「あいみょんのハルノヒはどんな曲?」
「ハルノヒコードにはどのような特徴があるの?」
このように悩んでいませんか?
ハルノヒはダイアトニックコードを主体にしたシンプルなコード進行で、映画の世界観にもマッチした素朴で親しみやすい楽曲です!
今回の記事では、ハルノヒの基本情報や人気の理由を紹介するとともに、ハルノヒコードの特徴を詳しく解説していきます。
この記事を読んでハルノヒコードについて理解し、ぜひご自身の曲作りにも取り入れてみましょう。
目次
1.ハルノヒとは
ハルノヒは、あいみょんが2019年にリリースした楽曲で、映画「クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン~失われたひろし~」の主題歌としても有名ですね。
この曲、実は映画内の主人公クレヨンしんちゃんの父である野原ひろしの視点で、愛する妻みさえへ送るプロポーズの心境が歌われているんですよ。
「完璧ではない自分だけど、あなたと一緒なら幸せに暮らしていける」という等身大な歌詞に合わせ、曲調もナチュラルで軽いものとなっています。
楽曲のキーはAメジャーで転調はなく、ダイアトニックコード主体で変わったコード進行も見られない、シンプルな曲調です。
このように、あいみょんのハルノヒは全体的にシンプルな曲調で、等身大の歌詞やメロディーが素直に心に染み入るような楽曲です。
2.ハルノヒが人気の3つの理由
次にハルノヒが人気の理由は大きく以下の3つが考えられます。
- 映画の世界観にマッチしている
- ダイアトニックコード主体のAメジャーが心地よい
- あいみょん独特の世界観に惹きつけられる
順番に説明します。
理由1:映画の世界観にマッチしている
ハルノヒ人気の理由の1つ目に、映画の世界観にマッチしていることが挙げられます。
以前よりクレヨンしんちゃんの大ファンであることを公言していたあいみょんは、主題歌を書き下ろすにあたって映画の世界観をとても大事にしました。
楽曲からは、いつもは頼りない父ひろしが、失敗しながらも家族を大切に思う気持ちが手に取るように伝わってきますよね。
このように、映画の世界観をうまく表現し作品への愛が伝わったことで、多くの人に支持されました。
理由2:ダイアトニックコード主題のAメジャーが心地よい
ハルノヒ人気の理由の2つ目に、ダイアトニックコード主体のAメジャーが心地よいことが挙げられます。
この曲の中にノンダイアトニックコードは2カ所しか使われておらず、Aメジャーのシンプルなコード進行がメロディーを引き立てています。
どこか昭和のなつかしさも感じられるような耳なじみのよいこの曲調が、中・高年齢層にも幅広く受け入れられたポイントと言えるでしょう。
このように、ハルノヒのダイアトニックコード主題のどこか懐かしいナチュラルな曲調が、幅広い層に受け入れられました。
理由3:あいみょん独特の世界観に惹きつけられる
ハルノヒ人気の理由の3つ目として、あいみょん独特の世界観に惹きつけられる点が挙げられます。
全体的に親しみやすいシンプルな楽曲ですが、とはいえ独特のあいみょんらしさがアクセントのように散りばめられています。
例えば、間奏部に登場する電子音の意外性や、「未来が覗く」「未来が手を振る」などの擬人法を使った独特な歌詞にはいかにもあいみょんらしさが出ていますよね。
このように、あいみょんらしいアクセントが曲全体に独自性をもたらし、多くの人がその世界観に惹きつけられたのです。
3.ハルノヒのコードの特徴
ここからは、ハルノヒのコードの特徴を、以下の8つのパートに分けて解説していきます。
- イントロ
- Aメロ
- Bメロ
- サビ(※)
- Cメロ
- ラストサビ
- 間奏2
- ラストフレーズ
※サビ後に、Aメロ1・Bメロ・サビの繰り返しあり
順番に説明します。
(1)イントロ
「ハルノヒ」のイントロのコード進行は以下の通りです。
|A|C#m|D|Bm E|
|A|C#m|D Bm|A E|
イントロは、ギターの柔らかいフレーズから始まります。
4小節目の「Bm→E」が、次のAコードへの強い解決感を表現していますね。
(2)Aメロ
「ハルノヒ」のAメロのコード進行は以下の通りです。
|A|C#m|D|Bm E|
”北千住駅のプラットフォーム 銀色の改札”
|A|C#m|D|Bm E|
”思い出話と 思い出ふかし 腰掛けたベンチで”
|D E|F#m|D E|A E|
”僕らは何も見えない未来を誓い合った”
|A|C#m|D|Bm E|
”寒さにこらえた木々と猫が まるで僕らのことで”
|A|C#m|D|Bm E|
”蕾を咲かせようと実を揺らしている 素敵に笑っている”
|D E|F#m|D E|A|
”焦らなくていい いつか花束になっておくれよ”
Aメロのコード進行は「A→C#m」というパターンで、カノン進に似た明るめの曲調です。
このコード進行はアイドル曲からフォークまで幅広く利用されていますよね。
カノン進行については以下の記事でも詳しく述べていますので参考にしてください。
また、9~10小節目・21~22小節目の「D→E→F#m」について、F#mコードはAコードの代理として使用しています。
(3)Bメロ
「ハルノヒ」のBメロのコード進行は以下の通りです。
|D E|A|D E|A A7|
”それまで待っていてね これからの展開を二人で”
|D E|C#m F#m|D|E|
“飽きるまで過ごしてみるからね 最低限の愛を伝えながら”
4小節目には「A7」(セブンスコード)が使用されており、セカンダリードミナントと言われます。
この部分が、曲全体で使われる2カ所のノンダイアトニックコードのうちの1つ目です。
また、5~6小節目の「D→D→C#m→F#m」は王道進行と呼ばれ、ポップスで多用される有名なコード進行です。
王道進行については以下の記事でも詳しく述べていますので参考にしてください。
(4)サビ
「ハルノヒ」のサビのコード進行は以下の通りです。
|A|C#m|D E|A|
”どんな未来が こちらを覗いてるかな”
|D|A/C#|D|E|
”君の強さと僕の弱さを分け合えば どんな凄いことが起きるかな?”
