「作詞をするときに何に気をつけたらいいの?」
「初心者がやりがちな失敗って何があるの?」
初めて作詞に挑戦する人の中には、アイデアが思い浮かばず作業が停滞している人も多いのではないでしょうか。
作詞は国語力が高くて想像力が豊かな人にしかできないイメージがあるかもしれませんが、実はちょっとしたコツを意識するだけで、初心者とは思えないような歌詞を作ることができるのです!
本記事では、作詞の基本的な流れや作詞のコツ、初心者がやりがちなミスを紹介します。
この記事を読めば、プロが作ったようなクオリティの高い歌詞を作ることができますよ!
なお、楽曲制作全体の流れについては以下の記事にまとめているので、あわせてご覧ください。
目次
1.基本的な作詞の流れ5ステップ
基本的な作詞の流れを紹介します。
主な作詞の流れは以下の5ステップです。
順に紹介するので、作詞の流れを頭に入れておきましょう!
なお、作詞の前に作曲に挑戦したい人は、作曲のやり方を紹介している以下の記事を先にご覧ください。
(1)曲のテーマやジャンルを決める
作詞の第一ステップでは、曲のテーマやジャンルを決めます。
曲のイメージや目的が明確になっていなければ、たとえプロの作詞家でも歌詞をつけることはできません。
初心者でもスムーズに作詞を進めるには、少なくとも以下のポイントが重要です。
- 曲のジャンルを決める(ラブソングや応援ソング、感謝を伝える曲など)
- リスナーに伝えたいメッセージを明確にする(諦めなければ夢は叶うなど)
- 完成イメージに近い既存曲を見つける
最初に曲のテーマやジャンルを決めておくと、歌詞に使うキーワードが連想しやすくなるのでおすすめです。
また、理想とする既存曲があるとアイデアの参考になるので、できればイメージに近い曲を探しておきましょう!
(2)ターゲットを明確にする
曲のテーマが決まったら、次は誰に聴かせたいのかターゲットを明確にしましょう。
リスナーが誰に向けての曲なのか理解できれば、該当する人や過去に同じ経験をした人から共感してもらえる可能性が高くなります。
万人受けをする曲を作る場合でも同じです。
ターゲットを明確にしなければメッセージ性が弱くなり、リスナーの受け取り方によっては途中で詞の内容が変わることがあります。
自らの気持ちをアーティストが代弁してくれているかのようにリスナーに感じてもらうために、誰に向けての曲なんか決めておきましょう!
(3)使いたいキーワードをピックアップする
テーマやターゲットが決まればそれらに関するキーワードが連想できるので、その中から歌詞に入れたいキーワードをピックアップします。
ピックアップしたキーワードからさらに複数の言葉が連想できるので、アイデアのヒントにするために言葉を書き出しておきましょう。
作詞は一番伝えたいメッセージとキーワードが決まれば、あとは連想ゲームで言葉をつなげていく作業なので、思いついた言葉は全て記録しておくことをおすすめします。
もし、キーワードから言葉が連想できなければ、そのキーワードを使っている既存曲でどのような表現が使われているのか確認するとよいでしょう。
(4)ストーリーを作る
キーワードを準備したら、曲のストーリーの構成を考えましょう。
ストーリーを作るときは、5W1Hを使って構成を決めていくと自然な展開にすることができます。
5W1Hとは、When(いつ)、Where(どこで)、Who(誰が)、What(何を)、Why(なぜ)、How(どのように)のことで、これらのポイントを押さえると小説のようなストーリー展開にすることが可能です。
たとえば、以下のように5W1Hを設定しましょう。
- When(いつ):大学の卒業式の日
- Where(どこで):アルバイト先の居酒屋の前で
- Who(誰が):自分が
- What(何を):好きなアルバイト先の後輩に告白をした
- Why(なぜ):次の日に遠く離れた地元に引っ越すから
- How(どのように):緊張と恥ずかしさのあまり言葉がつかえたが、しっかりと目を見て「好き」と伝えた
この流れに沿ってAメロからBメロ、サビへと展開することで、リスナーの気持ちをグッと引きつけることができます。
最後に告白後どうなったかなどの結果を入れてクライマックスまで到達すると、よりリスナーの満足度が高くなり共感を得やすくなりますよ!
