「特殊なコード進行にはどのようなものがあるの?」
「特殊なコードを覚えるにはどこを意識すればいいの?」
音楽初心者の中には、ある程度一般的なコード進行に慣れてきて、特殊なコードを使って一味違った楽曲を作りたいと思っている人も多いのではないでしょうか。
特殊なコードは多々ありますが、実はコツを押さえるだけで一般的なコード進行と同じように簡単に楽曲に取り入れることができるのです!
本記事では、音楽初心者が知っておくべき特殊なコードや特殊コードを覚えるコツを紹介します。
この記事を読めば、特殊コードを使えるようになって、音楽の表現の幅を広げることができますよ!
なお、以下の記事で定番のコードについて紹介しているので、あわせてご覧ください!
目次
1.特殊なコード進行6選
音楽初心者が知っておくべき特殊コードを紹介します。
今回紹介する特殊コードは以下の6つです。
順に紹介するので、どのようなコード進行があるのかチェックしてみてください!
(1)アレンジするのにぴったりの『分数コード』
分数コードは、ベースラインにアレンジを加えるときによく使われるコードです。
C/Eのように分数で表記されることから分数コードと呼ばれており、他にも「C on E」と表記されることもあります。
この場合、E(ミ)をルート音にしたCのコードを弾くという意味になり、C/EはCと聴き比べるとベース音が上がる分、聴こえ方に少し違いが生じるのです。
たとえば、C→C→Amというコード進行があったとして、C→C/E→Amという分数コードを使ったアレンジをしたとすると、以下のようなベース音の流れになります。
コード進行 | ベース音の流れ |
---|---|
C→C→Am | ド→ド→ラ |
C→C/E→Am | ド→ミ→ラ |
コードの構成音自体に他の音が混ざるわけではないので、聴こえ方に大きな違いは生じませんが、ベースラインに少しの変化を加えることができるため、他の楽曲との差別化を図ることが可能です。
Jpopなどでも使われることが多く、いきものがかりの「ありがとう」などで使われています。
サビの最後の部分でF/Gの分数コードが使われているので、聴いて確認してみてください!
(2)テンションコードとして使える『オーギュメントコード』
オーギュメントコードは、テンションコード(♭13th)に近い響きを持っているのが特徴です。
コードを構成する第5音のみを半音上げたコードで、一般的には○augのように表記されますが、「○+5」と表記されることもあります。
たとえば、Caugのオーギュメントコードの場合の構成音は以下の通りです。
コード | 構成音 |
---|---|
C | C・E・G |
Caug | C・E・G♯ |
オーギュメントコードが使われている代表曲には、槇原敬之さんの「どんなときも」があります。
サビに入る直前にF♯aug/B♯が使われているので、聴いて確かめてみましょう!
(3)構成音が3パターンの『ディミニッシュコード』
ディミニッシュコードは〇dimと表記されるコードで、ルート音を基点に2音飛ばしの音で構成されています。
1オクターブに12音しかないため、以下のように12音を4等分する形になることから、構成音のパターンは3つしかありません。
※スマホで閲覧の場合、下の表は横にスクロールできます。
C | C# | D | D♯ | E | F | F♯ | G | G♯ | A | A♯ | B |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
○ | ○ | ○ | ○ | ||||||||
○ | ○ | ○ | ○ | ||||||||
○ | ○ | ○ | ○ |
したがって、コードのパターンは以下のようになります。
コード | 構成音 |
---|---|
Cdim=D♯dim=F♯dim=Adim | C・D♯・F♯・A |
C♯dim=Edim=Gdim=A♯dim | C♯・E・G・A♯ |
Ddim=Fdim=G♯dim=Bdim | D・F・G♯・B |
ディミニッシュコードの代表曲には、秦基博さんの「ひまわりの約束」があります。
サビの盛り上がり部分にFdimが使われているので、聴いて確かめてみてください!
(4)これだけで楽曲が成立する『循環コード』
循環コードとは、1つのパターンだけで何度も循環できるコード進行のことです。
循環コードだけで立派な楽曲にできるので、音楽初心者も覚えておくと自分で作曲することもできます。
【安定→不安定→安定】の流れになっているので、抑揚もついており初心者にも使いやすくておすすめのコード進行です。
以下の記事で具体例を紹介しているので、詳細は以下の記事をご覧ください。
(5)ストーリー性が特徴的な『アニソンコード』
アニソンコードはアニメの主題歌によく使われるコード進行のことで、ストーリー性があるのが特徴です。
アニメ作品のイメージに沿ったコード展開になっており、テーマがはっきりしています。
近年のアニソンでは、ドミナントコードがトニックコードに向かう性質(ドミナントモーション)を使ったセカンダリードミナントが使われることが多く、安定感のあるコード進行が定番です。
以下の記事でアニソンコードの具体例を紹介しているので、詳細は以下の記事をご覧ください。
(6)ジャズの練習曲としてメジャーな『枯葉コード』
ジャズの練習曲としてメジャーな枯葉コードも押さえておくことをおすすめします。
枯葉コードはシャンソンの名曲である「Autumn Leaves(枯葉)」という楽曲で使われたコードで、それが「枯葉コード」として一般的にも使われるようになりました。
コードのルート音が5音ずつ下がったり、ドミナントモーションを使っていたりといくつかの特徴があります。
以下の記事で、具体的に枯葉コードを説明しているので、詳細は以下の記事をご覧ください。
2.特殊コードを覚える3つのコツ
特殊コードを覚えるコツを紹介します。
意識すべきポイントは以下の3つです。
順に紹介するので、これらのポイントを踏まえて特殊コードを勉強しましょう!
なお、以下の記事でコード進行の覚え方のコツを紹介しているので、あわせてご覧ください!
(1)コードの規則性を覚える
コードの規則性を覚えることがポイントです。
たとえば、「分数コードであれば、分母の音をルートにしてコードを弾く」のように要点だけを押さえることで、覚えることを減らせます。
特殊コードのルールさえ覚えれば自分でコードを導くことができるので、簡単なコードから割り出す練習をしてみましょう!
(2)キーを割り当てて例で覚える
特殊コードの場合は使用頻度が少ないので、具体例で覚えるのもおすすめです。
使用頻度の高いキーのときのコードを覚えておくと、具体例から規則性を導き出して、他のキーを割り当てて導くこともできます。
たとえば、オーギュメントコードであれば、Caugの構成音を「C・E・G♯」と覚えておけば、通常のCコードの構成音が「C・E・G」であることから、第5音のみが半音上がっていることを導き出せるのです。
コードの規則性を覚えられないときは、実例を覚えてルールを導き出すようにしましょう!
(3)全てのキーで覚えようとしない
全てのキーで覚える必要はありません。
最初から全て覚えても使う機会は少ないため、慣れるまでは使用頻度が高いCなどのキーを押さえておくことをおすすめします。
使う内に自然と覚えてくるので、一度に無理して覚えようとせずに、音楽を楽しみながら知識を増やしていきましょう!
まとめ
特殊コードは使用頻度は低いですが、コードの展開にアクセントをつけることができます。
通常のメジャーコードやマイナーコードと比べて難しい表記がされている場合もありますが、規則性を覚えて自分で導き出せるようになれば、初心者が抱きがちな苦手意識はなくなるものです。
今回紹介した特殊コードを勉強して、音楽の表現の幅を広げましょう!
なお、以下の記事で音楽初心者が押さえておくべきコード進行をまとめているので、あわせてご覧ください!