【2024年最新】音楽業界の課題とは?インターネットが音楽をどう変えるか

「志望動機に音楽業界の課題を反映させて書きたい」
「今の音楽業界の課題って一体何?」

音楽業界は過渡期を迎えており、新たなビジネスモデルの開発が必要とされています。

志望動機に音楽業界の課題を入れ込み、今後の展望を書くと音楽業界への理解と有用な人材であるというアピールができるでしょう。

この記事では、日本の音楽業界の現状と課題を解説します。

最後まで読めば、音楽業界の今と解決すべき課題がわかり、自分が音楽業界に貢献できることがわかるでしょう!

音楽業界に転職したい方向けの志望動機の書き方は、以下の記事をご覧ください。

【例文あり】音楽業界の志望動機に書くべき5つのテーマとは?注意点も解説

2023.12.13

1.2024年最新!日本の音楽業界の現状とは

2023年最新の音楽業界の現状について解説します。

  1. CD売り上げは年々減少
  2. 新しいビジネスモデルであるストリーミング・配信が主流に
  3. 個人クリエイターの増加
  4. ファンとの接点のオンライン化

音楽業界の課題について知りたい方、志望動機に書きたい方はぜひ参考にしてください。

1つずつ内容を解説します。

(1)CD売り上げは年々減少

音楽業界のCD売り上げは年々減少しています。

インターネットでのMP3音源配信が主流となり、CDを購入する人が減っているためです。

年度金額(百万)
2017年173,853
2018年157,611
2019年152,773
2020年129,871
2021年127,992
2022年134,873

参考:生産実績・音楽配信売上実績 過去10年間 合計|一般社団法人日本レコード協会

一般社団法人日本レコード協会が公開している、レコードの生産実績を見ると、2017年より5年間でCDの売り上げは約2割減少しています。

音楽の流通のメインであったCDが徐々に使われなくなっています。

(2)新しいビジネスモデルであるストリーミング・配信が主流に

音楽業界ではCD売り上げが減少した代わりに、音楽配信が好調です。

CDの代わりにMP3ダウンロードが主流となった次は、ストリーミングにトレンドが移行しています。

年度金額(百万)
音楽ダウンロードストリーミング
2017年27,09726,303
2018年25,63934,866
2019年22,45446,530
2020年17,91158,924
2021年14,12074,381
2022年11,44692,803

参考:生産実績・音楽配信売上実績 過去10年間 合計|一般社団法人日本レコード協会

2017年当初は音楽ダウンロードとストリーミングの売り上げ規模は同程度でしたが、2018年を境にストリーミングが好調になっていき、今や8.4倍の差がついています。

現在の音楽業界での音源販売のメインマーケットは、ストリーミングプラットフォームへ移行したといってよいでしょう。

(3)個人クリエイターの増加

音楽業界には個人クリエイターが増加し、以前のように歌手になる道が限定されていません。

インターネットを使えば、個人でもアーティストとして活動できる時代が訪れています。

たとえば、現在活躍している「Ado」さんも、元々はニコニコ動画の歌い手から歌手デビューを果たしました。

このように、歌手になる道も時代とともに変化しています。

(4)ファンとの接点のオンライン化

音楽業界のファンとの接点は、オンラインが主流となっています。

従来はアーティストとファンの接点はコンサートやイベントが主なものでした。

しかし、コロナ禍によりコンサートの自粛で機会を失った結果、ライブをインターネット配信する時代が訪れています。

また、ファンクラブなども会報の送付よりもオンラインで動画や限定音源の配信など、インターネットを活用したものへ移行しています。

音楽業界とファンを繋ぐ接点は、ほぼオンライン化しているのが現状です。

2.インターネット時代の音楽産業が抱える課題

インターネットの普及によって、音楽業界のビジネスモデルは大きく変わりました。

今後の音楽業界の課題は以下のとおりです。

  1. プラットフォーム依存
  2. AIに仕事を奪われる可能性
  3. 利権ビジネスモデルのブラックボックス化
  4. レコード会社の権威性の低下

1つずつ音楽業界の課題について解説します。

(1)プラットフォーム依存

音楽業界の課題となっているのは、プラットフォームへの依存です。

音源ストリーミングサービスの大手プラットフォームへ音源を委託し、手数料を払っているのが現状です。

つまり、音楽業界の収益配分に新たにプラットフォームが加わることとなり、アーティストや音楽業界の企業の取り分が少なくなります。

収益配分が複雑化するほど、アーティスト活動のサポートが十分にできないなどのデメリットも。

そのため、レコード会社はプラットフォーム依存から抜け出す必要があるのです。

(2)AIに仕事を奪われる可能性

音楽業界では、AIに仕事を奪われる可能性も課題とされています。

近年はAI技術の発達が目覚ましく、AIが楽曲を作る時代です。

AIの発達により、既存のサウンドクリエイターや作曲家の雇用が失われるリスクがあります。

作曲家などのクリエイターがAIに仕事を奪われないよう、新たな雇用を創出しなければなりません。

(3)利権ビジネスモデルのブラックボックス化

音楽業界の利権ビジネスモデルがブラックボックス化していることも、課題の1つです。

ユーザーの心理としては、好きな音楽を安く聴きたいと考えます。

しかし、現実的には音楽出版社や著作権管理会社の存在によって、自由に音楽配信ができません。

アーティストの活動の幅が狭まり、ユーザーに安く楽曲提供ができない仕組みのため、関係各所への許諾に時間がかかります。

結果的に、日本の音楽ビジネスの競争力が下がってしまうため、利権ビジネスモデルをより簡易化しなければなりません。

(4)レコード会社の権威性の低下

音楽業界におけるレコード会社の権威性が低下したことも、課題の1つです。

従来歌手デビューは、レコード会社が新人を発掘後に育成し、デビューさせるビジネスモデルが一般的でした。

しかし、冒頭でも解説した通り個人クリエイターが増えており、知名度の高いクリエイターにレコード会社が声をかけるモデルが増えてきています。

デビュー方法の選択肢が増えたのは良い点ですが、反面レコード会社の権威が落ちてしまいます。

今度は音楽業界の中でもレコード会社が自社の立ち位置を見直し、新たなビジネスモデルを考える必要があるでしょう。

まとめ

音楽業界はインターネットの台頭により、さまざまな課題を抱えているのが現状です。

しかし、決して衰退しているというわけではなく、ビジネスモデルが変わり始めています。

音楽業界はCDの販売からダウンロードでの楽曲販売を経て、現在はストリーミングサービスが主流に。

ファンとの接点もインターネットへ舞台を移しました。

記事で紹介した課題を解決できれば、より自由にアーティストが音楽活動をし、ユーザーも安く楽曲を得られる時代が来るはずです。

志望動機を書くのをきっかけに音楽業界の課題について考えて、より良い音楽業界を作る一員となってください。

音楽業界を含むエンタメ業界の今後の展望については、以下の記事も参考にしましょう。

エンタメ業界の現状や今後の課題とは?転職の自己PRに書ける未来の展望を紹介

2023.11.29

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