「ブルーノートって何を意味しているの?」
「ブルーノートってどういう風に使うの?」
スケールなどの音楽理論を勉強している人の中には、ブルーノートというワードが何を意味しているのか気になっている人も多いのではないでしょうか。
実は、ブルーノートは特徴的な音を指しており、ブルーノートを使った変わったスケールもあるのです!
本記事では、ブルーノートの特徴やブルーノートを使ったスケール、スケールの覚え方について紹介します。
この記事を読めば、ブルーノートについて理解を深めることができ、音楽知識を広げることができますよ!
目次
1.ブルーノートとは
ブルーノートとは、ヨーロッパにはないアメリカの黒人特有の音階的特徴で、メジャースケールの第3、第5、第7音を半音下げたスケールのことをブルーノートスケールといいます。
つまり、アメリカの黒人が「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ」の音階を歌うと、「ミ・ソ・シ」の音階が「ミ♭・ソ♭・シ♭」となり、「ド・レ・ミ♭・ファ・ソ♭・ラ・シ♭」と聴こえるのです。
この「ド・レ・ミ♭・ファ・ソ♭・ラ・シ♭」の音階の流れが、ヨーロッパ音楽では聞き慣れない音階で、どこか悲しい雰囲気を醸し出していたことから、この独特な音階はブルーノート(憂うつな音階)として世の中に定着しました。
ちなみに、スケールの第3、第5、第7音を半音下げた、Ⅲ♭、Ⅴ♭、Ⅶ♭がブルーノートといわれています。
2.ブルーノートスケールの特徴
ブルーノートスケールの音は、西洋式の五線譜上にないため、音程は曖昧です。
ブルーノートは、メジャースケールの第3、第5、第7音がヨーロッパ人の感覚から半音下がっているように感じただけで、正確に単音で表記することはできません。
他に比較対象となる音があるから異なって聞こえるだけで、たとえばミ♭もレと聞こえ方にほとんど差はないのです。
ブルーノートスケールは、メジャースケールに比べて少しアンニュイな感じがするため、装飾音としてつなぎの音にしたり、相性の良い音の隣りにくっつけたりして演奏されています。
既存のスケールをアレンジして、おしゃれにかっこよくしたいときにブルーノートを使いましょう。
3.押さえておくべきブルーノートを使った2つのスケール
ブルーノートを使ったスケールで知っておくべきものを紹介します。
特に押さえておくべきスブルーノートスケール以下の2つです。
順に紹介するので、どのようなブルーノートスケールがあるのか頭に入れておきましょう。
(1)メジャーブルーノートスケール
ブルーノートスケールを使ってスケールでおすすめなのは、メジャーブルーノートスケールです。
メジャーブルーノートスケールは、メジャーペンタトニックスケールにブルーノートのⅢ♭を加えてできるスケールのことをいいます。
メジャーペンタトニックスケールは、メジャースケールの「Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ・Ⅵ・Ⅶ」の第4、第7音を除いた5音で構成されたスケールです。
メジャーブルーノートスケールは、メジャーペンタトニックスケールの「Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅴ・Ⅵ」にⅢ♭を加えたスケールなので、以下のような構成になります。
Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ♭・Ⅲ・Ⅴ・Ⅵ
メジャーブルーノートスケールは、メジャーキーの楽曲にアレンジを加えたいときに有効なので、上手くⅢ♭を使っていきましょう。
なお、以下の記事でメジャースケールに関して説明しているので、あわせてご覧ください。
(2)マイナーブルーノートスケール
マイナーブルーノートスケールは、ブルーノートのアンニュイでクールな音を活かしたスケールで、一般的にもよく使われています。
メジャーブルーノートスケールとは異なり、マイナーペンタトニックスケールにⅤ♭を加えたスケールがマイナーブルーノートスケールです。
マイナーペンタトニックスケールは、マイナースケールの第2、第6音を除いた5音で構成されています。
そのため、マイナースケールの「Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ♭・Ⅳ・Ⅴ・Ⅵ♭・Ⅶ♭」から第2音のⅡと第6音のⅥ♭を除いた「Ⅰ・Ⅲ♭・Ⅳ・Ⅴ・Ⅶ♭」がマイナーペンタトニックスケールです。
そして、このスケールにⅤ♭を加えた以下のスケールがマイナーブルーノートスケールとなります。
Ⅰ・Ⅲ♭・Ⅳ・Ⅴ♭・Ⅴ・Ⅶ♭
覚えておくとかっこよく曲をアレンジできるので、マイナーキーのときはⅤ♭を使ってみましょう。
なお、以下の記事でマイナースケールに関して説明しているので、あわせてご覧ください。
4.ブルーノートスケールの覚え方
ブルーノートスケールは、規則性さえ覚えれば自分で導くことができます。
自分でブルーノートスケールを導き出すには、少なくともペンタトニックスケールを覚えておきましょう。
ペンタトニックスケールの規則性は以下の通りです。
- メジャー:Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅴ・Ⅵ
- マイナー:Ⅰ・Ⅲ♭・Ⅳ・Ⅴ・Ⅶ♭
ペンタトニックスケールは、メジャーはⅣとⅦ、マイナーはⅡとⅥを抜くことを覚えておいて、自分で導き出せるようになっておきましょう。
ペンタトニックスケールを覚えたら、あとはメジャーはⅢ♭、マイナーはⅤ♭を加えるだけです。
たとえば、Cメジャーブルーノートスケールを知りたいときは、まず最初にCメジャースケール(C・D・E・F・G・A・B)から第4音のFと第7音のBを除いて、Cメジャーペンタトニックスケール(C・D・E・G・A)を導き出しましょう。
そして、CメジャースケールのⅢ♭であるE♭を音階の並びに合わせて付け加えると、Cメジャーブルーノートスケールは「C・D・E♭・E・G・A」であることが判明します。
同様にCマイナーブルーノートスケールも導いてみましょう。
Cマイナースケール(C・D・E♭・F・G・A♭・B♭)から第2音のDと第6音のA♭を除くと、「C・E♭・F・G・B♭」がCマイナーペンタトニックスケールであることが分かります。
そして、Ⅴ♭であるG♭を音階に合わせて付け加えると、Cマイナーブルーノートスケールは「C・E♭・F・G♭・G・B♭」となるのです。
行っていることはシンプルなので、いくつかのキーでブルーノートスケールを出してみましょう。
まとめ
ブルーノートはマイナーな音ですが、覚えておくと表現の幅が広がります。
特に、マイナーブルーノートスケールはかっこよくアレンジしたいときに相性が良いのでおすすめです。
規則性さえ覚えておけば自分で導くことができるので、今回紹介した流れを覚えて、好きなときに欲しいキーのブルーノートスケールを使えるようになりましょう!