|A|C#m|D E|A|
”ほら もうこんなにも幸せ”
|D|C#m F#m|D E|A|
”いつかはひとり いつかはふたり 大切を増やしていこう”
サビのコード進行もAメロと同じく「A→C#m」というパターンで、カノン進に似た明るめの曲調ですね。
8小節目のメロディーの最後に伸ばした音がそのまま9小節目(サビ2週目)の先頭のメロディーにもつながっている点が特徴的です。
(5)間奏
「ハルノヒ」の間奏のコード進行は以下の通りです。
|F#m7|E|D|E|
|F#m7|E|D|Esus4 E|Esus2 E|
間奏内で奏でられる電子的な音が非常に印象的で、曲全体のアクセントとなっていますよね。
8~9小節目の「Esus4→E→Esus2→E」にsusコードが使用されています。
susコードとは、通常のルートから3度ずつ音を上げていくコードとは違い、3番目の音を変化させたコードのことです。
例えばsus4なら3番目のコードを4度の音に変更させるため、Esus4の場合はEコードの3番目をG#音からA音に変更することになります。
(6)Cメロ
「ハルノヒ」のCメロのコード進行は以下の通りです。
|D E|F#m|D E|A|
”焦らないでいい いつか花束になっておくれよ”
|D E|F#m|D E|A|E|
”僕らは何も見えない 未来を誓い合った”
1~2小節目の「D→E→F#m」のF#mはAコードの代理コードとして利用されています。
(7)ラストサビ
「ハルノヒ」のラストサビのコード進行は以下の通りです。
|A|C#m|D E|A|
”どんな未来が こちらを覗いてるかな”
|D|A/C#|D|E|
”君の強さと僕の弱さを分け合えば どんな凄いことが起きるかな”
|A|C#m|D C#7|F#m|
”ほら もうこんなにも幸せ”
|D|C#m F#m|D|E|
”いつかはひとり いつかはふたり いや もっと もっと 大切を増やしていこう?”
全体的にほぼサビと同じコード進行ですが、11~12小節目の「D→C#7→F#m」のみ異なり、C#7が採用されています。
これはセカンダリードミナントと言われる手法で、次の音(F#m)にドミナントモーションしています。
ここにノンダイアトニックコードを使用することで、楽曲のクライマックスを効果的に演出していますよね!
このコード進行は他の楽曲でもよく利用されますので、参考にしてみてくださいね。
(8)間奏2
「ハルノヒ」の間奏2のコード進行は以下の通りです。
|A|C#m|D|E|E|
ラストフレーズの前の間奏部分です。
4小節ともダイアトニックコードが使用されています。
(9)ラストフレーズ
「ハルノヒ」のラストフレーズのコード進行は以下の通りです。
|A|C#m|D|Bm E|
”住み慣れた駅のプラットフォーム 水色に挨拶”
|A|C#m|D|Bm E|
|A|
“「お帰りなさい」と 小さく揺れる影を踏む幸せ”
ラストフレーズは、Aメロやサビと同様のコード進行で落ち着いて締めくくります。
まとめ
今回の記事では、ハルノヒの基本情報や人気の理由を紹介するとともに、ハルノヒコードの特徴を詳しく解説しました。
ハルノヒコードはダイアトニックコードを主体にしたシンプルで素直なコード進行で、映画の世界観にもマッチした素朴で親しみやすい楽曲でしたね!
この記事を読んでハルノヒコードについて理解し、ご自身の曲作りにも取り入れてみましょう。