ミドルボイスとは?ミックスボイスとの違いと習得のための3ステップ

「ミドルボイスとはどのような歌い方?」
「ミドルボイスはミックスボイスとどのように違うの?」

このように悩んでいませんか?

ミドルボイスとは鼻腔の使い方により中音域の声をスムーズに出す発声法のことで、ミドルボイスを使いこなすことにより、ONE OK ROCKのTAKAやSuperflyの越智志帆のように芯のある強い歌声を出すことができるようになります。

今回の記事ではミドルボイスの概要を紹介するだけでなく、ミックスボイスとの違いやミドルボイスを習得するための3つのステップについても解説します。

この記事を読んでミドルボイスについて正しく理解し、ぜひチャレンジしてみてください!

1.ミドルボイスとは

ミドルボイスとは、鼻腔を上手く使って中音域の声を力強いまま出す発声法を指します。

声には地声と裏声があり、それぞれチェストボイスとヘッドボイスとも呼ばれます。

そのチェストボイスとヘッドボイスの中間の音域を歌う際に、ミドルボイスを使うことで力強い声のまま歌い上げることが可能です。

ところで人間が発声する際、音程を調節するために咽頭で低い音を、口腔で真ん中の音を、鼻腔で高音を共鳴させています。

ミドルボイスは、この中の鼻腔を上手く使って共鳴させることで、高音を力強く歌い上げることを可能にしています。

鼻腔共鳴がうまくイメージできない方は、裏声でハミングをしてみると、鼻腔で響かせる感覚を掴むことができるでしょう。

ミドルボイスを多用する代表的なアーティストとしては、ONE OK ROCKのTAKAや久保田利伸、いきものがかりの吉岡聖恵、Superflyの越智志帆などが挙げられます。

いずれも芯のある強い歌声で多くの聴衆を魅了する、日本を代表するアーティストですよね。

このように、ミドルボイスは、鼻腔を共鳴させることにより地声と裏声の中間の音域を力強く歌い上げる発声法です。

ミドルボイスの「ミドル」の意味

ミドルボイスの「ミドル」は、第1喚声点と第2喚声点の間という意味です。

喚声点とは、地声からだんだん声を高くしていく際に声が出しづらくなる時の音程のことを指します。

その中でも、低い声から順に声を上げたときに最初に声を出しづらくなる音程を第1喚声点、さらに声を高くすると次に出しづらくなる音程を第2喚声点と呼びます。

この第1喚声点と第2喚声点の中間の声を出しやすくするための発声法という意味で、ミドルボイスと呼ばれているのです。

2.ミドルボイスとミックスボイスの違い

録音時に声質を変えてみる

ミドルボイスと似た言葉にミックスボイスという言葉がありますが、厳密には意味が異なります。

ミックスボイスは、低い音域から高い音域まで一貫して声門の開き具合を一定にすることで、声の裏返りを無くす発声法です。

通常、地声で歌う一番高い音域では声門閉鎖が急に弱くなり、さらに高音を出そうとすると声が裏返ってしまいます。

そこで、ミックスボイスは最初から声門閉鎖の弱い状態をキープし続けることにより、裏返りなくスムーズに高音に移行することを実現しているのです。

言うなれば、ミドルボイスは中音域をうまく歌う手法であるのに対し、ミックスボイスは低音・中音・高音の間を違和感なく行き来する手法といったイメージです。

ですので、ミックスボイスで歌いこなすためには、あらかじめミドルボイスをマスターしておくことが必須条件となります。

現状、ボイストレーナーの中にはミドルボイスとミックスボイスを混同して使っている方も多くいます。

しかし、正確にはミックスボイスを習得するための1つの技術としてミドルボイスが存在し、ミドルボイスは鼻腔共鳴を使うことによって中音域をスムーズに出しやすくする発声法であると言えるでしょう。

3.ミドルボイスを習得するための3ステップ

声の特徴をプラスに捉える

最後に、ミドルボイスを習得するための方法を以下の3つのステップに分けて説明します。

  1. 声帯を閉鎖させる感覚を身に付ける
  2. 裏声で声帯を閉鎖させる
  3. 声帯閉鎖を意識したまま喉を開く

それぞれの詳細を順番に説明します。

ステップ1.声帯を閉鎖させる感覚を身に付ける

ミドルボイスの習得法の第1ステップとして、声帯を閉鎖させる感覚を身に付けることが挙げられます。

裏声時に声帯をしっかり閉鎖できていれば、太くしっかりした声を出すことが可能です。

逆に、しっかり閉鎖できていない時には弱くか細い声になってしまいます。

声帯がきちんと閉鎖できているかどうかを確認するには、低めの声で「あー」と発声してみます。

その際、声帯が振動している感覚を感じられたら声帯が閉鎖できています。

慣れてきたら、徐々に声の高さを上げていき、どの音程でも同様に声帯閉鎖が出来るまで練習しましょう。

このように、ミドルボイスを練習するには、まず声帯を確実に閉鎖させることが大切で、低い声から練習を始めて徐々に声を高くしていきます。

ステップ2.裏声で声帯を閉鎖させる

ミドルボイスの習得法の第2ステップとして、裏声で声帯を閉鎖させることが挙げられます。

最初に、音を短く切って「ん、ん、ん、ん」と裏声で出した後、息を止めた「ん」と発声してみます。

ステップ1で練習した声帯閉鎖を意識しながら、強い声を出すことを心がけます。

強い声を出すのが難しければ、「ぐ」っと発声してみると、自然と閉鎖筋が働く音であるために声帯を閉じる感覚が掴みやすいかもしれません。

このように、ミドルボイスを練習するには、「ん」もしくは「ぐ」を裏声で発声する練習を繰り返すことにより声帯閉鎖の感覚を掴みましょう。

ステップ3.声帯閉鎖を意識したまま喉を開く

ミドルボイスの習得法の第3ステップとして、声帯閉鎖を意識したまま喉を開くことが挙げられます。

喉を開く練習方法としては、「ま」を息漏れせずに裏声で発声します。

この時、ステップ1・2で練習した声帯閉鎖も意識することが大切です。

喉を開くためには外咽頭筋を使って声帯を前後に長く伸ばす必要があります。

そのため、うまくミドルボイスを出すためには表情筋を鍛えることも重要です。

このように、ミドルボイスを出すためにはステップ1で習得した声帯閉鎖を意識しつつ、外咽頭筋を使って喉を開きます。

ファルセットの練習

ミドルボイスがうまく発声できない場合には、先にファルセットを練習してみるのがおすすめです。

ファルセットはミドルボイスとは違い息漏れの多い発声法であり、ミドルボイスで使用する閉鎖筋は使わず、輪状甲状筋だけを使って発声します。

そのため、閉鎖筋が弱くうまく喉を閉められない人でもファルセットであればうまく発声できる可能性があります。

まずはファルセットをマスターしつつ、同時に表情筋を鍛えていくことにより、次第にミドルボイスも出せるようになってくるでしょう。

このように、ミドルボイスの喉を開く感覚がうまくマスターできない人は、先に閉鎖筋を使わないファルセットから練習してみましょう。

まとめ

今回の記事ではミドルボイスの概要を紹介するだけでなく、ミックスボイスとの違いやミドルボイスを習得するための3つのステップについても解説しました。

ミドルボイスとは鼻腔の使い方により中音域の声をスムーズに出す発声法のことで、ミドルボイスを使いこなすことにより、ONE OK ROCKのTAKAやSuperflyの越智志帆のように芯のある強い歌声を出すことができるようになります。

この記事を読んでミドルボイスについて正しく理解し、ぜひチャレンジしてみてください!

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