「アカペラをやるのに楽譜は必要?」
「アカペラ楽譜の作り方や、活動に活かせる書籍も知りたい!」
このように、アカペラを始めたい方はアカペラの楽譜についても詳しく知りたいと感じているでしょう。
今回はアカペラ楽譜の必要性や、楽譜作成に必要なアイテム、また簡単な作り方も紹介します。
この記事を参考に、アカペラ楽譜について理解を深め、アカペラ活動を効果的に進めていきましょう。
以下の記事では、アカペラのパートについて紹介しているのでぜひご覧ください。
目次
1.アカペラに楽譜は必要?
バンドでもアカペラでも、音楽を演奏する際には楽譜が必須です。
楽譜には、自分が歌ったり演奏するパート以外にも、曲ごとのリズムや、呼吸するタイミング、強弱の付け方など、曲の構造に加えて、曲をより効果的に演奏するための情報が多く詰め込まれています。
これらの情報は、一度耳から聴くのみではなかなか覚えることができません。
楽譜を用いて、様々な点に注意しながら練習を行うことで、楽曲について理解を深めつつ、効率的に練習することができます。
アカペラ上達のためにも楽譜を読む能力は必要なので、少しずつ勉強していきましょう。
2.アカペラの楽譜作成に必要な4つのアイテム
アカペラの楽譜作成に必要な4つのアイテムについて紹介します。
以下のアイテムがあれば、十分アカペラの楽譜作成が可能なので、ぜひ参考にしてみてください。
- パソコン
- 楽譜作成ソフト
- ピアノやキーボード
- コピーしたい曲の楽譜
順に紹介します。
(1)パソコン
アカペラ楽譜作成に必要な1つ目のアイテムは、パソコンです。
楽譜の作成はもちろん手書きでも問題はありませんが、メンバーに同じものを配ることを考慮すると、パソコンで作成し、いつでも複製できるようにしておくと便利です。
アカペラは公園やスタジオで練習することも多く、メンバーと一緒に編曲などをすることも多いため、持ち運びができるノートパソコンの方が重宝するでしょう。
アカペラ楽譜作成ソフトでは、本格的な音楽作成ソフト(DAWなど)のようにストレージ容量を多く使いませんが、音楽制作を行うことを考慮すると、相応のスペックのパソコンを用意しておくと便利です。
(2)楽譜作成ソフト
アカペラ楽譜作成に必要な2つ目のアイテムは、楽譜作成ソフトです。
楽譜作成に特化したソフトで、パソコンにダウンロードして使用します。
アカペラをやっている方は、こういったソフトを用いて楽譜作成していることが多いです。
ソフト内で作成した楽譜はファイルとして保存できるため、メールなどで簡単にシェアできます。
アカペラ楽譜を作成する際は、手書きよりもこのようなソフトを活用した方がスムーズに練習を行うことが可能です。
#1:Muse Score
おすすめの楽譜作成ソフトは「Muse Score」です。
ネットを介して誰でも無料で簡単にダウンロードすることができます。
ソフトの動作も軽く、操作画面もシンプルで使いやすいのが特徴です。
特にこだわりがなければ、こちらを使ってアカペラ楽譜作成を行うことをおすすめします。
(3)ピアノやキーボード
アカペラ楽譜作成に必要な3つ目のアイテムは、ピアノやキーボードです。
カバー楽曲をアカペラ用に編曲していく際には、キーボードで音を確かめながら作業を進めていきます。
アカペラ練習などでは、持ち運びしやすいミニキーボードを使うことが多いですが、鍵盤の数が少なく編曲には向かない場合もあります。
楽譜作成の際には、それなりに鍵盤数のあるキーボードを選ぶと良いでしょう。
電子キーボードは約5,000円くらいの安価な商品もあるので、楽譜作成をよりスムーズに行うためにもぜひ購入を検討してみてください。
(4)コピーしたい曲の楽譜
アカペラ楽譜作成に必要な4つ目のアイテムは、コピーしたい曲の楽譜です。
アカペラでは、既存の楽曲を自分たち用にアレンジしてカバーすることが非常に多いです。
そのため、カバー曲をアレンジするためには、まず楽譜によってその曲の構成について把握する必要があります。
曲の構成を把握し、原曲では楽器を用いて演奏している部分を人の声で再現できるようにしていく作業がアレンジです。
自分達の音域やスタイルに合ったアレンジを行う場合でも、原曲の構成から離れすぎると別の曲になってしまいます。
