映像音響処理技術者とは?具体的な仕事内容や認定試験情報のまとめ

「映像音響処理技術者ってどんな仕事?」
「映像音響処理技術者認定試験って、どんな内容を勉強したら良いの?」

映像音響処理技術者とは放送・販売される映像の編集者・音響スタッフを意味します。

メディアだけでなく、広告やインターネットでも動画の需要が高まった現代では映像音響処理技術者のニーズも高いです。

この記事では映像音響処理技術者の概要と仕事内容の説明、映像音響処理技術者認定試験の概要や出題範囲、勉強方法を解説しています。

最後まで読めば映像音響処理技術者の仕事が理解でき、将来仕事をしている自分がより明確にイメージできるでしょう。

1.映像音響処理技術者とは

映像音響処理技術者とは、放送・販売される映像の編集者や音響の調整など技術スタッフをまとめた呼び方です。

映像や音響業界では欠かせない技術職の1つであり、映像音響処理技術者がいないと番組を放映したり、映像を販売できません。

テレビや映画はもちろん、インターネット業界や広告業界でもニーズの高い仕事です。

2.映像音響処理技術者の仕事内容

映像音響処理技術者の仕事内容を2つの分野別に紹介します。

  1. 映像分野
  2. 音響分野

映像と音響のどちらへ進みたいか考えながら、読み進めていきましょう。

(1)映像分野

映像分野の映像音響処理技術者の仕事内容は、主に以下の4つです。

  1. 映像の編集
  2. 字幕(テロップ)挿入
  3. 特殊効果の付与
  4. 映像データ形式の変換

具体的に映像音虚処理技術者が何をしているか説明します。

#1:映像の編集

映像音響処理技術者の主な仕事は、映像編集です。

撮影した映像を繋ぎ合わせたり、シーンの順番を入れ替えたりして、視聴者が楽しめるように調整します。

また無駄なシーンをカットして冗長な印象にならないようにするのも、大事な編集技術の1つです。

#2:字幕(テロップ)挿入

編集が終わった映像に字幕(テロップ)を入れるのも、映像音響処理技術者の役割です。

字幕があることでより情報やメッセージが伝わりやすく、また聴覚障害がある方も楽しめる映像になります。

#3:特殊効果の付与

特殊効果を映像に付与するのも、映像音響処理技術者の仕事の1つです。

映像が単調にならないようにCGを入れたり、イラストを挿入したりして映像をわかりやすく仕上げます。

#4:映像データ形式の変換

全ての編集が完了した映像データ形式を変換するのも、映像音響処理技術者がおこないます。

配信する媒体や放送枠に合わせてリサイズし、データ形式を変換して企画に合わせます。

(2)音響分野

音響分野の映像音響処理技術者の仕事内容を解説します。

  1. 効果音の合成
  2. ナレーションの追加

音響分野に進みたい方は参考にしてください。

#1:効果音の合成

映像音響処理技術者の音響分野の仕事は、効果音の合成です。

編集者が編集し終わった映像に適した効果音やBGMを挿入して、映像を聴覚的にも情報が伝わりやすいよう調整します。

#2:ナレーションの追加

映像音虚処理技術者の音響分野でのもう1つの仕事は、ナレーションの追加です。

ナレーターに別録りで吹き込んでもらった音声を合成し、タイミングや音量バランスを調整します。

3.映像音響処理技術者認定試験について

映像音響処理技術者は資格が必要な職業ではありませんが、認定試験を受けておくと一定のスキルがあると客観的に証明できます。

  1. 試験の概要
  2. 出題範囲・試験内容
  3. 難易度

将来的に制作会社で映像音響処理技術者になりたい方は、ぜひ取得しておきましょう。

映像音響処理技術者認定試験について、概要や試験内容、合格率を説明します。

(1)試験の概要

映像音響処理技術者認定試験は全国40ヵ所の学校などで実施される、マークシート式の筆記試験です。

受験費用は5,500円(税込)で、受験資格などは特にありません。

試験は75分50問回答となっています。

2024年度は6月2日に試験が実施され、申込期間は2024年3月1日から4月30日までです。

(2)出題範囲・試験内容

映像音響処理技術者認定の出題範囲と試験内容について解説します。

試験はJPPAが発行した『映像音響処理技術者資格認定試験問題集』からの出題です。

技術基礎問題 要点・ポストプロダクションについて
・電気の基礎
・デジタルの基礎
・放送の基礎
・保守・管理の基礎
映像基礎問題 要点・色の基礎
・光の基礎
・映像信号の基礎
・映像信号の測定・管理の基礎
・撮影技術の基礎
・デジタル信号規格の基礎
・デジタルテレビ放送の基礎
・映像モニターの基礎
・編集機器・周辺機器の基礎
・編集技術の基礎
・映像表現の基礎
音響基礎問題 要点・音の基本原理
・マイクロフォンの基礎
・音声調整卓・周辺機器の基礎
・スピーカーの基礎
・音声監視の基礎
・音声回路の基礎
・デジタル音声信号の基礎
・MAシステムの基礎
・録音機器(DAW)の基礎
・オーディオ機器におけるIPの基礎
・音声処理の基礎
・音声ミキシングの基礎
デジタルメディア・コンピューター基礎問題 要点・デジタルメディアの基礎
・デジタルデータの基礎
・ディスクメディアの基礎
・映像記録の基礎
・コンピュータの基礎
・インターネット技術の基礎
著作権基礎問題 要点・著作権とは
・著作権保護
・著作物の私的利用範囲
・著作物の無断使用
・その他

試験は技術基礎問題(20%)、映像基礎問題(30%)、音響基礎問題(30%)、デジタルメディア・コンピュータ基礎問題(10%)、著作権基礎問題(10%)で構成されています。

特に映像と音響基礎問題の比率が高いため、問題集を買って勉強しておきましょう。

(3)難易度

映像音響処理技術者認定の合格率は70%であり、比較的難易度は低いです。

合格ラインは60%以上となっており、出題範囲の過去問をしっかり勉強しておけば合格できるでしょう。

4.映像音響処理技術者認定の勉強方法

映像音響処理技術者認定の勉強方法は2つあります。

  1. 参考書を買って出題範囲を勉強する
  2. 専門学校や大学のカリキュラムで勉強する

今から映像音響処理技術者認定を取得したい方は参考にしてください。

(1)参考書を買って出題範囲を勉強する

映像音響処理技術者認定を取得するには、参考書を買って出題範囲を勉強しましょう。

JPPAが発行している『映像音響処理技術者資格認定試験問題集』を勉強しておけば、試験範囲を網羅できます。

300問の過去問が収録されており、解説も同時に掲載されているので過去問題を解きながら知識をつけられます。

(2)専門学校や大学のカリキュラムで勉強する

映像音響処理技術者認定の資格取得は、専門学校や大学のカリキュラムでも可能です。

専門学校や映像音響処理技術者認定の資格取得を推奨していることもあります。

専門学校へ進もうと思っている方、学校の講義で映像音響処理を専攻している方は、学校でも勉強が可能です。

まとめ

映像音響処理技術者はメディア・インターネットと活躍の場が広く、需要も高い仕事です。

映像の編集や音響効果をつけて、映像を視聴者に対してわかりやすく調整します。

映像音響処理技術者は無資格でもなれますが、記事で紹介した映像音響処理技術者認定を受けておくと、スキルを客観的に評価しやすいです。

就職や転職で有利に働くので、映像音響処理技術者としての就職を目指している方は、ぜひ取得しておきましょう。

記事の内容を参考にして、映像音響処理技術者になりあなたが編集した映像を世界へ発信してくださいね!

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