なお、登場人物を自分に設定する場合は、あくまで客観的な視点を意識しましょう。
あまりにも主観的な表現を入れると、リスナーから共感を得にくくなるので注意が必要です。
(5)主人公の細かい設定を行う
ストーリーに現実味を持たせるために、主人公の細かい設定を行っておきましょう。
主人公に具体性を持たせることで詞のアイデアが思いつきやすくなり、リスナーも感情移入しやすくなるのです。
特に以下の項目を設定することで、登場する主人公にリアリティを持たせることができます。
- 性別
- 年齢
- 性格
- 住んでいる地域
- 職業
全ての設定を歌詞に入れる必要はありませんが、設定から連想できる言葉を入れておきましょう。
また、主人公以外に登場人物が存在する場合は、そのキャラクターの設定もしておくとリスナーが曲のストーリーを想像しやすくなりますよ!
2.初心者が作詞をするときの5つのコツ
初心者が作詞をするときのコツを紹介します。
今回紹介する作詞のコツは以下の5つです。
順に紹介するので、作詞の際の参考にしてください!
(1)倒置法を使う
倒置法を使うと、ポエム調になりリスナーに与える印象が強くなります。
倒置法とは文節の順序を入れ替える表現方法です。
たとえば、以下のように倒置法を使います。
原文:出会ったときから君のことが好きだった
倒置法:君のことが好きだった、出会ったときから
このように文節を入れ替えることで、どれくらい相手のことを想っていたのかがより印象的になりますよね。
全ての文を倒置すると印象が弱まりメッセージが伝わりにくくなるので、リスナーに伝えたいことや共感してもらいたい部分に倒置法を使うと印象的な歌詞にすることができますよ!
(2)「Ah~」や「Uh~」を使う
文字数が足りないときやベストな歌詞が思いつかないときは、「Ah~」や「Uh~」を使いましょう。
各パートの最初や最後の部分で「Ah~」や「Uh~」が使われている有名な曲は数多いです。
たとえば、TUBEさんの「あー夏休み」や福山雅治さんの「桜坂」などに使われています。
他にも、「Wow」や「Yeah」を使うのも有効です。
思い浮かばない部分に時間をかけるより、言葉が閃かない部分に「Ah~」や「Uh~」を使いながら一通り歌詞を作り上げると作業効率が良くなりますよ!
(3)比喩表現を使う
直接的な表現を使うのではなく、比喩表現を使うのもポイントです。
比喩表現とは他のものに例えて分かりやすくする技法のことで、使いこなすと表現力が豊かになります。
たとえば、寒くて凍えている相手の手を握って温めている状況を「雪のように真っ白になった震える手を握った」のように雪を使って表現する技法が比喩です。
比喩表現を使うことで印象が残りやすくなるだけでなく、歌詞の表現に幅が生まれるのでオリジナリティを出しやすくなります。
比喩表現に正解はないので、自分の感性を信じてアイデアを出しましょう!
(4)反復(リフレイン)を使う
何度も同じ言葉を繰り返す反復(リフレイン)技法を使うのもおすすめです。
反復を使うことによってリスナーに強く印象付けることができるので、曲を覚えてもらいやすくなります。
たとえば、THE BLUE HEARTSさんのリンダリンダは反復技法を使った曲として有名です。
サビで反復を使うとより印象的な曲にすることができます。
しかし、反復を使いすぎるとそれ以外の部分の印象が弱くなり、曲のメッセージが伝わりにくくなるので、全体のバランスを考慮してメッセージ性を損なわないように反復を使いましょう!
