「オンコードって一体どんな意味なの?」
「オンコードってどんな風に使えばいいの?」
コードについて勉強している人の中には、オンコードが一体どんなコードなのか知らない人も多いのではないでしょうか。
オンコードは表記が複雑なため初心者には難しそうに思えるかもしれませんが、実は、規則性さえ覚えれば簡単に使いこなすことができるのです!
本記事では、オンコードの概要や効果、使い方について紹介します。
この記事を読めば、オンコードを理解してコード進行に深みを持たせることができるようになりますよ!
目次
1.オンコードとは
オンコードとは、コードを構成する音の中でルート音以外の音が最低音になっているコードのことです。
〇on〇もしくは〇/〇と表記され、左側(分子)はコード、右側(分母)はベース音を表しており、分数コードとも言われています。
従来のコードはルート音がコードを構成する音の中で最も低音ですが、オンコードはルート音以外の音を最低音として鳴らすことが可能です。
たとえば、Cのコードの場合、コードの構成音は「C・E・G」なので、最低音はルート音であるCとなります。
しかし、ConEやConGといったオンコードにすることで、演奏する音は「E・G」や「G」となり、ルート音のCではなくEやGの音を最も低音にすることができるのです。
同じコードを弾きながらもベース音が変わることから、わずかに聞こえ方を変化させたいときやアレンジしたいときなどに使われます。
ギターの場合はそれぞれのオンコードを覚えるしかありませんが、ピアノの場合は左側のコードを右手で弾き、右側のベース音を左手で弾く(ConEであれば、右手でCのコードを弾きつつ左手でミを弾く)ことになるので、ピアノを弾く人はこの規則性を覚えておきましょう。
2.オンコードの3つの効果
オンコードの効果を紹介します。
主な効果は以下の3つです。
順に紹介するので、オンコードを使うメリットを頭に入れておきましょう!
(1)聞き心地がよくなる
オンコードを使うことで聞き心地がよくなる点が大きな特徴です。
コードが展開されるときは、コードが移行すると同時に最低音も移行するため、急にコードが変化することになります。
つまり、C(C・E・G)からE(E・G・B)にコードが移る場合、いきなり弾く音がCからB(E・Gは共通)に変化するので、大きく聞こえ方が変わるのです。
しかし、C→Eのコード展開の間にConEのオンコードを挟むことで、以下のようなコードの動きにすることができます。
コード展開 | 構成音の動き |
---|---|
C→E | 「C・E・G」→「E・G・B」 |
C→ConE→E | 「C・E・G」→「E・G」→「E・G・B」 |
オンコードを挟むことによって、中間となる音(E・G)を経てコードが変わるため、コードの変化にワンクッションおくことが可能です。
したがって、音の動きを滑らかにしたいときなどにオンコードを使いましょう。
(2)豊かな響きの和音になる
オンコードによってコードの構成音が変わるため、使い分けることで豊かな響きの和音にすることができます。
CとConEはルール上は同じコードになりますが、ルート音がそれぞれCとEなので、最低音の違いによって音の響きは変わるのです。
コード進行に大きな変化を加えることなく、聞こえ方を変えられることがオンコードの魅力なので、コード進行に動きを加えたいが、なるべく大きく変えたくないときなどに使いましょう。
(3)自在にアレンジができる
オンコードを使い分けることで、コード進行を自在にアレンジできます。
CコードでもConEやConGの2種類あるため、オンコードはコードの数だけ可能性があるのです。
どのオンコードを使うのかや、どのタイミングでオンコードを入れるのかなど、演奏者のセンスによってさまざまなアレンジができる点はオンコードの特徴といえます。
オンコードを使ってもコードが大きく変わるわけではなく、聞こえ方が若干変わる程度なので、初心者でも使いやすいアレンジテクニックです。
既存のコード進行にアレンジを加えたいときは、積極的にオンコードを使ってみましょう。
3.オンコードの3つの使い方
オンコードの使い方を紹介します。
主な使うポイントは以下の3つです。
順に紹介するので、どのようなときにオンコードを使えば良いのか把握しておきましょう。
(1)ペダルポイントを作りたいとき
オンコードは、主にペダルポイントを作りたいときに使われることが多いです。
ペダルポイントとはコード進行の中で、コード自体は変化しつつも共通して鳴り続けている音のことをいいます。
CからEにコードが移る場合、低音もCからEに移りますが、CをConEに変えることによって低音をEのままにすることが可能です。
コード進行 | 最低音の動き |
---|---|
C(C・E・G)→E(E・G・B) | C→E |
ConE(E・G)→E(E・G・B) | E→E |
オンコードは低音のペダルポイントを作る方法として有名なので、コードを展開する上で低音を維持したいときなどに使いましょう。
(2)ベース音の上下の動きを滑らかにしたいとき
ベース音の上下の動きを滑らかにしたいときにも使われます。
オンコードを使えば、半音ずつ上下させることが可能です。
たとえば、以下のようなベース音の動きにすることができます。
コード進行 | ベース音の動き |
---|---|
C→G→Am | C→G→A |
C→GonB→Am | C→B→A |
オンコードを使う前は、ベース音の動きの上下幅が広かったですが、オンコードで調整することにより、なだらかにベース音を下げることができました。
オンコードを使うことでベース音の動きが明確に分かるので、ベース音の動きをしっかり伝えたいときに使いましょう。
(3)ドミナントコードの代用として使いたいとき
ドミナントコード(Vのコード)の代わりに使うこともできます。
オンコードの中で、ドミナントコードとして代用できるコードは以下の2つです。
- ⅡmonⅤ
- ⅣonⅤ
たとえば、ⅡmonⅤを使って以下のようにアレンジすることができます。
コード進行 | ベース音の動き |
---|---|
G→D | G→D |
G→AmonD | G→D |
ベース音を一定に保ちつつ、コードをDからAmに変えることができました。
コード進行のドミナントコードにひと手間加えたいときなどに使ってみてください。
なお、ドミナントコードについて以下の記事で詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。
まとめ
オンコードは初心者がアレンジに使いやすいコードです。
表記を見ると難しく感じるかもしれませんが、何回か使ううちに慣れてくるので、ベース音の動きに変化をつけたいときに使ってみてください。
今回紹介した3つの使い方を参考に、オリジナルのコード進行にアレンジしてみましょう。