「作曲をするのに音楽理論は必要なの?」
「音楽理論を覚えることでどんなメリットがある?」
このように、作曲を行う際に音楽理論を学ぶべきか知りたいという方は多いでしょう。
作曲は音楽理論を学ばなくても行えますが、理論を学ぶことで質が高く、より洗練された曲を作れるようになります。
今回は、音楽初心者が作曲を始める際に音楽理論を学ぶメリット、具体的な音楽知識、音楽理論を学べるおすすめ本を2冊紹介します。
この記事を読んで音楽理論を学ぶことで曲作りに起こる変化を知り、作曲作業に活かしてみてください。
目次
1.作曲をするのに音楽理論を覚える必要はあるの?
作曲をする際、音楽理論を覚えておいた方が便利な点は多いと言えます。
しかし、音楽初心者が最初から音楽理論を学ぼうとすると、難しい用語ばかり出てくることで作曲がすごく大変そうに感じ、挑戦する前に却って作曲へのハードルが上がってしまうことも少なくありません。
そのため、自分の曲を作って簡単な弾き語りなどをしてみたいと思っている方であれば、いきなり理論を学ぼうとしなくても大丈夫です。
最低限のコードとコード進行のパターンを知っていればギターやピアノを使った弾き語りなどはできるので、音楽初心者だけど作曲をしてみたいと考えている方は、まずはコードに鼻歌などでメロディをつける作業を行ってみましょう。
(1)音楽理論を覚えるとルールに則って質の高い作曲ができる
音楽理論を覚えると、ルールに則って質の高い作曲ができるようになります。
音楽は人それぞれ自由に作ることができますが、ルールが存在しないという訳ではありません。
例えば、音楽の基本として「音楽の三要素」というものがあり、これは音楽が「メロディ・ハーモニー・リズム」の三要素から成り立っていることを表しているのです。
これらの要素を守らずに作曲を行うと、他の人が聴いて心地よいと感じるような、いわゆる質の高い曲を作ることは難しくなります。
しかし、音楽理論を学べば質の高い音楽を作るためのルールを守りながら作曲を行えるようになるため、人が聴いて気持ち良いと感じる美しい響きやメロディを作り出しやすくなるのです。
音楽初心者の方は、まずは思うままに作曲を始め、作曲を続けていくなかで更に曲のクオリティを高めたり、より複雑な響きで世界観を表現したいと感じた場合に音楽理論を学び始めると良いでしょう。
(2)最初から理論を学ぶといきなり挫折するかもしれない
音楽初心者が最初から音楽理論を学ぼうとすると、作曲に挑戦する前に挫折してしまう可能性があります。
せっかく作曲に挑戦したいと思っても、難しい単語や記号が並んでいるのを見て理解できず、こんなに難しいのならやめてしまおうと感じる方も少なくありません。
インターネットでも音楽理論を学べるサイトはたくさんあるので、まずは音楽理論がどのようなものか調べてみて、もし難しそうに感じた場合は音楽理論を学ばなくてもできる方法で作曲を始めるのが良いでしょう。
もちろん、上記でも紹介したように音楽理論を学んだ方が質の高い楽曲を作れる可能性は上がるので、自分が必要と感じたタイミングで座学を始めることをおすすめします。
2.作曲をスムーズに行うために覚えておくと良い3つの音楽知識
作曲をスムーズに行うために覚えておくと良い3つの音楽知識を紹介します。
以下の3つの知識を知っていれば劇的に作曲作業が楽になるので、これらだけでも目を通しておくことをおすすめします。
順に紹介します。
(1)キー(調)
作曲をスムーズに行うために覚えておくと良い1つ目の音楽知識は、キー(調)です。
キーとは、楽曲やメロディがどの音が主体になって構成されているかを表しています。
キーが「Cメジャー」の曲と言われれば、「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ」の7音、「Dメジャー」と言われれば、「レ・ミ・ファ♯・ソ・ラ・シ・ド♯」の7音といったように、キーの名前が変わると使用される音も変わるのです。
このように、キー内で使われている音を「スケール」と呼びます。
聴いていて心地よいバランスの取れたメロディを作るには、最初にキーを決め、そのキーのスケールを使ってメロディを考えることが大切なポイントです。
