「イキスギコードって何?良い感じの音ってことはわかるけど…」
「好きな楽曲に使われているコードの名前が知りたい!」
イキスギコードとは正式には「Blackadder Chord(ブラックアダーコード)」のことで、命名はYouTuberのゆゆうたさんです。
このコードは日本のアニソンなどで多用されており、世界的にも有名となっています。
作曲の際にイキスギコードを使ってみたいが、どのように活用したら良いかわからない方もいますよね。
この記事では、イキスギコードの概要や名前がついた由来を説明した上で、イキスギコードの活用方法と使われている楽曲を3つ紹介します。
最後まで読めばイキスギコードの概要がわかり、作曲の幅が広がるはずですよ!
目次
1.イキスギコードとは?
イキスギコードとは、正確には「Blackadder Chord(ブラックアダーコード)」を意味します。
- イキスギコードとはBlackadder Chord(ブラックアダーコード)のこと
- YouTuber「ゆゆうた」さんが命名したのが由来
- ドミナントセブンスから派生したコード
イキスギコードの詳細や名前の由来、またコードの詳細を解説します。
(1)イキスギコードとはBlackadder Chord(ブラックアダーコード)のこと
イキスギコードとは、「Blackadder Chord(ブラックアダーコード)」のことです。
ルートとなる音に増4度(減5度)・短7度・長9度上の音を加えて作られたコードを意味します。
または、オーグメントコードのルート音に増4度(減5度)下にベースを置いた分数コードとしても解釈可能です。
イキスギコードとはブラックアダーコードのことで、ルートにアレンジを加えた和音を覚えておきましょう。
(2)YouTuber「ゆゆうた」さんが命名したのが由来
ぼなぺてぃーとSにイキスギコードを発見して興奮するゆゆうたニキ pic.twitter.com/iSTMMRixnC
— ちば@ (@chiba2521) October 30, 2018
イキスギコードの由来は、YouTuberの「ゆゆうた」さんがあまりに気持ち良すぎる和音のためそう呼んだことが由来となっています。
2018年ごろに「ゆゆうた」さんが配信内で、この音楽コードについて「気持ち良すぎるためイキスギコードである」と発言したのがきっかけです。
Blackadder Chord、日本だと田中秀和が多用してゆゆうたがイキまくってるせいで「イキスギコード」と呼ぶのが一番浸透してるの笑うんだよな
— 羊 (@UshiBovidae) August 1, 2022
イキスギコードはもともと過去の音楽でも使用されていたコードですが、配信の内容と独特のネーミングが話題となりました。
現在の日本ではブラックアダーコードよりも、イキスギコードと呼ばれることが多いほどです。
(3)ドミナントセブンスから派生したコード
イキスギコードは、ドミナントセブンスから派生したコードのことです。
ドミナントセブンスコードとは、メジャートライアドに♭7の音を乗せたコードのこと。
秀和がやりそうなドミナントセブンスの連続 pic.twitter.com/ja5EnFSYri
— まるろん / Marulon (@Marulon_polyaug) June 2, 2020
例えばC7のコードを使用した場合は、♭7を乗せるとFまたはFm(エフマイナー)が和音の帰着点となります。
このドミナントセブンスコードに、さらにテンションを加えたものがイキスギコードです。
冒頭で解説したように、オーギュメントセブンスコードを展開することでもイキスギコードが作れます。
ドミナンスセブンスコードについては以下の記事で詳しく紹介しているので、合わせて参考にして下さい。
(4)アニソンを多く手掛ける「田中秀和」さんの楽曲に頻出
イキスギコードはもともと、日本のアニメソングを多く手掛ける「田中 秀和(たなか ひでかず)」さんの楽曲に頻繁に登場するコードでした。
実は日本では1970年代の頃から用いられていたコードであり、”聞き慣れないコード”として知られていたそうです。
その後「田中 秀和」さんの楽曲でこのコードがよく使われるようになり、響きが良いことから爆発的に人気のコードとなりました。
過去には「山下 達郎(やました たつろう)」さんが”Candy(キャンディ”という楽曲に用いたこともあります。
2.イキスギコードを活用する方法
イキスギコードを活用する方法を解説します。
半音下のコードに解決するように配置するのがもっと簡単です。
イキスギコードは今やメジャーとなっており、教本などにも登場しています。
耳触りが良く、印象的な音楽を作りたい方は、イキスギコードを活用してみましょう。
イキスギコードはドミナントセブンスコードの派生系であり、ドミナントセブンスの代理として使用するケースが多いです。
先ほど解説したおーギュメントセブンスコードを転回することで、イキスギコードを作れます。
ドミナントセブンスコードを5度下の音に解決する(不安定な響きを解消させること)ように配置すると良いでしょう。
「田中 秀和」さんの灼熱スイッチのサビのコード進行を紹介します。
B7→Gaug/F→Em7
イキスギコードは”Gaug/F”となるのですが、この音が半音下のEm7に解決することでクセがありつつも気持ちの良い響きを生み出しています。
半音下に解決するような流れを意識してイキスギコードを配置してみましょう。
ただし、イキスギコードの多用はメロディのしつこさを生み出すので、あまりに何度も使うのは良くありません。
3.イキスギコードが活用されている音楽
イキスギコードが活用されている音楽を3つ紹介します。
- 灼熱スイッチ
- 全力少年
- 世界はそれを愛と呼ぶんだぜ
有名な灼熱スイッチをはじめ、イキスギコードを使用している楽曲の代表作3選です。
1つずつ詳細を解説します。
(1)灼熱スイッチ
灼熱スイッチはTVアニメ「灼熱の卓球娘」のテーマソングで、田中秀和さんによって作曲されました。
イキスギコードが使われている楽曲の代表作とも言われており、軽快で盛り上がりのあるメロディが特徴です。
B7→Gaug/F→Em7
サビの部分に上記のイキスギコードが使用されており、非常に人気があるアニソンとなっています。
(2)どんなときも(槇原 敬之)
槇原敬之さんの「どんなときも」にも、イキスギコードが使われています。
サビに入る前に以下のコードが入っているので、よく聞いてみましょう。
F#aug/B#
サビ前の部分で使用されているコード進行にブラックアダーコードが含まれており、心地よい響きを生み出しています。
王道のコード進行方向なので、真似しやすく取り入れやすいはずです。
(3)世界はそれを愛と呼ぶんだぜ
サンボマスターの「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」も、イキスギコードが何度も出てきます。
A→Aaug/D#→D△7
楽曲中何度も登場するコードなので、よく聞いてみてイキスギコードを見つけてみましょう。
まとめ
イキスギコードはドミナントセブンスの派生であり、音楽に深みを持たせる心地よい響きを生み出します。
音楽理論的にはまだ解釈が多いコードですが、王道のコード進行から取り入れてみると良いでしょう。
まずはイキスギコードが使われている楽曲を聴き、どのようなバリエーションが使えるか真似してみてくださいね。