(5)韻を踏む
韻を踏んだ歌詞にするとリスナーにとって聴きやすくなります。
韻を踏むとは同じ言い回しや音、母音の言葉を繰り返し使う表現技法のことです。
言葉の響きが一定になることで、リズムを整えたりメリハリをつけたりすることができます。
たとえば、Mr.Childrenさんは韻を踏んでいる曲が多くて有名です。
「シーソーゲーム~勇敢な恋の歌~」の曲のサビでは以下のような韻が踏まれています。
恋なんていわばエゴとエゴのシーソーゲーム
Ah いつだって君は曖昧なリアクションさ
友人の評価はイマイチでも She So Cute
Ah 順番を待ってたんじゃつらい
勇敢な恋の歌
シーソーゲームと She So Cuteで韻を踏んでいますね!
同じ言い回しの言葉を見つけるのが難しい人は、歌詞の最初や最後の母音を合わせることで歌詞に統一感を持たせることができます。
ラップで使われることが多い技法ですが他のジャンルでもよく見られるので、既存曲を参考にアイデアを出していきましょう。
3.初心者が作詞でやりがちな4つのミス
初心者が作詞でやりがちなミスを紹介します。
初心者が注意すべきことは以下の4つです。
順に紹介するので、意識して歌詞を考えましょう!
(1)ストレートな言葉ばかりを使う
分かりやすい表現を使うのは基本ですが、ストレートな言葉ばかりを使うのはおすすめしません。
ストレートな言葉は相手に届きやすい反面、ありきたりな表現ばかりを使うと言葉の意味が安っぽく感じてしまいます。
たとえば、告白をテーマにした曲で相手に好意を示したい場合、「好き」「大好き」と表現するのではなく、以下のような表現をしてみましょう。
- あなたのことを想うと何も手につかなくなってしまう
- ふとしたときに思い浮かぶのはあなたのことばかり
- 他の誰にも渡したくない
基本的にはメッセージを連想させる言い回しを使い、ラスサビのあとに「大好き」や「愛してる」のようなストレートな言葉でメッセージを伝えると強烈なインパクトを残すことができますよ!
辞書などので類義語を調べて、表現の幅を広げましょう!
(2)難しい表現にこだわる
なかなか歌詞が思い浮かばない人は、難しい表現をしようとしがちです。
凝った歌詞を意識するあまり、比喩表現や韻を踏むことにこだわりすぎている人もいます。
歌詞に深みを持たせた方がリスナーから高評価を得られますが、初心者はまず歌詞を作り上げることが重要です。
非凡なセンスを持ち合わせていない限り、初心者が前線で活躍している作詞家のような歌詞を作ることはできません。
たくさん辞書を開き何度も繰り返し歌詞を作ることによって、自分だけの独特の世界観を作り上げることができるようになるので、初めは質よりも完成させることに全力を注ぎましょう!
(3)説明文になっている
初心者が作詞をすると、歌詞が説明文になることがあります。
歌詞でメッセージを伝えるためには、リスナーに想像してもらうことがポイントです。
伝えたいメッセージを全て言葉で説明してしまうと、リスナーはただ聴いているだけの状態になり、つまらない曲と評価してしまう可能性があります。
一番伝えたいメッセージは言葉で伝え、メッセージに至る状況や情景などリスナーが自由に想像できる部分を設けておくと、リスナーにとって退屈しない曲にすることができますよ!
(4)メロディと文字数が合わない
文字数がメロディに合っているか気をつけましょう。
メロディに文字数が合っていなければ、歌いにくいですし聴き取りにくくもなります。
いくら優れた歌詞を書いてもリスナーに届かなければ意味がないので、言葉が自然に入ってくるような聴きやすい曲を意識しましょう。
実際にメロディに合わせて歌ってみると、文字数が適切なのかすぐに分かりますよ!
まとめ
初心者のうちは、基本的な流れに沿って作詞をすることをおすすめします。
今回紹介した5つのコツを使えば、初心者とは思えない歌詞を作ることが可能です。
初心者がやりがちなミスに注意して、オリジナルの歌詞を作りましょう!
なお、編曲にも挑戦したい人は以下の記事で編曲のやり方を紹介しているので、あわせてご覧ください。