」「パヤパヤ」「シュビドゥバ」などといった歌い方があります。
アメリカ出身の有名なジャズシンガーであるルイ・アームストロングが、収録中に歌詞を忘れて適当な言葉で歌ったものが、予想外に評判が良く本番でも利用されたのががスキャットの始まりと言われています。
言葉に意味はなく人の声を楽器代わりにして演奏するイメージですので、楽器の経験がない人でも気軽に楽器の感覚を楽しむことが可能です。
ところで、スキャットは即興の歌唱表現であり、決められた型はありません。
とはいえ、でたらめに歌えばよいというものではなく、曲にあったリズムや音程でリラックスして歌うことが大切です。
このように、スキャットは即興で意味のない音を歌う歌唱法で、楽器代わりに誰でも自由に楽しむことができます。
2.スキャットを上手く歌うための3つのポイント
スキャットを上手く歌うためのポイントを以下の3点紹介します。
- 声帯周辺の筋肉をリラックスさせる
- スキャットの代表曲を真似する
- 即興の感覚を楽しむ
順番に説明します。
ポイント1:声帯周辺の筋肉をリラックスさせる
スキャットを上手く歌うためのポイントの1つ目に、声帯周辺の筋肉をリラックスさせることが挙げられます。
スキャットは擬音言葉を早口でリズミカルに歌う必要があります。
そのためには、声帯周辺の筋肉がこわばることなく、リラックスしている必要があるのです。
緊張して筋肉がこわばっていては、舌がもつれたり止まってしまう可能性がありますよね。
このように、スキャットを上手に歌いたければ、力を抜いて声帯周辺の筋肉をリラックスさせることが大切です。
ポイント2:スキャットの代表曲を真似する
スキャットを上手く歌うためのポイントの2つ目に、スキャットの代表曲を真似することが挙げられます。
いきなりオリジナルのスキャットを試してみようとしても、どのように始めていいか戸惑うことでしょう。
そのような時には、まずはスキャットの名曲を聴き、真似してみるのがおすすめです。
ただし、サラっと1,2度聴いてみるだけではなく、しっかりと聴き込むことが大切です。
何度も繰り返し聴きながら、全く同じ歌い方に近づけられるよう真似し続けると、次第にスキャットが自然に歌えるようになってきます。
このように、スキャットを上手に歌いたければ、代表曲をしっかり聴き込み、何度も真似してみるのが良いでしょう。
ポイント3:即興の感覚を楽しむ
スキャットを上手く歌うためのポイントの3つ目に、即興の感覚を楽しむことが挙げられます。
すでに述べた通り、スキャットに決められた型はなく、自らの声を使って楽器のような感覚で自由に楽しむことが大切です。
現時点で即興で歌うことに慣れている人は少ないかもしれませんが、ぜひ「今日は少し音程やリズムを変えてみようかな」などと積極的にチャレンジして即興の感覚に慣れていきましょう。
何度もアレンジを繰り返していくことで、次第にこなれ感も生まれてきます。
このように、スキャットを上手に歌いたければ、こなれ感が生まれるくらいまで積極的にチャレンジし、即興の感覚を楽しむことが大切です。
3.スキャットが取り入れられている代表的な3つの楽曲
最後に、スキャットが取り入れられている代表的な楽曲としては、以下の3曲が挙げられます。
- スキャットマン・ジョン「スキャットマン」
- Me & My「Dub-I-Dub」
- 藤井風「何なんw」
順番に説明します。
(1)スキャットマン・ジョン「スキャットマン」
アメリカ出身のスキャットマン・ジョンが歌う「スキャットマン」は、1995年にリリースされたアルバム「スキャットマンズ・ワールド」内に収録された楽曲です。
「ピーパッパパラッパ」という独自のスキャットが世界中の話題を呼び、アルバムは全世界で600万枚以上を売り上げる大ヒットを遂げました。
スキャットマン・ジョンは自身が吃音症であることを逆手にとり、模倣が難しい独自のスキャット「テクノスキャット」を開拓し、スキャット界のレジェンドと呼ばれるほどの人気を博しました。
楽曲の中でも吃音症の子供たちを励ます歌詞が登場したり、吃音者団体を支援するための基金を設立したりもしています。
テンション高くマシンガンのように繰り返されるスキャットは、疾走感がありかっこいいですよね。
このように、スキャットマン・ジョンのスキャットマンは、独自のスピード感のあるスキャットが世界中から支持されたスキャットの代名詞とも言える楽曲です。
(2)Me & My 「Dub-I-Dub」
デンマーク出身の姉妹であるMe &Myが歌う「Dub-I-Dub」は1995年にリリースされたシングルで、PVでの看護師やバニーガールなどのコスプレが話題を呼び、世界中で人気を博しました。
当時、日本でも150万枚を売り上げる大ヒットを遂げたので、一度は耳にしたことがあるという方も多いでしょう。
サビの部分に「ドュピドュピ」というスキャットが出てきますが、口ずさみやすく、印象に残りやすいですよね。
ノリの良いトランスのビートに小気味の良いメロディが追いかけてきます。
このように、Me &Myが歌う「Dub-I-Dub」は、誰もが一度は耳にしたことのあるノリの良いスキャットユーロビートです。
(3)藤井風「何なんw」
藤井風の「何なんw」は、2019年に自身初のオリジナル音源としてリリースされると邦楽ファンの間で話題となり、YouTube公開後には再生回数2200万円を超える大ヒットを遂げた楽曲です。
「何なんw」はR&Bのサウンドに岡山弁の歌詞という絶妙なバランスが高い評価を受けていますが、この中に日本のポップスでは珍しくスキャットが登場しています。
具体的には大サビ前の4分14秒から、「バラベリン べべレベレン べベレン ババランバ」というスキャットが歌われています。
スキャットは古臭いとかダサいと思っていた人も、藤井風のオシャレなスキャットを聴けばきっとイメージが変わることでしょう。
このように、藤井風の「何なんw」には大サビ前にスキャットが使われており、曲全体に見事なアクセントを演出しています。
まとめ
今回の記事では、スキャットの概要やスキャットを上手く歌うための3つのポイントを紹介するとともに、スキャットが取り入れられている代表的な楽曲も3曲紹介しました。
スキャットとは意味のない音をメロディーにあわせて即興で歌う歌唱法で、ジャズなどの音楽に取り入れることで独特のこなれ感を演出することができます。
この記事を読んでスキャットについて理解し、ぜひご自身の歌唱にも取り入れてみてください。