ハーモニックマイナースケール全12種一覧!ナチュラルとの違いとは

「ハーモニックマイナースケールってどんな特徴があるの?」
「ハーモニックマイナースケールって通常のマイナースケールとどう違うの?」

マイナースケールを勉強している人の中には、ハーモニックマイナースケールが他のマイナースケールとどう違うのが明確にわかっていない人も多いのではないでしょうか。

実は、ハーモニックマイナースケールは他のマイナースケールと決定的に違う点があり、このスケールを理解することでマイナースケールの知識を深めることができるのです!

本記事では、ハーモニックマイナースケールの概要や一覧表、他のマイナースケールとの違いを紹介します。

この記事を読めば、ハーモニックマイナースケールと他のマイナースケールとの混同を防ぎ、正しく理解することができますよ!

なお、以下の記事でマイナースケールの概要や規則性について紹介しているので、あわせてご覧ください!

マイナースケールとは?規則性と音楽初心者が勉強する4つのメリット

2021.01.14

1.ハーモニックマイナースケールとは

ハーモニックマイナースケールとは

ハーモニックマイナースケールとは、マイナースケールのうちの1種です。

マイナースケール(「ラ・シ・ド・レ・ミ・ファ・ソ」の音の並び)には全部で3種あり、ナチュラルマイナースケール、ハーモニックマイナースケール、メロディックマイナースケールに分類することができます。

ナチュラルマイナースケールは一般的に言われているマイナースケールのことで、ハーモニックマイナースケールとメロディックマイナースケールは、ナチュラルマイナースケールに手を加えたものです。

ハーモニックマイナースケールの並びは、以下のようにナチュラルマイナースケールの第7音(導音)を半音上げた並びになっており、第7音と第1音(主音)との関係性が半音に強制されています。

ハーモニックマイナースケールの並び(Aマイナースケールの場合)

ナチュラルマイナースケール
A(ラ)・B(シ)・C(ド)・D(レ)・E(ミ)・F(ファ)・G(ソ)

ハーモニックマイナースケール
A(ラ)・B(シ)・C(ド)・D(レ)・E(ミ)・F(ファ)・G♯(ソ♯)

導音から主音へのコードの展開は、コード進行の印象に大きな影響があり、一般的に導音と主音の関係が半音であることが望ましい(導音が主音に対して半音でつながる性質が強い)とされています。

しかし、ナチュラルマイナースケールではG→Aにかけて全音になっており、導音→主音の流れが不完全なので、導音をG→G♯に無理やり半音上げて、導音→主音の流れを強制的に完全にした形がハーモニックマイナースケールなのです。

ナチュラルマイナースケールの導音を半音上げただけなので、一緒に規則性を覚えておきましょう!

2.他のマイナースケールとの違い

他のマイナースケールとの違い

ハーモニックマイナースケールが他のマイナースケールとどう違うのか紹介します。

ナチュラルマイナースケールとハーモニックマイナースケールの違いは導音ですが、ハーモニックマイナースケールとメロディックマイナースケールの違いは第6音です。

メロディックマイナースケールは、以下のようにハーモニックマイナースケールの第6音を半音上げた並びになっています。

メロディックマイナースケール(Aマイナーの場合)

ハーモニックマイナースケール
A(ラ)・B(シ)・C(ド)・D(レ)・E(ミ)・F(ファ)・G♯(ソ♯)

メロディックマイナースケール
A(ラ)・B(シ)・C(ド)・D(レ)・E(ミ)・F♯(ファ♯)・G♯(ソ♯)

ハーモニックマイナースケールは導音→主音の流れを良くするためにナチュラルマイナースケールを矯正したものでしたが、ハーモニックマイナースケールのままではFとG♯の間が2音になってしまいます。

この状態では導音→主音の流れが完全でも7つの音階としては不十分(違和感のある並び)なので、第6音を半音上げて導音との関係を全音に強制したものがメロディックマイナースケールなのです。

したがって、音階として自然なマイナースケールはメロディックマイナースケールとなります。

ナチュラルマイナースケール
  • 一般的に言われているマイナースケール
  • 「ラ・シ・ド・レ・ミ・ファ・ソ」の並び
ハーモニックマイナースケール
  • ナチュラルマイナースケールの第7音(導音)を半音上げた並び
  • ナチュラルマイナースケールの矯正版
  • 「ラ・シ・ド・レ・ミ・ファ・ソ♯」の並び
メロディックマイナースケール
  • ハーモニックマイナースケールの第6音を半音上げた並び
  • ハーモニックマイナースケールの矯正版
  • 「ラ・シ・ド・レ・ミ・ファ♯・ソ♯」の並び

3.ハーモニックマイナースケールの一覧

ハーモニックマイナースケールの一覧

ハーモニックマイナースケールを一覧にして紹介します。

ハーモニックスケールは以下の12パターンです。

スケール名
C(ド)CDE♭FGA♭B
D(レ)DEFGAB♭D♭
E(ミ)EG♭GABCE♭
F(ファ)FGA♭B♭CD♭E
G(ソ)GAB♭CDE♭G♭
A(ラ)ABCDEFA♭
B(シ)BD♭DEG♭GB♭
D♭(レ♭)D♭E♭EG♭A♭AC
E♭(ミ♭)E♭FGA♭B♭BD
G♭(ソ♭)G♭A♭ABD♭DF
A♭(ラ♭)A♭B♭BD♭E♭EG
B♭(シ♭)B♭CD♭E♭FG♭A

使いたいスケールがあれば、上記の表から探してみてください。

また、ハーモニックマイナースケールは、ナチュラルマイナースケールの導音を半音上げるだけで導くことができます。

わざわざハーモニックスケールを覚える必要はなく、ナチュラルマイナースケールの規則性を覚えておけば位置から自分で導くことができるので、最初のうちは慣れるためにも自分で割り出す練習をしておきましょう!

なお、以下の記事でマイナースケールを一覧にして紹介しているので、あわせてご覧ください!

12種類のマイナースケール一覧!メジャースケールとの関係や覚え方

2020.12.27

まとめ

ハーモニックマイナースケールは、使いやすいようにナチュラルマイナースケールを応用したもので、音楽に携わっていると見る機会が多いです。

しかし、一から全て覚えようとするとメジャースケールやナチュラルマイナースケールと混同してしまうので、規則性を覚えて自分で導けるようになっておきましょう!

また、ハーモニックマイナースケールをさらに応用したメロディックマイナースケールにも触れておくと、より深い音楽理論で音楽を楽しめるようになります。

余裕があれば、ハーモニックマイナースケールからメロディックマイナースケールを導く練習をしておくとより知識が深まりますよ!

なお、マイナースケールで構成されているマイナーキーのダイアトニックコードについて以下の記事で紹介しているので、あわせてご覧ください!

マイナーキーのダイアトニックコードの特徴!覚えるための3つのコツ

2020.12.27

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