原曲の構成を元に良いアレンジを行えるようにしましょう。
初めは、テンポがゆったりとしたJ-pop楽曲を選ぶと、練習しやすいと言えます。
以下の記事では、アカペラ初心者でも取り組みやすい楽曲が紹介されているのでぜひ参考にしてみてください。
3.アカペラの楽譜を作る3ステップ
アカペラ楽譜の作り方について紹介します。
実は、以下の3ステップを踏むだけでアカペラの楽譜を作成できるので、ぜひ参考にしてください。
- ボーカル部分をコピーする
- 曲のコードを耳コピやサイトで確認する
- リズムに動きを加える
順に紹介します。
(1)ボーカル部分をコピーする
アカペラ楽譜の作り方の1ステップ目は、ボーカル部分をコピーすることです。
曲の主役であるボーカル部分、いわゆる「主旋律」をまず最初にコピーします。
耳で聞いてコピーする「耳コピ」ができる場合はそちらの方が速いので、キーボードなどを活用しながらボーカル部分を楽譜に記譜してきましょう。
わからない場合は楽譜を用意し、音を一つずつ確認して間違った音を入力しないようにしてください。
楽譜作成は、まずはリードボーカルの歌う旋律をコピーしていくようにしましょう。
(2)曲のコードを耳コピやサイトで確認する
アカペラ楽譜の作り方の2ステップ目は、曲のコードを耳コピやサイトで確認することです。
コードとは、3つ以上の音(コードの構成音)が重なってできた音の響きで、明るいものから暗いものまで多数の種類が存在します。
コードを一定の法則に則って並べ、順番に鳴らすと曲の展開のような響きが生まれるのです。
この一連の音の響きの変化を「コード進行」と呼ぶことを覚えておきましょう。
アカペラでは主にコーラスパートがコードの構成音の歌唱を担当し、数人でコードを演奏することで曲の輪郭を再現します。
既存の曲をアカペラ用にアレンジしても、コード進行を大きく変えることはないため、まずは原曲のコード進行をそのままコピーし、楽譜作成を行って構いません。
耳コピや、コード進行が乗っているサイトを参考にして、楽譜にコードを記していきましょう。
#1:U-フレット
コード進行が見られるおすすめの1つ目のサイトは、U-フレットです。
7万曲近くのコード進行を見ることができ、楽器演奏者などに愛用されています。
U-フレットでは、コード進行を知りたい曲を検索するだけで簡単にコード確認ができるため、音楽経験の少ない方でも楽譜作成に活かすことが可能です。
また、曲のキーを変えた場合のコード進行も表示できるので、リードボーカルの音域に合わせたアレンジも簡単にできます。
キーボードを使ってアレンジを行う場合は、ピアノコードが表示されるよう設定を変更して使うようにしましょう。
#2:楽器.me
コード進行が見られるおすすめの2つ目のサイトは、楽器.meです。
こちらも約6万曲近くのコード進行を確認できます。
U-フレット同様に、ギターだけではなくピアノコードも確認可能です。
こういったサイトを活用していくと、音楽がどのように構成されているか少しずつ理解でき、音楽能力やアレンジ能力の向上に繋げることができます。
ぜひ積極的に使用していきましょう。
以下の記事はコード進行を見ることができる記事です。
(3)リズムに動きを加える
アカペラ楽譜の作り方の3ステップ目は、リズムに動きを加えることです。
コードを楽譜に記した後は、コーラスなどにリズムを加えていきます。
「ラー」や「ルルル」「アー」など、グループのスタイルに合ったコーラスを見つけ、原曲を壊さない程度にアレンジを行いましょう。
例えば、有名なコーラスパターンとして「ベルトーン」という方法があります。
これはコードの構成音をコーラス隊一人ひとりが時間差で歌い、ベルを順番に鳴らしているような響きを再現する方法です。
ベルトーンはかなり上級テクニックですが、このように様々なコーラスパターンを使うことで、リズムに動きを加え、多彩な聴かせ方ができます。
曲全体のグルーヴ感を高めるためにも、楽譜作成やアレンジ作業を通してリズムについて学んでいきましょう。
4.アカペラの楽譜を無料で手に入れる方法
アカペラの楽譜が無料で見られるサイトがあれば、活動もより楽になると考えている方は多いでしょう。