以下の記事でもキーやコードといった理論について紹介しているのでぜひ参考にしてください。
(2)コード(和音)
作曲をスムーズに行うために覚えておくと良い2つ目の音楽知識は、コード(和音)です。
コードとは、基本的に3つ以上の音が重なった状態のことをいい、例えば「ド・ミ・ソ」の三音が重なると「Cメジャー」というコードが完成します。
他にもコードはたくさんあり、その一つ一つが明るい響きや暗い響き、不気味な響きや爽やかな響きなど、違う印象を持っているのです。
不思議なことに、それぞれのコードを聴いて人間が様々な印象を抱くのかは未だに解明されていません。
そのため、音の組み合わせ次第では今までにないような音楽を作れる可能性もあります。
(3)コード進行
作曲をスムーズに行うために覚えておくと良い3つ目の音楽知識は、コード進行です。
コード進行とは、先ほど紹介したコードをいくつか並べて、順番に鳴らすことで音楽の展開や背景を演出する一連の響きのことを言います。
コード進行のパターンはそこまで多くないため、パターンを覚えたり、作り方を覚えてしまえば作曲作業に大きく活かすことが可能です。
例えば、有名な「王道進行」や「カノン進行」「小室進行」といった進行を覚えると、有名なポピュラーソングの大半を演奏することも不可能ではありません。
メロディとコード進行を合わせて演奏すると音楽としてより立体感が出て、曲の雰囲気を演出できるので、ぜひいくつかのコード進行を覚えて作曲に活かしてみてください。
以下の記事では、音楽理論について解説しているのでぜひご覧ください。
3.音楽理論を学べるおすすめの2冊
音楽理論を学べるおすすめの2冊を紹介します。
以下の2冊を参考に、音楽理論を楽しく学び作曲スキルを向上させていきましょう。
順に紹介します。
(1)マンガでわかる!音楽理論
音楽理論を学べる1冊目のおすすめ本は、「マンガでわかる!音楽理論」です。
こちらの本では、マンガ形式で音楽理論を楽しく学ぶことができます。
マンガに登場するキャラが難しい音楽用語をかみ砕いて説明してくれるので、文章や五線譜だけでは理解しづらいポイントもしっかり抑えることができます。
マンガ形式で、気軽に音楽理論と触れ合うことができるため、本格的に音楽理論を学び始める前に読むのがおすすめです。
説明としては大まかな部分もありますが、音楽初心者が音楽用語に慣れるきっかけを作ることができる良書でしょう。
- 値段:1,430円
- 品種:単行本
- 著者:侘美秀俊(監修)坂元輝弥(イラスト)
- 発売日:2016年3月25日
- マンガ形式で読みやすい
- 音楽用語に慣れるための一冊目としておすすめ
(2)名曲でわかるコード進行の秘密
音楽理論を学べる2冊目のおすすめ本は、「名曲でわかるコード進行の秘密」です。
こちらは、誰もが知っているような名曲がどのようなコード進行で構成されているのか解説している本です。
往年の名曲である、サザンオールスターズさんの「TSUNAMI」や、米津玄師さんの「Lemon」、サカナクションさんの「新宝島」など、新旧の名曲の仕組みが詳しく解説されています。
内容としては少し難しいですが、序盤に記載されているコード進行の基礎知識がわかっていれば、解説を理解することも可能です。
有名な曲を例に挙げて、その構成を解説してくれる本はあまり多くないですし、音楽をより楽しく、そして身近に感じられる一冊なので、ぜひ手に取って読んでみてください。
- 値段:2,200円
- 品種:単行本
- 著者:植田彰(著)
- 発売日:2019年4月25日
以下の記事では、音楽理論を学べる本についてより詳しく紹介しているのでぜひ参考にしてください。
まとめ
今回は、作曲を行うのに理論が必要かどうか紹介しました。
音楽理論を学ぶことによりデメリットはほとんど存在しませんが、音楽初心者がいきなり理論から入ると挫折の原因になってしまう可能性もあります。
まずは、自分がどの程度の作曲をできるようになりたいのか考え、その答え次第で音楽理論を学ぶかどうか決めるようにしましょう。
作曲について解説している本はたくさんあるので、それらを活用しながらオリジナルソングを作れるよう作曲を続けていくことが大切です。