しかし、アカペラ楽譜を無料配布しているサイトはほとんどありません。
他の楽譜を参考にしたい場合は、個人かグループが配布している楽譜を使用するか、アカペラ楽譜が記載されている書籍を購入するようにしましょう。
以下の記事ではアカペラの著作権について解説しているので、こちらを参考にして楽譜作成に取り組んでください。
5.おすすめのアカペラ楽譜書籍
アカペラの楽譜が記載されたおすすめの書籍について紹介します。
アカペラグループを組んで間もない、アレンジが上手くいかないといった場合、以下を参考に演奏してみるのもおすすめです。
順に紹介します。
(1)キマる!! アカペラコンサート大全集
おすすめの1冊目のアカペラ楽譜書籍は、「キマる!! アカペラコンサート大全集」です。
こちらは、様々な名曲をアカペラアレンジした楽譜が記載されている書籍です。
アカペラ書籍の中でも比較的新しい部類に入り、「前前前世(RADWIMPS)」や「恋(星野源)」の楽譜も収録されています。
また、定番の「ひとり(ゴスペラーズ)」や「いとしのエリー(サザンオールスターズ)」「抱きしめたい(Mr.Children)」など、アカペラ映えする名曲のアカペラ楽譜も確認可能です。
出版社:ケイ・エム・ピー
発売日:2017年7月15日
価格:2,750円(税込み)
Amazon
(2)ハモろう! アカペラのザ★定番
おすすめの2冊目のアカペラ楽譜書籍は、「ハモろう! アカペラのザ★定番」です。
書籍名の通り、アカペラでよく歌われる定番曲を集めた楽譜集となります。
しかし、収録曲のすべてが中級クラスの難易度に設定されているので、アカペラを始めたばかりだと演奏に苦戦するかもしれません。
「空も飛べるはず(スピッツ)」「LOVE LOVE LOVE(DREAMS COME TRUE)」「糸(中島みゆき)」など、こちらも多くのアカペラグループが挑戦するJ-POPの名曲が収録されているので、初心者脱却の際にぜひ手に取ってみてください。
出版社:ヤマハミュージックメディア
発売日:2014年9月8日
価格:1,980円(税込み)
Amazon
(3)アカペラで歌おう ベスト曲集 Vol.1
おすすめの3冊目のアカペラ楽譜書籍は、「アカペラで歌おう ベスト曲集 Vol.1」です。
「Everything(MISIA)」「未来予想図II(DREAMS COME TRUE)」など、アカペラの全国大会でもある「ハモネプ」で上位グループが演奏してきた楽曲の楽譜が収録されています。
ちなみにVol.2も販売されているので、二冊揃えて演奏してみるのも良いでしょう。
アカペラの上達のために、ぜひこれらの書籍を読んでみてください。
出版社:ドレミ楽譜出版社
発売日:2012年2月20日
価格:1,540円(税込み)
Amazon
(4)アカペラ パーフェクト・ブック
おすすめの4冊目のアカペラ楽譜書籍は、「アカペラ パーフェクト・ブック」です。
厳密に言うと、こちらに曲の楽譜は記載されておらず、アカペラの練習方法やテクニック、アカペラアレンジ方法などが記載されています。
パートの役割や、コード知識、耳コピの方法についても学ぶことができるので、初めの一冊としてもおすすめです。
アレンジは他の人が行うという場合も、これを一冊読んでおくだけで楽譜や音楽に対しての理解度をグッと上げることができるので、より良い演奏のためにも勉強は欠かさないようにしましょう。
出版社:ドレミ楽譜出版社
発売日:2012年1月17日
価格:1,980円(税込み)
Amazon
まとめ
今回は、アカペラの楽譜について紹介しました。
アカペラ演奏を行う際、原曲への理解を深めなければ、せっかく良いアレンジをしていても綺麗にハモることはできません。
楽譜を用いて練習を行うことで、注意点に更に意識を向けたり、メンバーと共通の点についてより議論を深めたりすることができます。
あなた自身がアレンジを行わなくとも、楽譜を読める能力を身につけておくことは大切です。
この記事を参考に、楽譜について少しずつ勉強してみてください。
以下の記事では、おすすめのアカペラグループについて解説しているのでぜひご覧ください。